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知覚過敏が最も起こりやすいのは冬!~1年のケアは1月にあり~
- 2025/1/28
- ドクタートラストニュース, 冬
冬になると歯がしみてつらい……そんな経験はありませんか?
冬に歯がしみる原因は多くの場合、「知覚過敏」によるものとされています。
今回は「冬に知覚過敏が悪化する原因」と「対策方法」をご紹介します。
新しい年を快適に過ごすためにも、ぜひ知覚過敏ケアを始めましょう!
知覚過敏とは
知覚過敏とは、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たい飲食物、甘いもの、風にあたった時などに歯に感じる一過性の痛みのことをいいます。
特に、むし歯や歯の神経の炎症などの病変がない場合にみられる症状を指します。
知覚過敏の原因
では、知覚過敏は何が原因で起こるのでしょうか。
原因① 歯肉の退縮
歯肉(歯茎)の位置は加齢とともに少しずつ下がってきますが、それに伴い、歯の根の部分が露出し、象牙質といわれる痛みを感じる部位がむき出しの状態になります。
このような状態を歯肉が退縮するといいますが、歯ブラシが触れたり、温度変化などの刺激で痛みを感じやすくなります。
持続時間は長くても1分以内と短く、時間が経てば痛みは消失します。
原因② 歯の破折
打撲などの何らかの原因により歯が破折して、象牙質が露出すると、知覚過敏症状が出ることがあります。
原因③ 歯の擦り減り
歯は、食事や嚙み合わせの摩擦などにより、わずかずつですが擦り減っていきます。その結果、最表面のエナメル質がなくなって象牙質が露出することがあります。
歯の擦り減り方と知覚過敏症状が出現する程度には個人差があります。
原因④ 酸性の飲食物
エナメル質はpH5.5程度で溶け始めます。
食べ物や飲み物の多くは酸性であり、特に炭酸飲料や、酸味のある飲み物、食べ物を頻繁かつ長時間摂取するような習慣があると、歯が溶けて、象牙質が露出します。
象牙質はエナメル質よりも弱い酸で溶けるため、知覚過敏も起きやすくなります。
主な飲み物や調味料のph値
原因⑤ むし歯治療やホワイトニング
むし歯治療で歯を削るという処置そのもので、歯の神経が痛みを感じやすくなってしまうこともあります。
ホワイトニング(歯の漂白)治療の薬剤による影響によって、一時的に軽度の知覚過敏が起きることがあります。
冬に起こる知覚過敏の対処法
知覚過敏が起こる原因にはさまざまありますが、特に冬に症状を感じやすくなる原因は晩秋から冬にかけ気温が下がり、水温が下がることが影響しています。
そこで、冬に起こりやすい知覚過敏の対処法をみていきましょう。
・ 歯磨きの際、水温を上げてうがいをする
・ 極度に冷たいものや熱いものの摂取を控える
・ 歯磨き粉を知覚過敏の予防効果のあるものにする
・ 冷たい外気から歯を保護するためにマスクを装着する
知覚過敏を予防するための確実な方法は報告されていませんが、知覚過敏の原因のひとつである象牙質の露出を防ぐために歯周病の予防に努めることも大切です。
また、歯肉の退縮に対しては強い力で歯みがきを行わないことも重要とされています。
歯ブラシは、5~10㎜ほどの幅で小さく動かしながら、軽い力で磨くようにしましょう。
そして、歯垢(プラーク)が付着した状態が長く続けば、歯の表面が酸により溶けて、知覚過敏が起きやすくなります。この場合はむし歯も進行しやすい状態といえます。
これらのことから、歯周病とむし歯の予防が「知覚過敏の予防」にも影響していることがわかります。
自身では知覚過敏の症状か、むし歯などによる痛みであるのか判断がつきにくい場合もありますので、気になる症状がある方は、早めに歯科医院を受診しましょう。
<参考>
公益社団法人日本歯科医師会「歯とお口のことなら何でもわかるテーマパーク8020 知覚過敏」