
11月に入り、いよいよ寒い冬の季節がやってきました。
寒くなると、「お通じが硬くて出にくい」「お腹がぽっこりする」といったお悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。
実は、冬は便秘になりやすい季節といわれています。
ここでは冬の便秘の特徴とおすすめ解消法についてご紹介します。
冬に便秘になりやすい要因と定義
冬は以下の習慣が続くため、慢性的な便秘に陥りやすい季節といわれています。
・ 気温が下がり、体が冷えることで、腸の動きが鈍くなる。
・ 寒くなり水分を摂らなくなってしまうことで便が硬くなりやすい。
・ 家で過ごす時間が多くなり、運動する機会が減ってしまう。
・ イベントが多く、食生活が乱れやすい。
便秘が続くと、お腹が張って調子が悪くなる、トイレでの時間がかかる、下剤の量が増えてしまうなど、悩みも増えてしまいますよね。
寒さは仕方がないですが、過ごし方の意識を変えることで便秘は防止できます。
また、当たり前のようにしている排便ですが、「どのくらい出ないと便秘かな?」と気になることもあると思います。
「便秘」とは以下の状態です。
・ 便が硬くコロコロしてうまく出せない
・ 排便回数が少ない
・ 過度ないきみを必要とする
・ 残便感や困難感を伴う
具体的な排便回数でいうと週に3回未満が基準です。
「スムーズに出なくなった気がする」「3日以上出ていないかも」と思ったら便秘のサインと捉えてもいいでしょう。
朝におすすめの習慣
便秘には運動習慣や食事、自律神経を整えるなどたくさんの改善方法がありますが、その中でもぜひおすすめしたいのは朝の習慣です。
朝は1日の中で一番排便のチャンスがあり、体を目覚めさせ、体内リズムを整えるのに重要な時間でもあります。
また、朝は1日の中で体温が最も低くなっているため、寒い冬は特につらく感じますよね。
体温を上げる習慣を取り入れることですっきりと目覚めることができ、便秘の解消にもつながります。
1. カーテンを開けて窓から陽を取り入れる
起床後にカーテンを開けて日の光を浴びることで、目からの光が脳を刺激し腸を活発にさせます。
余裕があればストレッチもおすすめです。
冬になってくるとカーテンを開けてもまだ光が差し込んでこないことも多いですが、そんなときには部屋の光を明るめにしてつけてみるといいでしょう。
2. 朝にはコップ1杯の白湯を飲む
起きた後にコップ1杯の白湯を飲むと腸の動きが良くなります。
早く腸が動き始めるため、出勤前に余裕を持って便意を感じられます。
また、寒い冬の朝に体を内側から温めてくれることもうれしい効果で、心身のリラックスにつながります。
3. トイレで余裕をもって座る習慣
忙しい朝にはトイレに座る時間がもったいないと思ってしまいがちですが、便意の我慢は便秘につながるため禁物です。
朝の時間に余裕を持つと、起床や食事後に自然と便意を催す習慣ができてきます。
朝に2~3分でも座れる時間の余裕を持っておくといいでしょう。
朝食をしっかりと食べましょう
便秘になりにくい朝の習慣として特に重要なのは、朝食をしっかりと取ることです。
朝は胃が空になっており、食べることによる胃への刺激が腸に伝わりやすいためです。
また、起床後すぐ、遅くとも1時間以内の朝食は体内時計をリセットし、「朝がきた」という情報を内臓に伝達するといわれています。
これにより体内時計が整いホルモン分泌などの活動が正常化します。
朝は忙しくて食べない、あるいはダイエットのためにフルーツやスープだけという方も多いかもしれませんが、理想は朝にごはんなどの炭水化物とたんぱく質を一緒に取れることです。
穀類のでんぷんは体内時計を動かすといわれています。
また、ごはんはエネルギーとなる糖質がメインですが、食物繊維も入っているため、便の量を増やし便秘解消につながります。
筋肉を作るたんぱく質は基礎代謝のアップや冷え性改善につながるため、寒い冬にはぜひ食べておきたい栄養素です。
手軽に食べられるものとしては、前日の夕飯に残ったおかずとごはんや、卵ごはん、納豆ごはんがおすすめです。
朝食を食べる習慣がない方は、簡単なヨーグルトやバナナ、シリアルから始めてみてもいいでしょう。
また、便秘の症状が長く続く、腹痛を伴うなどといった場合には無理をせず医療機関に相談してみましょう。
便秘での受診に躊躇してしまう方もいるかもしれませんが、便秘での不調は日常生活に支障をきたすことも多くあります。
胃腸科や消化器内科、内科は便秘やお腹の不調に対応しています。
診察と必要な薬剤処方により早期に解決できる可能性もあります。
<参考>
・ 日本消化管学会編『便通異常症診療ガイドライン2023慢性便秘症』(南江堂、2023年7月)
・ 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~」
・ 三重大学医学部付属病院 ONLINE MEWS「便秘~後編~」
・ 農研機構「時間栄養学(Chrono-nutrition)」















