緊急事態宣言が解除され、テレワークからオフィスワークに戻りつつある企業も多いことでしょう。
新型コロナウイルス流行の第二波が発生する可能性が高いため、社内クラスターを発生させないためにも、オフィス配置については感染拡大前・緊急事態宣言発令以前の状態と同様の状態ではなく、「新しい生活様式」を取り入れた対策を講じていく必要があります。
今回は、オフィスのコロナ対策の課題である物理的配慮、環境の整備についてわかりやすく解説します。
席配置はどうしたらいい?
新型コロナウイルスが終息したと判断されるまでは、基本はテレワーク(在宅勤務)が推奨されます。
しかし、どうしても出社が必要な場合、時差出勤など公共交通機関の混雑を避け、マスクの着用や手洗い励行を前提とします。
机配置は脱対面!横並び推奨
そして、オフィス内では「2mの身体的距離の確保(最低1m)が必要」です。
また、もう一つのポイントは、「対面の座席配置を避ける」ことです。
新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染をすると言われていますが、オフィスのような閉鎖した空間で、近距離で多くの人が会話する環境では、咳やくしゃみをしなくとも、感染を拡大させるリスクがあります。
そのため、仕切りのない対面の座席配置は避け、対角もしくは、横並びの席に配置しましょう。
ただ、対角や横並びのみの座席配置とすると、どうしても席数が減ってしまうため、現実的ではない企業も多いと思います。
やむを得ず対面の配置にする場合は、飛沫感染対策として、アクリル板や透明ビニールカーテンを「人と人の仕切り」として使用することを推奨します。
要注意!フリーアドレス制度
気を付けなければならないのが、自由に着席場所を選んで仕事をする「フリーアドレス制度」です。
フリーアドレス制度を導入している企業では、万が一、社内で感染者が発生した場合に、感染者との濃厚接触者の把握が困難になる可能性があります。
アフターコロナ時代のオフィスワークでは、フリーアドレスを禁止することも必要です。
社内での会議はどうしたらいい?
感染拡大前は、対面での会議やミーティング、打ち合わせが当たり前でしたね。
しかし、数名が一つの部屋に集まって対面で話し合うには、密になる可能性が高いです。
まずは、会議の緊急性や必要性を考慮して会議の実施を決めましょう。
今から実施する会議やミーティングは「本当に必要かどうか」の判断をしましょう。
会議やミーティングを行う場合は、できるだけ、Zoomなどのオンライン会議システムを活用し、人間同士の接触機会を減らしましょう。
また、どうしても、対面で実施しなければならない場合は、感染予防対策を徹底したうえで、以下の対応が必要です。
・ 参加者の人数を制限する
・ 会議室の換気を十分に行う
・ 椅子を減らしたり、机などの印をつけたりするなど、近距離や対面で座らない
換気はどれくらいしたらいい?
三密の一つであり、クラスター感染発生リスク要因の一つである「換気の悪い密閉空間」。
電車や街中のお店では、換気をしているのをよく見かけますが、皆さんのオフィスではどうでしょうか。
換気のコツは、空気の通り道を確保することです。
オフィス全体の場合、「窓がある場合は数分程度、30分に1回以上窓を全開」を目安にして換気をしてください。複数の窓がある場合は、2方向の壁の窓を開放し、空気の流れを作ってください。
会議室等の狭い空間の場合は、空調設備を稼働し、入り口ドアや窓を開けておきましょう。
これから暑い夏が始まりますが、常時使用しているエアコンや扇風機では、部屋の中の空気が循環しているだけで換気にはならないため注意が必要です。
また換気のため扇風機を使う場合は、扇風機を窓や外に向けまわすのは有効です。
<参考>
日本渡航医学会、日本産業衛生学会作成「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド」
厚生労働省「「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法(PDF)」