脱「梅雨だる」!~耳マッサージで天候による体調不良を乗り切ろう~

今年もじめじめとした梅雨の季節がやってきました。
梅雨に体調不良を感じたり、そのような不調がある方のお悩みを耳にすることも多いのではないでしょうか。
気圧や温度、湿度など気候の変動に伴って起こる不調を「天気痛」や「気象病」といいます。
このうち梅雨の時期に何となく体がだるい、肩がこるといった症状を「梅雨だる」と呼ぶこともあるようです。
実際、梅雨の時期には、約3人に1人が体調不良を実感しているという調査もあります。

こんな症状を感じていませんか

みなさんは天候の変化によって、以下のような症状が起こることはありますか?

□ だるい
□ 体がむくむ
□ 頭痛、めまい
□ 眠れない
□ 食欲不振
□ 便秘
□ 昔の骨折やケガのあとが痛む
□ 肩こり、関節が動かしにくい
□ 天気の変化を敏感に察知する

個人差がありますが、これらの症状は「自律神経の乱れ」が原因となっていることが考えられます。

自律神経の乱れとは

自律神経は、いわば、心身を健康に保つために体内を調整するシステムといわれ、血圧や呼吸数など、体内の特定のプロセスを調節しています。
ほかにも、体温調節や内臓の働き、ホルモンのコントロールなどの役割があります。
天気が変化することで気圧が徐々に低下しますが、その時、「気圧のセンサー」といわれる耳の奥の骨の中にある「内耳」が気圧の低下を察知します。
気圧の変動は、体にとって大きな負担となるため、内耳が察知した反応が「ストレス」として脳に伝わり、その影響で自律神経が乱れ、不調を起こすといわれています。

空梅雨のように、雨量がきわめて少なく、梅雨を感じないままに夏が到来する年もありますが、一般的には梅雨は1か月以上続きます。
今年の梅雨の期間は長引くでしょうか。はたまた空梅雨となるでしょうか。
どちらにせよ、梅雨の時期の不調、「梅雨だる」を引きずってしまうと、「夏バテ」につながりやすいといわれています。
以下では「梅雨だる」を乗り切って、夏を元気に乗り越えるために効果的な、「耳のマッサージ」をお伝えします。

症状改善・予防のための耳マッサージ

天候の変化による体調不良は、「気圧のセンサー」である内耳が大きく関係していますが、耳の周りの血流を促すことで内耳のリンパ液の循環も促されるため、自律神経が整い、症状緩和や予防につながるとされています。
また、耳には全身の臓器に対応するツボがたくさんあるとされ、「全身の縮図」ともいわれています。
そのため、耳をマッサージすることで、気圧の低下による不調が起こった場合や、今後、不調が起こりそうだなと感じた場合に、症状悪化予防や改善が期待できます。
みなさんも耳の血行を良くする「耳のマッサージ」をしてみましょう!

<耳のマッサージ>
(1) 耳の上部を軽くつまみ、5秒かけて上に引っ張る
(2) 耳の真ん中を軽くつまみ、5秒かけて体の外側に引っ張る
(3) 耳の下部を軽くつまみ、5秒かけて下に引っ張る
(4) 耳を外側に引っ張った後、前から後ろに5回ゆっくりと回す
(5) 耳を畳むように塞ぎ、5秒間そのままにする
(6) 手のひらで両耳を多い、前から後ろにゆっくりと回す

耳や頭がすっきりする感覚を感じられた方もいらっしゃると思います。
耳の血行をより促すために、温タオルで耳を温めてから行うことも効果的です。

血流の低下はあらゆる「痛み」の原因に

気圧の変化だけでなく、血流が悪くなることも痛みなど不調の原因となります。
血流が滞ることで、徐々に組織が酸素欠乏となり、新陳代謝が悪化し組織が障害されてしまいます。
組織が障害されると痛みの原因となる物質が産生され、これらが痛みを誘発するようになります。
血流を促すために、たとえば首や肩など、痛みの症状が出る筋肉をほぐしてみましょう。
普段から体を動かすことで、全身の血行改善や、気分転換にもつながるため、自律神経の乱れも整えてくれます。

天気や気圧の変化は自分ではコントロールできませんが、体の調子や自律神経を整える工夫を行うことはできます。
梅雨が終わると、暑さが増し、夏本番となります。
「梅雨だる」をしっかり乗り切って、晴れやかな夏を迎えましょう!

<参考>
佐藤純「雨の日に体調が悪くなる-天気痛-」(公益社団法人日本医師会『健康ぷらざ』2021年11月5日)

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横川 さとこ株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

調理師として料理教室で勤務後、大学へ進学し看護師・保健師の資格を取得。脳神経外科、歯科口腔外科で看護師として働く中で、予防医療に従事したいと考え、産業保健の分野に入職しました。働き世代の方々が健康で元気に楽しく働くために保健師として尽力していきたいと思っています。
【保有資格】看護師、保健師
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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