【管理栄養士の簡単レシピ付き】健康のために取り入れてほしい魚料理~缶詰、マグロで手間回避~

「産業保健新聞」運営元、ドクタートラスト管理栄養士の宮野です。
魚=健康というイメージをお持ちの方は多いと思います。
実際、魚は低脂質で高たんぱくのため、ダイエット中にもおすすめの食材です。
また、質のよい油が含まれていることから、働く世代でも所見が多い血中脂質やLDLコレステロールを低下させる働きがあります。
サバ缶やサラダチキンの横で見かけるようになったサラダフィッシュなど、日本人の健康意識の高まりとともに、魚を食べる機会も増えているのではないでしょうか。

しかし、実際には魚を日常的に食べている人は少ないように感じます。
ある企業のセミナーで、魚を食べる頻度を質問したところ、毎日の方は約40人中1人で、多くは週に1回くらいの頻度で魚を食べるという結果でした。
水産庁における調査でも、1人の1年間あたりの魚介類の消費量は、2001年度の40.2㎏をピークに減少しており、2020年度には23.4㎏にまで減少しています。
国による調査なども含め、魚を食べる頻度が少ない理由として「価格が高い」「調理が難しい、面倒だから」「肉料理を家族が求めるから」といった声が多いです。
そこで、今回は管理栄養士が忙しい中でも手軽に日々の食事に「魚」を取り入れるコツとおいしいレシピをご紹介します。
ご自身のために家族の健康のためにもぜひ作ってみてくださいね。

保存が効いて家計に優しい!缶詰のススメ

サバ缶ブームもあり、缶詰から魚を食べるという方は多いかと思います。
骨まで食べられカルシウムなどの栄養をまるごと取れるのも素晴らしいポイントです。
1日に推奨されるカルシウムの量は、成人女性で約650mg、男性で約750~800mgです。

男性に推奨されるカルシウム摂取量(1日あたり)
18~29歳800mg
30~49歳750mg
50~64歳750mg
65~74歳750mg
女性に推奨されるカルシウム摂取量(1日あたり)
18~29歳650mg
30~49歳650mg
50~64歳650mg
65~74歳650mg

サバ缶1缶(180g)あたりで、約468mg、つまり1日に必要なカルシウム量の半分以上を摂取できます。
また、缶詰であるため保存が効き、値段も100gあたり約70~80円前後と安価で、家計に優しい点も魅力です。
価格の変動や地域差があるものの、豚肉は100gあたり約253円、鶏肉は約137円が平均的な価格であることを踏まえると、サバ缶のコストパフォーマンスの良さを改めて感じられます。

日々の食事のレパートリーにサバ缶料理を1つ加えていただくと、健康にも家計にも良いですね。
以下では、管理栄養士おすすめのサバ缶レシピを紹介します。

サバトマトパスタのレシピ

材料(2人前)

・ スパゲッティ:200g
・ サバ缶(水煮):1缶(汁ごと)(180g)
・ 市販のトマトソース:1/2缶(200g)
※ガーリックが入ったものだと食欲増進!相性もgoodです
・パセリ:適量 彩り用にお好みでどうぞ

つくり方

① スパゲッティを表示時間通りに塩茹でし、湯切りする
② サバ缶(汁ごと)とトマトソースを耐熱容器に入れ、電子レンジ500Wで約2分間加熱する
③ 器に①のパスタ、②を盛り付けて完成!お好みでバジルを添えると彩り良く仕上がります
※使用する商品によって栄養価成分は多少異なります

栄養成分表示(1食あたり)
エネルギー548kcal
タンパク質34.2g
脂質11.7g
炭水化物82.6g
食物繊維7.4g
食塩相当量1.4g
カルシウム310mg

スーパーでも買える!いつもの食事にも取り入れやすいマグロのぶつ切り

中性脂肪やコレステロールを低下させると言われている魚の油の成分であるDHAやEPAは、熱を加えると損失します。
生の場合と比較して、フライパン等での焼き調理で約20%、揚げ調理では約50%損失すると言われています。
そのため、魚は生の刺身の状態で食べることが栄養面では1番です。
ただし、生の状態で食べようと思うと、お寿司や刺身が選択肢であり、日々の食卓で頻繁に登場させるのは家計的にも難しいうえに、さばくのにも手間がかかりますよね。
そこでおすすめなのが、スーパーのお刺身コーナーで、写真のように角切りで販売しているマグロです。

マグロの角切りは100gあたり約315円と、同じお刺身コーナーで販売されている盛り合わせなどにくらべて比較的安価に購入できます。
また、購入される方が少ないのか、私の最寄り駅のスーパーでは19時過ぎには値引きされていることが多いです。
残業をして疲れて帰宅した日には、なるべく包丁を使いたくないですし、まして、除菌が必要な肉や魚などの生ものは避けたいですよね。
疲れているときにも味方なのが、角切りのマグロなのです。
食べやすいサイズに切られて販売しているので、調理もしやすいです。
バランスの良いアミノ酸やビタミンB1も含みますので、疲れたときに取りたい栄養が豊富に含まれています。
また、低カロリー、低脂質、高たんぱくなのでダイエット中という方にもおすすめの食材です。
豚バラ肉100gとくらべてみてもカロリーの違いは歴然です!

