- Home
- ドクタートラストニュース
- 健康経営アドバイザーが実例を解説!既存のしくみを活用して健康経営!
健康経営アドバイザーが実例を解説!既存のしくみを活用して健康経営!
- 2023/3/28
- ドクタートラストニュース
健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目標としています。
本制度では、大規模の企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門により、それぞれ「健康経営優良法人」を認定しています。
「健康経営優良法人」に認定されると、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的な評価を受けられます。
また、「健康経営優良法人」ロゴマークの使用が可能となります。
企業が注目するポイント
健康経営を掲げることで、離職率の低下やモチベーション増加など従業員の職場環境改善・整備へつながりますが、企業にとっての外交的なメリットとしては企業ブランドの向上等が考えられます。
単に自社内の改善だけではなく、経営的にプラスとしては株価向上や採用活動への優位性などのメリットも大きいでしょう。
コロナ禍で多様性のある働き方が当たり前の時代となり、昔のように正社員で生涯雇用をできるということだけが魅力ではありません。
少子高齢化の現代社会において採用活動は難化、働きがいや自己成長を求める人が多くなっていく中で、ワークライフバランスとの両立も重要視されています。
健康経営認定にはそういった多くの方に向けて良いメッセージを与えることが可能です。
今までは人事労務部門の担当者だけが職場環境改善に目を向けていたのが、今ではそういった背景もあり企業の上層部までもが興味を示す時代となっています。
実例紹介
経済産業省のホームページ上で参考として「4.健康経営優良法人(中小規模法人部門)取り組み事例集」が掲載されています。
最新の取り組み事例を職場環境改善のプロフェッショナルであるドクタートラストの営業担当が解説します!(健康経営アドバイザーも取得)
事例①社員の健康を最優先に、手厚い健康サポート:株式会社山田商会
取組のきっかけ:2018年ごろ、長時間労働が社会問題となり、従業員が安全かつ健康的に働ける環境を企業として整備する必要があると感じた。従業員の生産性や満足度の向上、より安定した地域インフラへの貢献、それに伴う企業イメージの向上などの効果も見込まれるため、会社の福利厚生の理念である「社員とその家族の人生を支える」に基づいて健康経営を推進することとした。
健康課題:毎年の健康診断での有所見者の人数が多く、生活習慣病等の疾病リスクが高い。
数値目標の内容:定期健診の有所見者率の低減。
推進計画:35歳以上の有所見者に対しては、協会けんぽの「生活習慣病予防健診」を利用しやすくするため社内支援制度を拡充。運動系イベントなどを実施して健康への意識向上、有所見者率の低減を目指す。
取り組み結果:女性特有の疾病(子宮がん、乳がん)の検診など、検診受診者への金銭的補助を手厚くした。1,155団体が参加した運動系イベント「さつき・ラン&ウォーク」に、ラン部門8人・ウォーク部門42人が参加。会社としての順位は約400位という結果だった。
効果検証結果:2021年の定期健診において、有所見者率は前年の47%から30%に低下。今後も補助制度や運動イベントへの参加を呼び掛ける取り組みを継続し、有所見者率の低減に努める。
健康診断結果をうまく活用しながら、課題抽出→推進計画の策定ができている事例です。
社内制度自体を見直し、健康イベントなどに参加しやすい体制づくりを後押しできている良いケースでしょう。
事例②高ストレス者への面談でメンタルヘルス改善:株式会社新井精密
取組のきっかけ:コロナ禍で従業員の健康意識が高まったのと同時に、健康経営優良法人認定企業の健康アドバイザーとの縁があり、健康経営に取り組むきっかけとなった。また、以前から働きやすい職場環境を目指してさまざまな取り組みを行っているが、これらの取り組みが健康経営に当てはまると聞いたこともきっかけの一つとなった。
健康課題:高ストレス者に対する面談などの措置は行っていたものの、発生予防・早期発見の取り組みはできていなかった。
数値目標の内容:高ストレス者および、準高ストレス者の面談率の維持・向上。
推進計画:高ストレス者は衛生管理者との面談を行った後、専属産業医との面談を実施。前年のストレスチェックのデータから従業員一人ひとりの数値を比較し、高ストレス者に該当しなくてもストレス指数が高い従業員には衛生管理者との面談を実施する。全社に対しては、全従業員で行う朝礼などを通じて生命保険会社の24時間対応の健康相談ダイヤルを周知。
取り組み結果:高ストレス者の産業医面談は完了。早期発見として高ストレス者でないものの、ストレス指数が高い従業員との面談を実施した。24時間の健康相談ダイヤルの周知を3カ月で2回行ったほか、社内の共有掲示板に掲示。
効果検証結果:ストレスチェック後の高ストレス者、および準高ストレス者へのフォローアップは100%達成。面談を行った高ストレス者・準高ストレス者のうち、67%がフォローアップ後の面談で良化したとの報告を得た。
高ストレス予備軍に目を向けて対応している素晴らしい事例です。
高ストレス者への面談勧奨は法令上義務なのでどこの企業も対応していますが、予備軍まで対応しているケースはそこまで多くはありません。
ストレスチェック実施は50名以上実施企業では義務です。義務対応をうまく活用していて素晴らしいです。
まとめ
健康経営認定は担当者だけではなく経営層および会社全体で目指していく必要があります。
従業員や経営層の協力が不可欠となりますが、認定された暁には大きな職場環境改善につながっていることでしょう。
「認定法人 取り組み事例集」には、上記のように実施企業が課題に感じた点をどのように工夫して克服したかが細かく記載されています。
健康経営に対して課題を感じている企業の方は、ぜひご一読ください。
<参考>
経済産業省「健康経営」