クォータ制とは
国会議員や地方議会議員、会社役員、取締役会などの男女割合を、あらかじめ一定数に定める「クォータ制」という制度があります。
発祥地はノルウェーで、ノルウェーの男女平等法には「公的機関が4名以上の構成員を置く委員会、執行委員会、審議会、評議員会などを任命または選任するときは、それぞれの性が構成員の40%以上選出されなければならない。4人以下の構成員を置く委員会においては、両性が選出されなければならない」とあります。
つまり、仮に10人で構成される委員会を作る場合、男女ともに最低でも4人入れなさいということです。
北欧はもちろん、世界的にみてもなかなかポピュラーな制度ではあるのですが、日本では馴染みがありませんね。
クォータ制は女性活躍推進に役立つ?
安倍政権は、「2020年までに国会議員や民間企業の管理職の女性の割合を、30%以上にする」という目標を掲げています。
しかし、日本が世界的に見ても女性議員や管理職比率が低く、男女平等度も低いということは、皆様にとっても周知の事実かと思います。
先日発表された、2018年版男女平等度ランキングでも、149か国中110位という燦々たる結果でした。
※ なお、2017年度は144か国中114位でした。2017年度の状況については、こちらの記事をご覧ください。
このランキングは「経済」「政治」「教育」「健康」が主な調査基準となるのですが、昨年も今年も、最も評価が低いのは、やはり「政治」なのです。
そこで、注目されるのが今回ご紹介している「クォータ制」。
制度として、一定数女性をいれることを定めることで女性活躍の推進をしようということです。
クォータ制のメリット・デメリット
大きなメリットのひとつは、「女性を積極的に雇用することで、企業の多様性をひろげることができる」という点です。
最近は改善にむかいつつあるように思いますが、出産や育児、結婚による退職などで敬遠されがちだった女性の雇用をさらに積極的にすることで、さまざまな視点からみた意見が集まり、会社全体が大きく成長するきっかけのひとつとなるでしょう
さらに、もっと踏み込んで女性管理職を増やしてみると、女性のキャリアについて深く考えることにつながり、ライフイベントに関わる支援について再考する機会ができそうです。
デメリットとしては、「女性という『性別』だけで採用や管理職への昇進を決めるのは、男性にもあるはずのチャンスを奪ってしまう『逆差別』につながってしまう」という意見があるということ。
この意見はごもっともだと思います。先に決められた数値をクリアするためだけに、無理やり雇用したり、昇進させたりするのは不公正ですよね。
クォータ制で真の平等を!
クォータ制は、男女関係なく、優秀な人材が平等に、安心して働けるようにするきっかけと、その環境整備のための制度なんだということを忘れていけません。
性別関係なしに、人それぞれ得意なことは違います。
「男性だからバリバリ営業して皆を引っ張るリーダーに」
「女性だから事務などの裏方でサポートに」
なんて考えは捨てていきましょう。
きっとそれが企業の競争力向上にもつながっていくことでしょう!
<こちらの記事も参考にどうぞ>
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