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更年期女性がいきいきと過ごすために~「エクオール」知ってますか?その特徴と作用~
- 2022/5/24
- WOMAN, ドクタートラストニュース
エクオールとは?~エクオール産生菌をもつ日本人女性は2人に1人~
女性は更年期になると、心身の変化を実感することが増えてきます。
この変化は、閉経で女性ホルモン「エストロゲン」がほぼゼロになる影響で生じるものです。
仕事や育児、介護と忙しい更年期世代では、心身の不調に不安を覚えながら自分の役割や責任とのバランスに辛さを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、更年期女性がいきいきと過ごすためにぜひ知っておきたいのがエクオールです。
エクオールとは、お腹の中で分解された大豆イソフラボンのなかのダイゼインが、腸内細菌によって代謝されてできる成分です。
エクオール産生菌をもつ日本人女性は50%ほど、欧米人で産生菌を持つ人は20%から30%。
日本人に産生菌を持つ人の比率が高い理由は、古来から大豆製品を食べる民族であったことが関係しているとされています。
ただし日本においては、若年層での産生者の低下が示唆されています。
「自分は産生菌をもっているのかな」と疑問に思った方は、市販の検査キット等で産生菌を持っているか調べることが可能です。
エクオールにはこんな作用があります
エクオールの作用としては、以下があります。
・ 女性ホルモンと似た働きをするエストロゲン作用
・ エストロゲンが過剰なときにその作用をおさえる抗エストロゲン作用
・ 男性ホルモン(アンドロゲン)の働きをおさえる抗アンドロゲン作用
・ 抗酸化作用
大豆イソフラボンがエストロゲンのような働きをすることはご存知の方も多いかもしれませんが、エクオールのエストロゲン類似作用は大豆イソフラボンよりも強いといわれています。
エクオール成分の特徴~更年期女性が摂取するメリット~
エストロゲンが不足する閉経後にエクオール成分を摂取することで、以下のような効果が得られるとするデータがあります。
・ 骨密度低下抑制効果
・ 火照りなど更年期症状の軽減効果
エクオールは、閉経でほぼゼロになるエストロゲンの作用を補ってくれます。
ただしエクオールの効果は即効性が期待できません。
効果を感じるまでに2か月から3か月かかります。
日常生活でエクオール成分を活用するために
更年期の不調には食事、睡眠、ストレスの自己管理が大事です。
そのうえでエクオールを活用するのも不調を乗り切る1つの方法ではないかと考えます。
前述のとおり、エクオールを体内で産生できる菌をもつ日本人女性は約50%です。
下記に産生菌のある人とない人のポイントをまとめました。
産生菌のある人向けのポイント
エクオールを体内で産生できる菌をもつ人は、大豆製品を毎日摂取するのがおすすめです。
納豆なら1パック、豆腐なら2/3丁を目安に摂取しましょう。
産生菌がない人向けポイント
残念ながら体内でエクオールをつくることができない方には、エクオール成分から作った健康食品で補う方法があります。
エクオール産生菌がなくても大豆製品はたんぱく質をはじめ栄養素が豊富ですので積極的にとってほしい食材です。
ここまでエクオールの作用や活用についてまとめました。
更年期の不調を緩和させる選択肢のひとつとして、エクオールを活用してみるのはいかがでしょうか。
<参考>
・ 一般社団法人女性の健康とメノポーズ協会『年代別 女性の健康と働き方マニュアル-ワーク・ライフ・バランスとヘルスケア』(2018年)
・ 長瀬寅、川副陽子、中川照彦、神田裕子、塩見卓也「中高齢者の変形性膝関節症に対する調査-エクオール摂取の効果」(「整形外科」73巻1号、2022年)