働く女性が知っておきたい!妊活Q&A
- 2017/6/6
- WOMAN
働く世代の皆さんにとって、「妊娠」「妊活」はどのような響きを持つでしょうか。
まだまだ先の話、と感じる方がいらっしゃる一方で、雑誌やTVで組まれる特集から、「いつか赤ちゃんを授かりたいけれど、今の自分の体が不安」と感じる方も多いと思います。
女性特有の病気や体調不良、不妊治療を含めた妊活相談を受ける機会も多い産業保健師が、今までの経験のなかから、よくご質問を受ける内容をご紹介します。
Q. 不妊症が増えていると聞くけれど、どれくらいの割合なの?
A. 将来的に、「不妊」で悩む割合は6組に1組
「不妊」とは、一般的な性交渉を持ちながら、1年以上子供を授かることができない場合を指します。
今までは「2年以内」と定義されていましたが、2015年に「1年以内」という定義に改められました。
原因としては、結婚年齢の上昇や、子宮内膜症などの病気の増加、ストレスなど、たくさんの要因があると考えられています。
不妊治療を受ける人も50万人に迫るほど多く、「高度不妊治療」と呼ばれる、体外受精を経て生まれてきた赤ちゃんの数も年々増えています。
(平成14年度厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別研究「生殖補助医療技術に対する国民の意識に関する研究」より)
Q. いつか妊娠・出産をしたいと考えているけれど、今からできることってあるの?
A. 今からでもできることは、たくさんあります。
まずは定期的な健診を受けることが大切です。
その際も、婦人科健診を受けなければ、子宮・卵巣という妊娠に影響する病気を見つけることはできません。
勤務先で定期健診を受ける際に、婦人科健診をオプションとして選べるのかどうか、調べてみましょう。
将来的に妊娠の妨げになるような病気や感染症を早期に発見し、治療することができます。
次にできることは、自分の月経や体調を、きちんと把握することです。
女性社員の方達とお話をしていると、とても優秀な方であっても、案外ご自身の体のしくみやリズムに無関心であることが多いと感じます。
月経が数カ月止まっていたり、不正出血があったり、激しい月経痛があっても、放置してしまう方が少なくありません。
無月経などは、放置する期間が長いと、いざ子供がほしい! と治療を始めた際に、治療が難しくなってしまうこともあります。
まずは自分の月経周期や月経に関する症状をきちんと記録することから始めましょう。
スマートフォンやパソコンのアプリにも、使いやすいものがたくさん出ています。
Q. 日々の生活で、気をつけた方がよいことはありますか?
A. 基本的なことですが、「健康的な食事」「適度な運動」「ストレスを溜めすぎない」「睡眠をしっかりとる」といったことが妊娠出来る体づくりへの近道になります。
もちろん、日々忙しく働くなかで、すべてを完璧に達成するのは不可能です。
まずはできることから始めましょう。
具体的な1つひとつの方法は、次回以降の記事でご説明していこうと思います。
早いうちから妊娠・出産を意識することは、女性にとって、とても大切なことです。
「妊活」=妊娠ということだけでなく、月経や更年期など、女性特有の体の変化に、きちんと対応していくことにつながるからです。
自分の体を守ってあげられるのは自分だけ、ということを心に留めていただければと思います。