冬の感染症シーズン到来前に!企業ができるインフルエンザ・ノロウイルス対策

朝晩の空気がひんやりとしてきましたね。
秋の深まりとともに気になるのが「感染症」です。
インフルエンザやノロウイルスなど、冬に向けて流行が始まるこの時期、今からできる予防策を改めて確認し、予防意識を高めていきましょう。

主な感染経路

感染症予防対策を学ぶ前に、まずは主な感染経路について振り返りましょう。
感染経路でよくあるのが「飛沫感染」と「接触感染」です。

飛沫感染

感染者のくしゃみや咳、つばなどの飛沫と一緒にウイルスが放出され、別の人がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。

主な感染場所:学校や職場、満員電車など人が多く集まる場所

接触感染

感染者がくしゃみや咳を手で押さえ、その手で周りの物に触れてウイルスが付着。別の人がそのものに触ってウイルスが手に付き、その手で口や鼻を触って粘膜から感染します。

主な感染場所:電車やバスのつり革、ドアノブ、スイッチなど

個人でできる感染症予防対策

感染経路を遮断するために、個人でできる予防対策をご紹介します。

1. 手洗いうがい

帰宅時や調理の前後、食事前など、こまめに手洗いうがいを心掛けましょう。

また、洗い残しの多い箇所を意識するようにしてください。

・ 指先、爪先、爪と皮膚の間の溝
・ しわのある箇所
・ 親指、手の甲、手首

石鹸で10秒以上もみ洗い、15秒以上流水ですすぐとより効果的です。

2. マスク着用

マスク着用には以下の効果があります。

・ 自分の咳やくしゃみなどの飛沫を防いで周囲への感染を抑える
・ 空気中の飛沫をマスクが捕捉して自分の身を守る
・ ウイルスのついた手で鼻や口を触ることを防ぎ、接触感染を減らす

感染症予防の観点からは不織布マスクがおすすめです。
感染症が流行している時期に人の多い場所へ外出される際は、予防のためにマスク着用をおすすめします。

3. 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取

体の抵抗力を上げるためにも、バランスの取れた栄養を摂取しましょう。
実は免疫細胞の約6割は腸に集まっています。
腸内環境を改善し、機能を高めることが免疫力向上には必要です。
腸内環境を整えるためにも、発酵食品や食物繊維を意識して摂取しましょう。

発酵食品:納豆、ぬか漬け、みそ、ヨーグルト、酢など
食物繊維:野菜、根菜、豆類、きのこ、海藻など

企業でできる感染症予防対策

個人だけでなく、企業としても感染症拡大を防ぐためにできる取り組みをご紹介します。

1. 柔軟な勤務体制

テレワークや時差出勤などを導入し、通勤や密集を避けましょう。

2. 職場環境の整備

・ 定期的な換気
・ 手指消毒の設置
・ 共有物(ドアノブや会議室など)の定期的な消毒
・ 温度計・湿度計の設置(必要に応じて加湿器設置)

3. 出勤・出社停止ルールの整備

以下の内容を就業規則へ明記することをおすすめします。

<定義すべき項目>
・ 対象者の定義(例:伝染性の疾病にかかったもの)
・ 出勤・出社停止期間
・ 給与の扱い(有給・無給の扱い)
・ 復帰条件

規定例:インフルエンザに罹患した場合、発症後5日を経過し、かつ解熱後2日経過するまで出社を停止とする。症状が緩和しており業務遂行が可能な場合は、在宅勤務可とする。

4. 特別休暇制度の導入

導入の際は取得条件や日数、有給・無給の扱いを明確にし、就業規則へ明記することをおすすめします。

制度例:インフルエンザ罹患時、申請をすれば有休を使用せず欠席することができる。

まとめ

感染症対策は自分と周囲を守るために必要な取り組みです。日頃からお互いに意識し合い、感染症を予防しましょう。

<参考>
・ 首相官邸「インフルエンザ(季節性)対策」
・ 国立大学法人豊橋技術科学大学コロナウイルス飛沫感染に関する研究 ~マスクの効果と歌唱時のリスク検討~(PDF)」
・ 政府広報オンライン「インフルエンザの感染を防ぐポイント」
・ 農林水産省「和食育(PDF)」

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藤居 真央株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院の消化器外科病棟に看護師として勤務後、不妊治療専門クリニックで体外受精などの生殖補助医療に携わる。看護師としてのキャリアを重ねていくなかで「もっと早く自分の身体、健康に意識してくれていれば」の想いが強まったことから、ドクタートラストに入職。産業保健師としてセミナーや保健指導、産業医導入企業へのフォロー介入など、多方面で活動中。得意分野は「女性の健康」「生活習慣病」「がん(特に消化器系)」など。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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