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- コロナ禍における企業の産業保健活動を調査しました~衛生委員会が実施できていない企業も~
コロナ禍のもと、企業では在宅勤務や時差出勤を取り入れ、これまではとは「働き方」が大きく変わっています。
また、こうした働き方の変化は衛生委員会をはじめとした産業保健活動全般にも多大な影響を及ぼしています。
皆さんの会社の産業保健活動は、以前通りにできていますか?
「産業保健新聞」を運営するドクタートラストでは、衛生管理者や人事総務部門の方などを企業の産業保健活動を担う立場の方たちを対象として産業保健活動の調査アンケートを行い、183人から回答を得られました。
今回は、本アンケートの結果概要をわかりやすくご紹介します。
「その他」への回答内容など、アンケートの詳しい結果は以下PDFをご参照ください。
「コロナ禍における、企業の産業保健活動を調査しました~予定通りの産業保健活動ができていない実態が浮き彫りに~」
半数の企業で在宅勤務を導入している
最初にうかがったのは、在宅勤務の実施状況です。
アンケートによると、一部か全員かなどに相違はあるものの、およそ半数の企業で在宅勤務が導入されていることがわかりました。
4分の1の企業では、衛生委員会でオンラインシステムを活用している
衛生委員会は、以下の通り労働安全衛生法18条に定められているものです。
具体的に従業員数50名以上の事業場では月に1度開催しなくてはなりません(業種によっては「衛生委員会」ではなく、「安全衛生委員会」の実施が義務づけられています)。
労働安全衛生法
(衛生委員会)
第18条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
1 労働者の健康障害を防止するための基本となるべき対策に関すること。
2 労働者の健康の保持増進を図るための基本となるべき対策に関すること。
3 労働災害の原因及び再発防止対策で、衛生に係るものに関すること。
4 前三号に掲げるもののほか、労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項
衛生委員会は通常、委員が集合して行うものですが、集まって会議がしづらい状況下で、皆さんどのように行っているかを訪ねてみました。
その結果、半数以上の企業では従前どおりの形式で行っているものの、25%の企業ではオンラインシステム利用に切り替え、さらに5%の企業では、衛生委員会の開催自体ができていない状況であるとわかりました。
「新型コロナウイルス」を議題にしている企業が多数
衛生委員会では、ストレスチェックや健診に関すること、また季節、時期にあった議題で話し合うのが一般的です。
しかし、現在は例年通りのテーマだけの話し合いに終始するのは難しいのではないでしょうか。
現在の衛生委員会で何について話し合っているか尋ねたところ尋ねたところ、大半の企業で「新型コロナウイルス」を議題にしていることがわかりました。
新型コロナウイルス対策において衛生委員会が重要な役割を担っていることが結果からもわかります。
年間スケジュールなど、さまざまな困りごと
ここまで見てきたとおり多くの企業で、衛生委員会を含む産業保健活動に何らかの変化が生じています。
こうしたなかで困っていることを訪ねたところ、当初のスケジュール通りに産業保健活動ができていないこと、産業医の出席が少ない、できていない、オンラインシステムの利用に伴うコミュニケーション不足などがあげられました。
今後もオンラインシステムの利用を検討している企業が多い
2つ目の設問からわかるように、衛生委員会でオンライシステムを利用するようになった企業がみられますが、新型コロナウイルスの感染が収束した後の衛生委員会はどうなっていくのでしょうか。
アンケートによると、衛生委員会を対面だけで継続していく企業よりも、何らかの形でオンラインシステムを活用される企業のほうが多いことがわかりました。
現在の産業保健活動で感じていること
最後に、回答者の皆さんが現在の産業保健活動で感じていることを教えていただいたところ、課題に加えて、今後に向けての前向きなお声も多数頂戴しました。
以下では、回答者の皆さんからいただいたお声のうち、一部を掲載いたします。
回答内容(一部抜粋)
<在宅勤務や密回避などによる課題>
・ 社員および社員の家族の健康状況を把握することが難しい
・ 計画休業により出勤日数が少なく、感染症対策以外の健康増進活動ができない
・ リモートワーク環境のメンタルケアはもちろんだが、在宅勤務では自宅での就業環境(照度や気温など)の向上をどうすれば図れるかが課題
・ 在宅勤務により会社の衛生環境が把握しづらく、衛生委員会の活動範囲が狭まっているように感じている
・ 対外的なセミナーや会合などの情報収集する場が少なくなった
<新型コロナウイルス対策、情報提供での課題>
・ 感染に関する職員の不安を少しでも軽減してあげたいが、方策が見つけられていない
・ 通勤・就業における従業員の感染リスクをどう回避するかが大きな問題
・ コロナ感染予防対策は継続して行っているが、発症者が出た場合の勤務シフトや労務管理、休暇の取り扱い等について明確に判断できる材料が少なく試行錯誤している
・ 他社さんのコロナ対応が知りたい
・ どこまで対策をすれば良いかということ
・ 情報が多くなり過ぎて、正しい情報であるかを調べるが大変
・ コロナ予防活動にマンネリ感がある
・ 事後対策におわれており、建設的な話し合いができていない
・ コロナ対策の情報が的確に入手しにくく、社員へ情報展開が遅れ気味
<他の産業保健活動への影響>
・ 新型コロナウイルス関連以外の内容を取り扱う割合が減った
・ 新型コロナ禍に加えてインフルエンザ感染予防に対しても心配しなければならない
・ 本来やらないといけないことが(新型コロナウイルスの影響で)おざなりになっている感がある
・ 健康診断の事後対応が新型コロナの影響でうまく進まない
・ 健康診断の実施が延期になり、従業員が自身の健康状態に不安に思っている
<オンラインの活用>
・ 産業医面談、衛生担当者との打ち合わせなどはオンラインを積極的に活用したい。健診結果は紙ではなくPDF+電子サインでやり取りできるようにしたい
・ 職場巡視のオンライン化
<前向きな声>
・ 衛生委員会ですべきこと、できることが増えていると感じる。衛生委員会をうまく利用してより良い職場環境(リモートを含め)の構築を図りたい
・ 職員が衛生保健活動に意識を払うようになり、絶好の機会と感じる
「コロナ禍における、企業の産業保健活動を調査しました~予定通りの産業保健活動ができていない実態が浮き彫りに~」
本アンケートはドクタートラストのメールマガジン「ドクタートラストニュース」に、て2020年10月27日~11月27日アンケートフォームURLを送信する形式で実施し、183人から回答をいただきました。
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