心を手当てする方法を知っていますか?

つらさを解消する術は学んでこなかった

皆さんは、風邪をひいたとき、どうしますか?
足の骨を折ったときは?
「暖かくしてよく眠る」「病院に行く」など、適切な答えが思いつくでしょう。
それは体のケアをする方法を、幼いうちから学んでいるからです。

では、こんな時はどうしますか?
「大きな失敗をして落ち込んだときは?」
「大事な人がいなくなってつらいとき、どうしたらいい?」
今度はどう答えられるでしょうか。

これは、NYの心理学者ガイ・ウィンチが講義の冒頭でおこなっている問いかけです。
私たちは体の不調は上手く手当てができるのに、どうして心の不調に対しては方法を知らないのでしょうか。
答えは、心の手当の方法を学んでこなかったからなのです。

心の傷を放置しないで欲しい

心の傷は、目に見えません。
けれども、私たちの心は時に体よりも頻繁に傷付いています。
現代では、心療内科やカウンセラーに通えば、心のケアができると考えられています。
ただ、これは時にコストがかかりすぎます。
軽いケガには応急処置ができるよう、救急箱を持っているように、心の傷にも自分でできる応急処置方法を知っていれば、傷を放置せずに日々を過ごすことができるのです。

応急処置方法は時間をかけて身につける

「拒絶」「孤独」「喪失」「罪悪感」「失敗」「自己否定感」――――
こういった感情は、どんな人でも出合う可能性のある感情です。
このような状況・気持ちに長い時間とらわれ、それを反すうしてしまうことは自分の傷を自分でえぐるような行動といえます。

「どんな自分も、まずは自分が受け入れること」
「他人に対して接するように、自分を大切にすること」
「気分転換をできるような趣味や、友人をもつこと」
「自分ではなく、誰かのために行動すること」

これらの方法は、応急処置のほんの一部分ですが、自分自身の状態を知り、適切な方法で対処してあげることはそれが目に見えない心だとしても可能なのです。

ただ、人の考え方は習慣として身に着くものであるため、最初のうちは習慣づかせることに時間がかかるかもしれません。
それでも、落ち込んだ気分でいる時間は少しずつ短くすることができます。

前向きであれば、優しくなれる

どんな人でも必ず素敵な部分があります。
そして生きている限り、日々新しい自分に変化していくことができます。
しんどい気持ち、辛い気持ちでいる時間を少しでも短く、心にできた傷を手当していけたら、毎日をもっと明るく過ごすことが誰にでもできるのです。

ひとりでも多くの人に、日常の心の傷が少しでも軽くなり前向きに過ごして欲しいと願います。

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