感染症BCP作成から従業員教育まで。東京都の無料支援プロジェクトが全面刷新

「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」は、東京都が東京商工会議所・東京都医師会と連携し、企業の感染症対応力を高めることを目的に2015年にスタートしたプロジェクトです。
感染症が発生しても従業員の安全を守りながら、事業を止めずに続けられるよう支援する取り組みで、2025年10月に、より多くの企業が手軽に参加できるように、教材や動画を充実させるなど、サイトのリニューアルが行われました。
感染症対策の基礎知識からBCP(事業継続計画)の策定までを学べる構成となっており、「誰でも・無料で・すぐに始められる」実践支援を提供しています。

リニューアルのポイント

今回のリニューアルでは、企業が自社の状況に合わせて利用しやすいよう、内容や構成が大きく改善されました。

① フリーダウンロードコンテンツが新規追加

今回のリニューアルで「感染症対策チェックシート」「感染症とその対策の基礎知識」「感染症BCP作成ガイド」 など一部教材を申し込み不要で自由に入手でき、自社の感染症対策の課題を発見して改善することに役立ちます。

② さらに対策を進めたい人向け!申込制コースも追加

従業員が感染予防策を身に着け、感染症流行に伴う欠勤や業務中の罹患(労災)を防止する「感染症知識定着ドリル」の提供や、新型コロナ対応を踏まえ実用性を高めたひな形を提供し、平時からの衛生用品等の備蓄、時差出勤やテレワーク、オンライン会議の準備や実践等、感染状況に合わせた業務計画を整備する「BCP作成コース」が追加されました。
特に「知識定着コース」では、従業員の学習状況を把握できるテスト形式の教材が導入され、組織全体で知識の定着を図ることができます。

③ 著名な専門家による講演動画が申込不要で視聴可能

もともとは申込制の講演動画が、申込不要で閲覧可能になりました。
全5回の専門家の先生による講演動画を期間限定で公開しています。
人事担当者や衛生管理者の研修にも活用でき、業種を問わず役立つ内容です。

④ WEBサイトを一新

豊富なコンテンツにアクセスしやすい構成へリニューアルし、利用者目線の「使いやすさ」を重視したサイトになっています。

活用のメリットと対象者

このプロジェクトは、東京都が主導し、東京商工会議所が運営、東京都医師会が監修を担当する体制で進められています。

企業は、自社の感染症対応レベルに応じて「現状チェック」「知識定着」「BCP策定」の3ステップを自由に選択ができ、初めて取り組む企業から、すでに取り組んでいる企業まで、段階的に対策を強化することができます。

また、「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」におけるコースの目標を達成した企業は「達成企業」として東京都のサイトに掲載されます。
こちらのホームページに掲載されることで取引先や求職者の信頼につながるでしょう。

感染症対策の実施は、「健康経営優良法人認定制度」の評価項目の一つでもあるため、健康経営優良法人の取得に取り組んでいる企業にとても効果的な内容となっております。

申込み対象者は以下の通りです。

・東京都内に所在する会社
・会社以外の法人
・事業所(本社、営業所、支店等)
・個人事業主
※部署単位での申込みも可能(部署単位での申込みは、1事業所につき、1部署限り)

まとめ

「職場で始める!感染症対応力向上プロジェクト」は、感染症リスクを経営課題として捉え、平時から備える企業を支援する実践型プログラムです。
無料で始められる教材や動画を通じて、知識・意識・体制づくりをまとめて進められる点が大きな魅力です。
感染症対策はもはや一時的な対応ではなく、従業員の安全確保や事業継続を支える経営の基盤です。感染症が社内で発生した際に迅速な対応ができるよう、このリニューアルを機にプロジェクトを活用してみてはいかがでしょうか。

<参考>
東京商工会議所「『職場で始める!”感染症対応力向上プロジェクト”』ホームページと支援コンテンツを全面リニューアル」 

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牧原 花林株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は残業がかなり多く、長時間労働で帰宅する日々を送っていました。こうした労働環境下で体調を崩すことも多く、健康を考えるようになり、2023年にドクタートラストに入社。
自分自身の経験を活かしつつ、健康について発信していきます。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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