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国際女性会議WAW!!2017〜日本の働く女性の実情〜
- 2017/11/8
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安倍首相は、先日のトランプ大統領訪日にさきがけ2日に来日したイバンカさんとともに、海外の女性指導者らを東京に招いて女性政策を議論する「国際女性会議WAW!」に出席しました。
ニュース等でご覧になられた方も多いのではないでしょうか。
安倍首相も出席した「国際女性会議WAW!」とは?
World Assembly for Womenの略称であり、「ワウ!」と呼ばれています。
参加メンバーには、世界のさまざまな地域や国際機関で活躍するトップ・リーダーの女性達が名を連ね、日本そして世界における女性のエンパワーメント、女性の活躍促進のための取組について議論が行われました。
安倍政権の重要課題の内の1つでもある「女性が輝く社会」を国内外で実現するための取組の一環として2014年から開催している国際会議で、今回が通算4回目の開催となりました。
アメリカ大統領の娘であり大統領補佐官でもあるイバンカさんは、彼女自身も3人の子供を持ちながら実業家でもあり、ワーキングマザーとして常に注目されている存在であることから、過去の会議よりも大きな注目を集めたようです。
日本における働く女性の実情
これに合わせて今日は、厚生労働省から公表された日本における「平成28年版 働く女性の実情」の一部を紹介していきます。
M字型カーブの実情
日本で働く女性の年齢階級別の労働力率は、子育て期に一旦低下し、アルファベットのM字の形状に似たM字型カーブを描いています。
しかし、地域別にこのM字を詳しくみていくと、その形状は多様となっているのです。
年齢階級別にみる女性の労働力率
前述で述べたM字型カーブは、都道府県によりその形状が異なり、北陸地方では労働力率が高くM字の窪みが浅いとデータに見られました。
その反面、近畿地方では労働力率が低くM字の窪みが深く表れていたようです。
M字型カーブの底の労働力率を見てみると、神奈川県の66.8%から山形県の83.0%まで、顕著な地域差がみられました。
役職者に占める女性の割合
長期的にみると多くの県で上昇しているという結果がみられました。
それに合わせて、一般労働者に占める女性の割合が高い都道府県では、役職者に占める女性の割合も高い傾向となっているようです。
また、役職者に占める女性の割合は産業により大きな差があることから、都道府県の産業構造により影響を受ける部分もあるということが考えられました。
女性の活躍に関する意識
「自分の家庭の理想は、『夫が外で働き、妻が家を守る』ことだ」という設問に対し、「そう思う」「ややそう思う」と回答した者(男女計)の割合が低い都道府県では、生産年齢の女性の労働力率が高い傾向にあります。
また、自分自身が職業を持つことについて、「子どもができてからもずっと職業を持ちたい」と思う女性の割合や、配偶者に「子どもができてからもずっと職業を持ってほしい」と思う男性の割合が高い都道府県では、女性の労働力率が高い傾向にあり、女性の労働参加、継続就業には、性別役割分担意識や働くことに対する意識が影響していると考えられます。
まとめ
冒頭にもあったように今の日本の重要課題の内の1つでもある「女性が輝く社会」を目指すため、女性活躍推進法の成立など、ますます女性の活躍推進の動きが活発化しているようにみえます。
しかし、今回公表された集計データのように、女性の就業状況には地域ごとに大きな違いがあるということがわかります。
今回の会議の最終日に発表された「WAW!2017東京宣言」でも、以下5つの異なった方向からアプローチをしていくことが明記されています。
・ 教育や訓練を通じて意識改革を行なっていく
・ すべてのレベルにおける女性の参画を推進していく
・ データを収集・分析して情報公開していく
・ 人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)を積極的に活用していく
・ パートナーシップを強化していく
今後、女性の活躍を進める上では、地域の実情に応じたより細やかな改革と施策が求められてくるのではないでしょうか。