【歯と口の健康~ホワイトニング~(3)】歯のホワイトニング後の食事や注意点
- 2024/4/16
- 健康管理
歯のケアのひとつであるホワイトニングは、見た目の美しさを保つことだけではなく、虫歯や歯周病予防につながるケアとしても近年注目されています。
なぜ、歯のホワイトニングが虫歯や歯周病予防につながるかについては、第1回の「歯のホワイトニングと予防歯科」でお伝えしています。
また、第2回「歯のホワイトニングの種類と効果」では、歯のホワイトニングにはどのような違いがあるかについてもお伝えしていますので、併せてご覧ください。
第3回の今回は、「歯のホワイトニング後の食事や注意点」についてお伝えいたします。
ホワイトニング後の食事に注意が必要な理由
歯のホワイトニングは、さまざまな原因で変色した歯を施術により白くすることをいいます。
なかでも、オフィスホワイトニングは、薬剤を使用した漂白を行うことで歯を白くします。
この施術により、歯の表面を保護している被膜が一時的に除去されるため、歯の表面のエナメル質がむき出しの状態になります。
この状態は、「着色が付きやすい」「歯が溶けやすい」といわれています。
被膜が再生されるまで約24~48時間かかるため、ホワイトニング後48時間までは、下記の飲食物は避けると良いでしょう。
ホワイトニング後に控えるとよい飲食物
① 色が濃いもの
以下のような色の濃い食べ物は、歯の着色の原因になります。
・ カレー
・ しょうゆ、ケチャップ、ソース、味噌などの色の濃い調味料やこれらを使った料理
・ 緑黄色野菜 など
食品以外でも、色の付いたうがい薬や口紅なども着色汚れの原因となるため注意が必要です。
② ポリフェノールが含まれるもの
ポリフェノールは、ほとんどの植物に含まれている苦みや色素の成分です。
この成分が多い食品ほど、着色汚れが付きやすいといわれています。
・ 赤ワイン
・ ブドウ
・ チョコレート
・ ココア
・ ブルーベリー など
③ タンニンが含まれるもの
タンニンはポリフェノールの一種で、以下のような渋みが強い食品に多く含まれ、着色汚れの原因になります。
・ コーヒー
・ ウーロン茶
・ 紅茶
・ 緑茶 など
④ イソフラボンが含まれるもの
イソフラボンもポリフェノールの一種で、大豆製品に多く含まれます。
色素が薄い食品が多いですが、色素沈着を起こしやすいため注意が必要です。
・ 豆腐
・ 納豆
・ 豆乳 など
⑤ 酸性のもの
ホワイトニング後は、前述のとおりエナメル質がむき出しとなり、酸に溶けやすい状態なので、以下のものは避けましょう。
・ トマト
・ レモンなどの柑橘類
・ わさび、からし、マスタード
・ ドレッシングや酢など
・ 炭酸飲料水、清涼飲料水 など
飲食物を選ぶ時に分かりやすい判別方法
このようにたくさんの制限があると、「結局、何を食べていいのか分からなくなる」というご相談をいただくこともあります。
分かりやすい判別方法として、「白い服につくと落ちにくいものかどうか」で考えてみることです。
ケチャップやカレーなどは特に、色素が色移りしやすいですよね。
ホワイトニング後に、何を食べていいのかわからない場合、ぜひ、このように考えて食材や料理を選ぶようにしてみてください。
うっかり影響のある飲食物をとってしまった場合
たくさんの飲食の制限があるため、うっかり酸性の飲み物を口にしたり、色の濃い食べ物を食べてしまったりすることもあるのではないかと思います。
その場合は、すぐに水を飲んで口の中を洗い流すこと、食後にうがいや歯磨きをすることで歯への影響を最小限にすることができます。
この対処法は、ホワイトニング後すぐの場合だけでなく、日常での歯の着色予防としても効果があります。
日頃から、食事の際は水をこまめに飲むこと、毎食後に歯磨きをすることを心がけていきましょう。
その他、気をつける習慣
喫煙習慣がある方は、タバコに含まれるニコチンやタールが蓄積され、歯の着色につながりやすくなります。
特にタールは歯面に付きやすく、黒ずむような着色をつけると言われていますので、ホワイトニング後すぐの喫煙は控えるようにするとよいですね。
ホワイトニングの診察の際、ホワイトニング後に注意すべき飲食物や習慣など、セルフケアについて説明がありますので、十分理解した上でホワイトニングを受けるようにしましょう。
そして、定期的に歯科医院を受診しクリーニングを行うことも着色予防につながります。
定期歯科健診やホワイトニングケアを上手に活用し、健康で美しい歯を保っていきましょう。
<参考>
・ 日本歯科医師会「ホワイトニング お口の病気と治療」