コロナ禍の休憩時間どうしていますか?好きな時間に休憩しても問題ない?
- 2021/3/16
- 労働環境
2回目の緊急事態宣言発令から2カ月。
時差出勤やリモートワークも随分浸透してきたのではないでしょうか。
そんな中、出社を余儀なくされる方もいらっしゃるかと思いますが、休憩はどのようにとっていますか?
「産業保健新聞」を運営するドクタートラストでは、コロナ対策を求められるようになってから、昼休憩時に外食する際の混雑を避けるため11時~14時までの間で1時間、社員が自由に休憩時間を選べるようになっています。
この対応が開始されたとき、「社員のことを考えてくれているな」という印象を受けました。
しかし、このような社員のための対策といっても、実は労務管理の視点からは法律違反になっている場合があるのです。
今回は、休憩時間について確認をしていきたいと思います。
休憩は一斉に与えなければならない
労働基準法34条では「休憩時間は一斉に与えなければならない」とされています。
当社のように、「11時~14時までの間で休憩時間を選べる」状態ですと、一斉付与の原則に違反することになってしまうのです。
しかし、社員の休憩時間を一斉に与えると、職場に誰もいなくなってしまい、業種によってはお客さんに迷惑をかけてしまう場合があります。
銀行や理髪店、小売店などが該当します。
このような一定の業種は、休憩の一斉付与からは予め除外されています。
なぜ一斉付与しなければならないのか?
そもそも、なぜ休憩時間は一斉に与えなければならないのでしょうか?
好きな時間に休憩できるなら社員も嬉しいでしょうし、それはそれでよい気がしますよね。
しかし、次のような場面を想像してみてください。
「休憩に入りたいけど、なんだかみんな忙しそう…『休憩いただきます』って言い出しにくいな……」
「休憩は1時間だけど、作業が終わらないから早めに切り上げよう」
このように結局休憩を取らなかったり、時間を短縮したりするケースが出る可能性があるのです。
また会社としても、社員全員がきちんと休憩時間を取れているか管理しにくくなってしまいます。
このような背景から、休憩時間は一斉に与えなければならないことになっています。
適用除外する場合は労使協定を!
一斉付与の適用を除外するには、労使協定で次の事項を定めておく必要があります。
ちなみにこの労使協定は、労基署に届ける必要はありません。
・ 一斉に休憩を与えない労働者の範囲
・ その労働者に対する休憩の与え方
企業には、労働災害を防ぐため、労働者の心身の疲労が蓄積しないよう「きちんと休憩をとり、休めているか」を管理する役割があります。
労使協定を結んだからと言って、この役割がなくなるわけではありませんので、休憩時間を柔軟に設定する際は注意していただきたいと思います。