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残暑バテとは?原因とセルフケアで夏の疲れを乗り切る方法
- 2025/8/26
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この夏もお疲れ様でした。
今年も5月中旬を過ぎた頃から、天気予報では「夏日」「真夏日」と言われはじめ、現在も未だに「猛暑日」があり酷暑が続いていますね。
夏バテに苦しめられた日々も終わりに近付いていますが、次にやってくるのは残暑バテです。
残暑バテとは、夏の終わりから秋にかけての残暑が原因で起こる体調不良のことです。
主な症状には、疲労感、だるさ、頭痛、食欲不振、胃腸の不調、微熱、立ちくらみなどがあります。
残暑バテの特徴とは
あまり聞き慣れない残暑バテですが、特徴としては次のようなものがあります。
<残暑バテの特徴>
数ケ月続いた夏の疲れが蓄積している
秋に向けて昼と夜の寒暖差が大きくなり自律神経が乱れやすい
台風による気圧の変化が大きくなり、低気圧不調(気象病・天気痛)の影響が出る
夜に外気温が下がる日が増えて、体温が下がりやすくなる
日中はまだ暑いため冷たい飲み物やアイスなどを食べて体の内側が冷え、夕方以降は外気温が下がるため体の外側からも冷えてきます。
体の内と外、両側から冷えてしまうのです。
すると消化機能が鈍くなったり、血行不良によって筋肉が凝り固まり、酸素や栄養素が体の隅々まで届かなくなるため慢性的な倦怠感や疲労感が続いてしまいます。
自律神経が乱れると
「活動・緊張」の役割を担う交感神経、「休息・回復」の役割を担う副交感神経を自律神経と呼びます。交感神経と副交感神経がバランスよく働くことで、身体は健康を維持していますが、自律神経のバランスが崩れるとさまざまな不調が現れます。
<身体の不調>
頭痛、めまい、動悸、息切れ、胃腸障害(便秘・下痢・胃の不快感)、肩こり・腰痛・筋肉のこわばり、冷えやほてり、のぼせ・発汗異常、眠れない、夜中に目が覚める など
<精神的な不調>
イライラしやすい、気分が落ち込む(軽いうつ状態)、集中できない・記憶力の低下、パニック・不安感、無気力・やる気が出ない など
対策としては、規則正しい生活、朝の光を浴びる、適度な運動を日課にする、深呼吸・腹式呼吸をする、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる、カフェインや刺激物を控えるなどのセルフケアが有効です。沸騰させた水を少し冷ました白湯(さゆ)を飲んで、身体の内側から温めえることもおすすめです。
気圧に振り回されないために
残暑バテの特徴に気圧の変化を挙げましたが、残念ながら気圧や台風の進路はコントロールできません。「通り過ぎるのを待つしかない」という、もどかしい状態になってしまいますが、それでもできる対策は講じておいて損はないでしょう。
耳のマッサージ
気圧の影響を受けるのが「内耳」と呼ばれる、鼓膜の奥にある器官です。
急激な気圧変化を気圧センサーが感知すると、ストレスとして脳に伝達され自律神経が乱れます。
日頃から耳の周りの血行が悪いと、内耳がむくんで過敏になるため天気痛・気圧症が起きやすいと言われているため、予防のためにも耳を温めたりマッサージすることが効果的と言われています。
耳たぶや耳全体をつまんで引っ張ったり、くるくる回したりするマッサージを1日3回、痛みが強すぎない程度に行ってみてください。
メンタル面からのケア
暑さの不快感が続くと「暑くて何もやる気が起きない」という考えに支配されがちです。
そのようなネガティブ思考を「今日は無理をしないで、軽い運動だけしておこう」とか「25分作業したら5分休憩しよう」とか「夕方に涼しくなってきたら散歩に行こう」といった現実的な思考に変えて行動してみましょう。
また、お昼休みなどに3分~5分程度の深呼吸を行うと、自律神経の副交感神経が優位になり、心身の緊張を和らぎ思考がクリアになりますので、取り入れてみてください。
<基本の呼吸法>
① 3秒で口から息を吐く
② 3秒で鼻から息を吸う
自律神経のバランスを整えて、残暑バテ対策をして気持ちよく秋を迎えましょう!
<参考>
・ 日本医師会「雨の日に体調が悪くなる-天気痛-(PDF)」(『健康ぷらざ』No.548)
・ 厚生労働省「こころもメンテしよう」