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2022年10月から新適用!~おさえておこう社会保険の適用拡大~
- 2022/8/24
- ワークライフバランス, 社会保障制度
現在、大多数の中小企業では、パートやアルバイトの短時間労働者には社会保険(健康保険・厚生年金保険)が適用されていない場合がほとんどではないかと思います。
2022年10月からは、社会保険適用が拡大され、短時間労働者でも一定の要件を満たすと適用対象となります。
今のうちにチェック・準備をして、10月の適用開始に備えておきましょう。
適用要件、ここが変わります!
新しい適用要件は大きく分けて2つあります。
それぞれチェックしてみましょう。
(1)事業場の規模要件
新しい適用要件に該当するかどうか、事業場の従業員数の要件を確認しましょう。
短時間労働者を除く従業員数(※)
従来:501人以上
2022年10月~:101人以上
2024年10月~:51人以上
※ 従業員のカウント方法は、「フルタイムで働く従業員数」+「週の所定労働時間がフルタイムの4分の3以上の従業員数」となります。パートやアルバイトも含めますので注意してください。
また、この従業員数に該当する事業場を「特定適用事業場」と言います。
2022年10月1日時点で従業員数が101人未満だったとしても、直近1年のうちに6ヶ月以上101人以上だった場合は適用対象となります。
対象企業には、日本年金機構からお知らせが届くようですので、そちらを確認してください。
(2)加入対象者の要件
まずは従来の適用要件のおさらいをしたいと思います。a~dすべて満たすと適用対象となります。
<旧要件>
a.労働時間:週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
b.賃金:月額賃金が8万8,000円以上
c.勤務期間:1年以上の雇用の見込みがあること
d.適用除外:学生でないこと
新要件は次のとおりです。
<新要件>
a.労働時間:週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
b.賃金:月額賃金が8万8,000円以上
c.勤務期間:2ヶ月以上の雇用の見込みがあること
d.適用除外:学生でないこと
変わるのは「c.勤務期間」だけのようですね。
雇用契約が2ヶ月以内だったとしても、雇用契約書に「契約更新の可能性がある」と記載がある場合や、同じ雇用条件の他の労働者が、契約更新で2ヶ月を超えて雇用された実績がある場合は、雇用期間が2ヶ月を超える見込みがあると判断されます。
こんな人も適用になります
(1)配偶者の被扶養者になっている人
健康保険の被扶養者として認定されるには、年収が130万円未満であることという要件がありますが、年収130万円未満であっても、今回の適用拡大要件に当てはまる場合は社会保険の加入対象となります。
(2)年金をもらっているパート従業員
適用拡大の要件には年齢制限はないようですので、60歳を超えて働き続けている人も今回の新しい要件を満たすと社会保険に加入する必要があります。
ただし、60歳を超えて、働きながら受け取ることのできる在職老齢年金は収入額によって減額または支給停止となる場合があります。
会社としての対応・準備を
(1)加入対象者には丁寧な説明を
事業場の規模要件の見直しによって、多くの短時間労働者が社会保険に加入することになります。
前述したように、扶養の範囲内で働いている人も例外ではありません。
そのような従業員の中には、社会保険料がかかることによって、給料の手取り金額が減ってしまうと危惧する人もいるでしょう。
しかしながら、加入要件を満たしているにもかかわらず、個人の意思でそれを拒むことはできません。企業としては、加入のメリットを丁寧に説明することが大切です。
(2)社会保険加入のメリットとは
社会保険に加入すると以下のようなメリットがあります。
<厚生年金>
・ 厚生年金に加入することで、将来受け取る年金額が増えます。
・ 病気や怪我などで障害状態と認定された場合、給付が増えるうえに保障範囲が広がります。
<健康保険>
・ 病気や怪我などで働けない期間、傷病手当金が支給されます。
・ 産前産後休業中、出産手当金が支給されます。
厚生労働省の社会保険適用除外特設サイトには、加入者向けのガイドブックが用意されています。
ぜひ活用してください。
<参考>
厚生労働省「社会保険適用除外特設サイト」