
2月10日は「フットケア」の日です。
「フットケアの日」は、一般社団法人日本フットケア学会と一般社団法人日本下肢救済・足病学会(両学会は2019年に合併)、および日本メドトロニック株式会社が糖尿病や抹消動脈疾患、閉塞性動脈硬化症による足病変の予防・早期発見・早期治療の啓発を目的として2012年に制定しました。
いち早く足の変化を把握するためには日常的にフットケアを心掛けることが大切です。
フットケアの第一歩として大切なのは「足を観察する」ことです。
足の裏や爪、指の間などを、普段じっくり見ている方は少ないかもしれません。
足以外でもいえることですが、昨日と変わりはないか、傷や赤くなっていないかなど、ほんの少しの体の変化でも、早期に気付くことで重症化の防止につながります。
冬にむくみやすいのはなぜ?
冬になると、足のむくみやすさを感じる方も多いのではないでしょうか。
これは、寒さによって起こる血行不良や、食事が原因とされています。
寒さで脂肪細胞が蓄積しやすくなり、血管が圧迫されて血流が悪くなるため、むくみが起こりやすくなります。
また、冬は年末年始など、会食する機会も増えるため、普段より脂質や塩分を取りすぎてしまう傾向があります。
そのため、血流が阻害され、むくみを誘発することがわかっています。
さらに、寒さのため普段より活動量が低下してしまい、運動不足になりがちなことも原因のひとつです。
むくみ改善のためにできること
まず、むくみやすい体質を改善することが大切です。
そのためには、むくみと関係が深い「血管を健康に保つ生活習慣」を心がける必要があります。
まずは、生活習慣をチェックしてみましょう。
□濃い味付け、塩辛い食べ物が好き
□ケーキやアイスクリームなどの洋菓子をよく食べる
□お酒を毎日、たくさん飲む
□日常的に運動をしていない
□入浴はシャワーで済ませる
□睡眠不足気味である
□喫煙習慣がある
□長時間立ちっぱなしや座りっぱなしでいることが多い
チェックが多く付いた方は、まず、生活習慣を見直してみることが大切です。
あわせて、冬のむくみケアを行ってみましょう!
冬のむくみケアの3つのポイント
① カリウムを豊富に含む食材を食べよう
冬のむくみケアのポイント1つ目は、体内の塩分を排泄する働きがある「カリウムが豊富な野菜」を積極的にとることです。
人間の体には体内の塩分濃度を一定に保とうとする働きがあります。
塩分が多い食事をとると、体の塩分濃度を薄めようと体内に水分を溜め込み、その影響で足や顔がむくみやすくなるとされています。
生野菜なら両手1杯、ゆで野菜なら片手1杯を毎食とる意識を持てると良いですね。
特にカリウムが豊富な野菜は、ほうれん草、小松菜、アボカド、さつまいも、バナナなどです。
そして、日頃から塩分をとりすぎないように注意することも大切です。
たとえば、ラーメンのスープは必ず残しましょう。
全部飲んでしまうとそれだけで一日の塩分をとってしまうことになります。
塩分の多い外食や、総菜を食べる頻度を抑えることも重要ですね。
② 身体を動かす
2つ目のポイントは、体を動かすことです。
普段から体の血行を良くしておくことが効果的です。
運動する習慣を生活に組み込んだり、普段から階段を積極的に使う、できるだけ大股で早足で歩いたり、「足を動かすこと」を意識してみましょう。
特に、座りっぱなしの姿勢を長時間続けることは、足のむくみの大きな要因となります。
30分に1回は立ち上がり、ブレイクタイムを作るなど、少しでも立ち上がる時間を作って同じ姿勢でいることを防ぎましょう。
③ 体を冷やさない
3つ目のポイントは、体を冷やさないことです。
体が冷えると血行が悪くなり、むくみやすくなります。
特に、足首からふくらはぎを冷やさないよう、長めの靴下を履いたり、湯船に浸かって体を温めたりなど、冷えを解消してから就寝しましょう。
また、体を温めやすい食べ物を積極的にとることもいいですね。
未精製の食材(黒糖・胚芽米など)や冬が旬、もしくは寒い地域でとれる野菜(にんじん・れんこん・ごぼう・ほうれん草など)、発酵食品(味噌・納豆など)、ビタミンEが豊富なナッツ類などがおすすめです。
これらのポイントを参考に、ぜひ冬のむくみケアを行ってみてくださいね。
外反母趾はむくみと関係している?
むくみは、日本人の3人に1人が発症する可能性のある「外反母趾」とも関連があることをご存知でしょうか。
外反母趾は、足の親指の先が人差し指の方に「くの字」に曲がり、親指のつけ根の関節の内側に痛みが生じる状態をいいます。
外反母趾になると足の指が地面と接しない歩き方となるため、「すね」や「ふくらはぎ」に大きな負担がかかり、筋肉が長時間にわたり緊張状態となるため硬くなってしまいます。
この状態が続くと、足の血液がうまく心臓へ戻らず、老廃物を含んだ血液やリンパが足に溜まり、むくみの原因になるとされています。
このように、足そのものに疾患があれば、その治療によってむくみの解消も期待できます。
そのためには、普段からご自身の足を観察し、変化があれば原因を特定し、その不調をもたらす要因を取り除くことが重要です。
まずは、日常生活の中でセルフケアを行うことから始めてみませんか。
<参考>
・ 厚生労働省 女性の健康推進室ヘルスケアラボ「むくみ」
・ 厚生労働省 働く女性の心とからだの応援サイト「冷え対策!体をあたためる食材、冷やす食材」
・ 公益財団法人日本整形外科学会「外反母趾」