「管理職にも知ってほしい」プレコンセプションケアとは?働く世代が今知っておきたい理由

皆さん、プレコンセプションケアという言葉をご存じでしょうか。
これは、健康経営の新しい視点として近年注目されている概念です。
プレコンセプションケアの定義は以下の通りです。

性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザイン(将来設計)や将来の健康を考えて健康管理を行うこと

出所元:こども家庭庁「はじめよう プレコンセプションケア」

将来、妊娠や出産を希望するかどうかに関わらず、一人ひとりが正しい知識を身につけ、後悔のない選択ができるようにするための大切な考え方です。
ぜひ本日の記事を通して、プレコンセプションケアについて理解を深めてみましょう。

プレコンセプションケアとは?

プレコンセプションケアは元来、周産期死亡率の低下や新生児予後の改善を目的とした、健康な妊娠・出産を目指す「妊娠前のケア」という概念でした。
現在はそれにとどまらず、生涯にわたり身体的・精神的・社会的に健康な状態であるための取組として、性別を問わず、適切な時期に、性や健康に関する正しい知識を持ち、妊娠・出産を含めたライフデザイン(将来設計)や将来の健康を考えて健康管理を行う概念とされています。

・ 結婚する・しない
・ 子どもを産む・産まない
・ 産むとすればいつ・何人・どのくらいの間隔

これらを選択・決定することはすべて、基本的人権のひとつです。
性別や将来の妊娠・出産の希望にかかわらず、すべての人に当てはまるのがプレコンセプションケアです。

自分でできること

自分を知る

将来の妊娠を考える・考えないに関わらず、まずは自分の体の状態を知ることが大切です。

・ 身体的な男女の違いを理解する
・ 妊娠と年齢の関係を理解する(精子や卵子の数・質は年齢とともに変化する)
・ 適正体重を知る
・ 基礎体温表をつけてみる(排卵のタイミングやホルモンバランスの変化がわかる)
・ 婦人科、内科など、気軽に相談できるかかりつけ医をもつ

生活を整える

日々の生活習慣は、将来の健康にも大きく影響します。

・ 栄養バランスを考える(若年層の女性は特に、たんぱく質・カルシウム・食物繊維などが不足しやすい。1日3食を心掛ける)
・ 1日60分以上からだを動かす
・ 禁煙する、受動喫煙を避ける
・ アルコールを控える(「節度ある適度な飲酒量」は純アルコール20g/日程度。例:ビール500ml、ワイン200mlほど)

検査やワクチンを考える

自分の体を守るために、必要な検査や予防接種を確認しましょう。

・ 感染症から自分を守る(性感染症のチェックや、コンドームの使用を検討するなど)
・ 妊娠前にワクチン接種を検討する(風疹や水痘など、妊娠前にワクチン接種することで防げる感染症がある)
・ がんのチェックをする(子宮頸がんの多くは性交渉で感染する。早期発見・早期治療のためがん検診を受ける)

人生をデザインする

人生には、進学、就職、結婚、妊娠・出産、育児、介護など、さまざまなライフイベントがあります。
自分の価値観に基づいて選択できるよう、将来の見通しを整理してみましょう。

・ 5年後・10年後の自分をイメージする
・ 自分がどうありたいかを書き出してみる
・ キャリア・家庭・健康のバランスを考える

「どんな人生を送りたいか」を考えることがとても大切です。

企業にできる具体的な取り組み内容

社員への情報提供

職域での健診の場等を活用したプレコンセプションケアの周知をしましょう。
(例)健診会場にプレコンセプションケアのポスター掲示、社内ポータルで「将来の健康づくり」特集ページを作成など

研修等の企画・実施

講演会、研修を実施しましょう。
(例)プレコンセプションケアに関連するセミナーの実施など

福利厚生等に係る取組の実施

プレコンセプションケアを踏まえた特別休暇や福利厚生等に係る取組も必要です。
(例)婦人科検診の費用補助、不妊治療の通院休暇・時間単位休暇など

専門職による個別相談の実施

産業医等の産業保健スタッフによる社内での個別相談も有効です。
(例)社内の相談窓口設定、外部専門家(保健師・医師など)との相談窓口設定など


プレコンセプションケアは、将来の妊娠・出産に限らず、これからの人生をより健康に生きるための大切な考え方です。
今日からできる小さな一歩が、未来の自分を守る力になります。
ぜひ、ご自身のペースで取り入れてみてください。

<参考>
・こども家庭庁「プレコンセプションケア推進5か年計画 ~性と健康に関する正しい知識の普及と相談支援の充実に向けて~」
・厚生労働省「プレコンセプションケアをみんなの健康の新常識に」

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藤居 真央株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院の消化器外科病棟に看護師として勤務後、不妊治療専門クリニックで体外受精などの生殖補助医療に携わる。看護師としてのキャリアを重ねていくなかで「もっと早く自分の身体、健康に意識してくれていれば」の想いが強まったことから、ドクタートラストに入職。産業保健師としてセミナーや保健指導、産業医導入企業へのフォロー介入など、多方面で活動中。得意分野は「女性の健康」「生活習慣病」「がん(特に消化器系)」など。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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