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学生の就職観は「楽しく働きたい」「ノルマがきついのは嫌!」~企業が採用活動をするときのポイント~
- 2024/5/1
- ワークライフバランス, 働き方改革, 採用
3月から2025年卒新卒採用がスタートしています。
人材不足、労働人口の減少が常々叫ばれていますが、売り手市場になっている採用活動、就職活動はどのように変化しているのでしょうか。
そこで今回は、2025年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点)およそ4万人を対象に実施した「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」(株式会社マイナビ、2024年4月16日公表、以下本調査)をもとに学生側の就職意識について解説します。
なお、企業側の調査として「マイナビ2025年卒企業新卒採用予定調査」も2024年2月26日に公表されています。
どんな企業で働きたい?就職観
「就職観」もしくは「仕事観」とも言いますが、就職活動において「何のために社会で働き、どのように社会的役割を果たすのか」「自分が仕事に対してどう思うか」は重要です。
企業としても、どんな思いをもって学生が求人に応募してくれたのかは気になるところでしょう。
本調査において、企業を選択する場合にどのような企業がよいかでは、「楽しく働きたい」が前年同様38.9%で最多となりました。
「楽しく働きたい」は2010年卒以来、15年にわたり最上位項目です。
当面は学生が重視する就職観といえ、企業は「どうやったら楽しく働けるのか」「楽しく働ける環境になっているか」「そもそも楽しく働くためには何が必要なのか」を考えて施策を講じていく必要があるでしょう。
次いで「個人の生活と仕事を両立させたい」が続き、こちらに関しては2024年卒から1.7pt増加の24.5%。
ワークライフバランスを重要視する学生がより増えていると考えられます。
業務の適正化による残業時間の削減はもちろん、コロナ禍で一気に普及したテレワーク・在宅勤務の実施なども、ワークライフバランスの向上につながります。
テレワーク・在宅勤務を実施、または廃止した企業は、復活を検討するのも良いでしょう。
どんな企業がいい?企業選択のポイント
学生が就職活動をするうえで、上記の「自分(学生)がどう働きたいか」は重要ですが、あわせて「どんな企業で働きたいか」も大切なポイントです。
「安定している会社」「給料の良い会社」「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」の上位3項目のうち、上昇基調なのが1つ目の「安定している会社」です。
2019年卒までは「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」が1位、「安定している会社」は2位でしたが、コロナ禍の影響もあり、20年卒のタイミングで逆転しました。
25年卒では前年より1.1pt増加し49.9%、6年連続でトップでした。
コロナ禍でたくさんの企業、お店が倒産・閉店に追い込まれたのを目の当たりにしたため、やりたいことよりも、安定を求める志向が強くなったのだと考えられます。
また「給料の良い会社」も緩やかではありますが上昇傾向が見られます。
昨今の物価高への不安感もありますし、「やりたい仕事ならば、お給料が低くてもいい」という時代は終わったのかもしれません。
この結果を踏まえると、以下のような対応を企業が行うことで、学生側の志望度が高くなる可能性があります。
・ 決算情報や経営方針をホームページなどに明確に記載しておく
・ 求人を出す際はキャリアにあわせた給料を明記する
加えて、企業志望の調査では「絶対に大手企業がよい」「自分のやりたい仕事ができるのであれば大手企業がよい」といった大手企業志向も前年から4.8pt増加の53.7%で、3年ぶりに半数を超えました。
ここにも安定を求める学生の意識が反映されているといえます。
ここは嫌!行きたくない会社
最後に、次は行きたくない会社の調査結果を見てみましょう。
最新の上位3項目は、「ノルマのきつそうな会社」38.9%(前年比0.7pt増)、「転勤の多い会社」30.3%(前年比0.7pt増)、「暗い雰囲気の会社」24.8%(前年比0.7pt増)でした。
コロナ禍前までは「暗い雰囲気の会社」が1位でしたが、コロナ禍後「ノルマのきつそうな会社」「転勤の多い会社」を挙げる割合が増えました。
上記で解説したように、ワークライフバランスを大切にする傾向にあるので、「ノルマがきつい=残業が多い印象がある企業」を避けたり、結婚後に共働きを希望する学生が多いことから、転勤がない・少ない企業を選ぶ学生が多くなってきているのでしょう。
今回は、就職活動中の学生意識について、マイナビの調査をもとに解説しました。
企業側の見通しとして、多くの企業は採用環境が厳しくなると予想されていますが、今回解説した点を踏まえて少しでもより良い採用活動ができるよう、求人の掲載内容などを再度見直してみるのはいかがでしょうか。
<参考>
・ 株式会社マイナビ「マイナビ 2025年卒大学生就職意識調査」
・ マイナビ キャリアリサーチLab「2025年卒大学生のライフスタイル調査~Z世代の就活生の“日常”と“将来”を徹底研究!~」