乾燥が気になるこれからの季節、空調が効いたオフィスの中は特に空気が乾燥しやすい環境です。
オフィス内の温度や湿度は労働安全衛生法に基づく厚生労働省令として事務所衛生基準規則が定められており、室温は17度〜28度、湿度は40%〜70%になるように努めなければなりません。
乾燥対策としてオフィスだけでなく各家庭でも加湿器を置くのは当たり前となりつつありますが、加湿器が原因で引き起こしている病気があることをご存知でしょうか。
健康のために使っていたはずの加湿器が、健康に悪影響を与えていた……などということにならないためには一体どうしたらよいのでしょう。
加湿器病とは
「加湿器病」または「加湿器肺炎」。
専門用語では「過敏性肺臓炎」と呼ぶアレルギー性の肺の病気です。
加湿器から放出される細菌やカビなどの微生物を長期にわたって吸い込んだ場合に起こるアレルギー性の肺疾患です。
加湿器病の症状
風邪と似た症状で咳・発熱・悪寒・全身倦怠感などですが、アレルギー性の疾患であることから鼻水やくしゃみが同時に出る方もいるようです。
アレルギー反応が激しい場合には呼吸困難を起こすこともあります。
原因は水の継ぎ足しと掃除不足
水を継ぎ足し継ぎ足し使用することで、タンク中や本体の水に細菌、カビなどの微生物が繁殖しやすくなり、その微生物を食べるアメーバも繁殖し、これらの細菌が混ざった水が空気中にバラ撒かれることにより口や鼻から吸い込む事で加湿器病にかかります。
特に超音波式の加湿器は、熱を加えず超音波による振動で水を放出するためタンク内の雑菌も一緒に放出してしまうので注意が必要です。
対処法
加湿器病を予防するのにもっとも大事なことは、こまめに掃除をすることです!
特にオフィスの加湿器の場合は、機械そのものが大きかったり、担当する人が決まっていなかったりという理由で、毎日掃除をすることが難しい……ということもあると思います。
しかし、雑菌やカビを吸っていると思えば、洗う頻度は増えるのではないでしょうか。
また、最近では加湿器用の除菌剤が販売されていますので、こうしたものを活用するのも便利だと思います。
洗剤などを用いた丁寧な掃除は、加湿器の種類にもよりますが、週に1回~月に1回程度当番制を導入するなど工夫するとよいでしょう。
こまめな掃除以外にも、使う度にきれいな水を入れる、使用後は中の水を捨てて乾燥させることも大切です。
浄水器の水と水道水はどちらがいいの?
きれいなお水と聞くと浄水器を通した水と思われるかもしれませんが、浄水器を通した水は、塩素など水道水をきれいに保つために配合されている成分が抜けてしまいます。
もちろん飲み水としては美味しいですが、加湿器などのタンクの中に貯めておく水としては好ましくありません。細菌やカビが繁殖しやすい水のため、雑菌を空気中にばら撒いてしまいます。
タンクの水は水道水を使い、継ぎ足しはせずに使い終わったら中の水は毎回捨てましょう。
加湿器の種類によって加湿器病にかかりやすい、かかりにくい等が変わってきますので、購入される際や今お持ちの加湿器に合ったお手入れをこまめに行うことで、健康的に寒い冬を乗り切りましょう。