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10月から先発品が値上げ!ジェネリックを正しく理解し、活用しましょう!
- 2024/8/27
- ドクタートラストニュース
医薬品には先発医薬品(以下、先発品)と後発医薬品(以下、ジェネリック)の2種類があります。
薬の開発には莫大な開発費がかかるため、20~25年間の特許期間があり、薬を独占的に製造・販売することができます。
しかし特許期間を過ぎると、その権利は国民の共有財産となり、他の会社から同じ有効成分を使った薬が販売されるようになります。
このオリジナルとなった薬を「先発品」と呼び、特許期間後に他の会社から販売された薬を「ジェネリック」と呼びます。
ジェネリックは先発品によって安全性や効果が立証されていることから、開発費を抑えることができ、値段が安くなります。
患者の負担を減らすこと、さらには日本の医療費削減につながることから、ジェネリックの使用が推奨されています。
2024年10月から何が変わる?
2024年10月から「ジェネリックではなく、先発品を使いたい」と患者が希望した場合に、両者の差額の25%を保険適用外とし、患者が負担するしくみが導入されます。
なお、医師が医療上先発品を使用する必要があると判断した場合や入院中の処方は対象外となります。
たとえば、先発品が200円(3割負担で60円)、ジェネリックが100円(3割負担で30円)だった場合、差額100円の25%(25円)が先発品の値段に上乗せされます。
先発品の自己負担額は85円となり、ジェネリックの自己負担額は30円となりますので、55円の差が生じます。
値上げが相次ぐ昨今ですので、医薬品の値上げを負担に感じる方も多いでしょう。
ジェネリックを活用し、家計の負担を抑えたいですよね。
しかし、東京都保健医療局が行ったアンケート(※1)によると、ジェネリックへの不安がないと答えた人は26.5%にとどまり、7割以上が何らかの不安を感じていることがわかります。
また同アンケートではジェネリックについて不安感を感じる理由として、添加物の違いに不安がある、先発品との効果の違いという項目が上位に挙がっています。
(※1)東京都保健医療局「後発医薬品(ジェネリック医薬品)に関するアンケート結果」
ジェネリックは安全?
ジェネリックは先発品と同一の有効成分を同一量含有していて、効能・効果や用法・用量も基本的には変わりません。
ただ、ジェネリックは先発品とまったく同じである必要はなく、中には先発品が製剤特許を有している場合などにはジェネリックに先発品と異なる添加物を使用する場合があります。
そのため、添加物への不安から使用を控える方がいらっしゃるようです。
しかし、ジェネリックに使用できる添加物は先発品同様に安全性が確認されたもののみが使用されています。
また、医薬品には審査があり、安全性や有効性が立証できて初めて売り出すことができます。
先発品もジェネリックもそれぞれ審査を通過している薬になりますので、一滴の基準以上の安全性が保障されています。
まれに体質によっては添加物によるアレルギー反応などの副作用を引き起こすこともありますが、これば先発品でも起こりうる事象ですので、ジェネリックだからという理由で過度に不安に思う必要はないでしょう。
ジェネリックは効果がない?
先発品からジェネリックに切り替えたところ、効果を感じなくなったという方も一定数います。
またジェネリックから先発品に切り替えた際にも同様のことが起こることがあります。これには原因がいくつか考えられます。
「プラセボ効果」と呼ばれる心理的要因もその一つです。
プラセボとは医薬品として効果を発揮する成分が含まれていない偽薬のことです。
偽薬であっても医薬品と信じて使用することで、効果が表れることがあり、これを「プラセボ効果」と呼びます。
ジェネリックを使用する際も「ジェネリックは効果がない」といった不安があると、十分な効果が得られないことがあります。安全性や有効性が保障されているものだと認識して使用することも重要です。
しかし、医薬品そのものに問題がある可能性も否定はできません。そのため、科学的な検証が必要と判断された医薬品については公的機関で実際に品質などの試験を実施し、有効性や安全性について学術的な検討を行っています。効果を感じられない場合は、医療機関で相談してみるといいでしょう。
ジェリックの安全性や有効性を理解し効果的に活用することで、家計の負担を抑えることや国の医療費を抑えることにつながります。疑問や不安がある場合は、医療機関や薬局で相談してみましょう。
<参照>
・ 厚生労働省「後発医薬品のある先発医薬品(長期収載品)の選定療養について」
・ 厚生労働省「長期収載品の処方等又は調剤について(PDF)」
・ 厚生労働省「「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等』及び『保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(PDF)」
・ 厚生労働省「ジェネリック医薬品への疑問に答えます~ジェネリック医薬品Q&A~(PDF)」