豚バラ肉(100g)
エネルギー366kcal
タンパク質14.4g
脂質35.4g
キハダマグロ(100g)
エネルギー102kcal
タンパク質24.3g
脂質1.0g

以下では、管理栄養士おすすめの簡単にできるマグロの角切りを使ったを丼ぶりレシピを2つ紹介します。
肉料理は複数レパートリーがあるけれども、魚の料理は手間がかかるしレパートリーが少ないという方にもおすすめです。

具材をのっけるだけ!ばくだん丼のレシピ

ばくだん丼は、食物繊維が豊富なアボカド、オクラを加えることで1日に必要な食物繊維の半分近くをとれるのがポイントです。
野菜などの具材はお好みでのっけてください。

材料(1人前)

・ マグロのぶつ切り:80g(1/2パック)
・ 納豆:1パック
・ 卵黄:1個
・ キュウリ:1/2本
・ オクラ:3本(冷凍の場合30g程度)
・ アボカド:1/2個
・ のり:適量
・ しょうゆ:小さじ1
・ わさび:お好みで
★お好みの量のご飯(うどんでもおいしく召し上がれます!)

つくり方

① 丼ぶりなど深めのお皿にご飯を盛る
② キュウリ、アボカドはさいの目切り、おくらは茹でで5㎜幅ほどの小口切りにし、納豆はよく混ぜておく
③ マグロ、②を①に盛り付け、真ん中に卵黄をのせてわさびをといたしょうゆをかけて完成
具材はお好みで、ネギ、キムチ、メカブ等をのせても美味しいですよ!

栄養成分表示(1食あたり)
エネルギー384kcal
タンパク質33.7g
脂質24.4g
炭水化物16.9g
食物繊維9.7g
食塩相当量1.2g

※栄養価表示については、ご飯は含めていません。

混ぜるだけ簡単!ハワイの郷土料理アヒポキ丼風のレシピ

さまざまな調味料を含むキムチで簡単においしく味付けし、時短できるのがポイントです。

材料(2人前)

・ マグロのぶつ切り:160g(1パック)
・ キムチ200g(1パック)
・ オニオンサラダ(カット野菜約80g)
・ トマト:1個
・ きざみ小ネギ:1パック
・ ごま油:小さじ2
・ いりごま:少々
★お好みの量のご飯

つくり方

① トマトは角切りにし、丼ぶりなど深めのお皿にご飯を盛る
② ①とすべての具材、調味料を混ぜ合わせてご飯の上に盛り付けたら完成

栄養成分表示(1食あたり)
エネルギー189kcal
タンパク質23.3g
脂質6.7g
炭水化物12.2g
食物繊維4.1g
食塩相当量3.0g

※栄養価表示については、ご飯は含めていません。

さいごに必殺の「魚肉ソーセージ」

ここまで読んできて、魚料理をご自宅で取り入れるハードルは下がりましたか?
たとえば、朝食でソーセージを食べるという方は、魚肉ソーセージにするというのもおすすめです。
カロリーは100gあたり、ソーセージは319kcal、魚肉ソーセージは158kcalなので、およそ半分に抑えることができますよ。
また、魚肉ソーセージもDHAを含んでいます。(100gあたり50mg)
1日のうち1食、せめて2日に1回は食卓に「魚」が登場するように意識してみてくださいね!

<管理栄養士によるレシピチャンネルを開設しました>


抗酸化作用が強くこの時期に気を付けたい風邪予防、免疫力のアップにも効果があるとされる緑黄色野菜をである「ちんげん葉」を使って電子レンジで簡単においしいナムルがつくれるレシピを紹介しています。
今回ご紹介したレシピといっしょにぜひ作ってみてくださいね。

<参考>
・ 水産庁「水産白書」
・ 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」
・ 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

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宮野 友里加株式会社ドクタートラスト 管理栄養士

投稿者プロフィール

年間100人以上の特定保健指導、ダイエットサポートを食事面、運動面から行う管理栄養士。
食事に関するアドバイスはもちろん、自分自身がデスクワークを始めてから悩まされている「肩こり・腰痛」「目の疲れ」の予防、改善方法についてもセミナーや執筆活動を通して積極的に情報提供している。
目標は「働く世代の方々にとってが管理栄養士が身近な存在になること」
【保有資格】管理栄養士
【ドクタートラストの特定保健指導サービス詳細はこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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