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働き方改革 ―子育て従業員の現状と取り組み―
- 2017/4/1
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国を挙げて「働き方改革」「両立支援」などの取り組みが盛んとなっていますが、育児中の従業員にとってはどのような変化があるのでしょうか?
法改正やデータに基づき、現状と取り組み内容についてご紹介します。
「ワンオペ育児」という現状
ワンオペ育児という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
チェーン店などで、従業員一人がすべての業務を切り盛りすることで問題となった「ワンオペレーション」が語源であり、特に妻が一人で家庭内労働(家事、育児)を回すことと相通じ、多くの母親が共感しているといいます。
ワンオペ育児となる理由のひとつとして挙げられるのは、日本の社会問題でもある「長時間労働(特に男性の)」です。
内閣府「日本人の働き方と労働時間に関する現状」(H25年)
「日本人の働き方と労働時間に関する現状」の調査によると、平日に10時間以上働く男性の割合は、1981年の20%から、2011年には44%と増加しています。
帰宅時間が遅いため、夫は家事や育児と向き合う時間がほとんど取れず、その結果、妻が〝ワンオペ″となってしまうのです。
総務省「社会生活基本調査」(H23年)
上記の図からも分かるように、世界的に見ても、日本の夫婦の家事・育児時間にどれだけ偏りがあるか一目瞭然です。
育児・介護休業法改正 H29年1月1日施行
妊娠・出産・育児期に、男女ともに離職することなく働き続けることができるよう、両立支援制度の見直しがなされました。
改正内容は、次の4つです。
1. 子の看護休暇を半日単位で取得できるよう柔軟化。
[改正前]⇒1日単位での取得
2. 有期契約労働者の育児休業の取得要件を緩和。
①当該事業主に引き続き雇用された期間が過去1年以上あること、
②子が1歳6ヶ月に達する日までの間に労働契約が満了し、かつ、契約の更新がないことが明らかでない者
[改正前]⇒②1歳以降も雇用継続の見込みがあり、③2歳までの間に更新されないことが明らかである者を除く
3. 育児休業制度等の対象となる子を拡大。
特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子、その他これらに準ずる者を追加。
[改正前]⇒法律上の親子関係である実子・養子
4. いわゆるマタハラ・パタハラ防止措置の新設。
上司・同僚が職場において、妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする就業環境を害する行為をすることがないよう、事業主に防止措置義務を追加。
[改正前]⇒事業主による不利益取扱いは禁止
くるみん厳格化 H29年4月1日から
厚生労働省は、仕事と育児の両立支援に取り組む企業が対象の「くるみん認定」制度に関して、要件を厳格化することを発表しました。
新入社員が過労自殺した電通が認定を受けていたことから見直しの検討が進み、「月平均60時間以上の残業をしている従業員がいないこと」が条件に追加されます。
電通は、過去に3回認定を受けていましたが、自殺問題が発覚した後、厚生労働省に認定を返上していました。
今後は、新規認定を厳格審査し、残業時間の要件を新たに設けるほか、労働基準法違反などで是正勧告を繰り返し受けた場合は認定を取り消す等、制度の信頼性を高める方針となります。
※くるみんとは、専用マークを名刺や求人広告などに使うことで、「子育てサポート企業」としてPRできる利点があり、昨年末の取得数は約2,600社。
「働き方改革」の機運が高まってきている今、徐々に国の制度も整備されつつあります。
家庭や職場においても、これまでの働き方を見直し、仕事と家庭の調和のためにどのような働き方をしていく必要があるのか、個々にデザインしていくことが大切ですね。