- Home
- ワークライフバランス
- ポイントは3つ! 65歳以上になっても働きやすい制度
ポイントは3つ! 65歳以上になっても働きやすい制度
- 2021/10/7
- ワークライフバランス
大手ハンバーガーチェーンに93歳の方がクルーとして在籍されているニュースを見て、大変驚きました。
この方は2019年、当時90歳で働き始め、今現在も週4日ほど夜の時間帯で働いていらっしゃいます。
93歳で働くクルーの方もすごいなと思いましたが、雇入れた会社・店長の姿勢も素晴らしいと感じました。
今後日本は世界でも有数の高齢化率の高い社会となっていきます。
2060年には総人口が9,000万人を下回り、生産年齢人口(15歳~64歳)が約50%近くまで減少するとともに、65歳以上の人口は40%近い水準になると推計されています。
今回、令和3年度高年齢者活躍企業フォーラム「高年齢者活躍企業コンテスト」で、高年齢者が働きやすい環境・制度作りを行っている企業が表彰されましたので、事例をみながら働きやすい制度のポイントについて考えてみます。
高年齢化に伴いアシストスーツを導入
最優秀賞を受賞した株式会社ササキでは定年制は65歳ですが、65歳以降も希望者は全員70歳まで、条件に応じて75歳まで働くことができます
☆主な表彰のポイント☆
・ 65歳定年後は、本人の希望に合わせて「一般従業員と同様の勤務」と「所定労働日数または所定労働時間が少ない勤務」を自由に選択が可能な勤務制度を整備している
・ 「範師」の役職及び「マエストロ(巨匠)」「マイスター(匠)」「スペシャリスト(職人)」等の専門職を設け、年次を重ねた社員が専門的知識や技術を活かせるしくみを導入している
・ 高齢従業員を若年技能者人材育成支援等事業(厚生労働省)の「ものづくりマイスター」として登録し、新人教育などを通じ若年技能者の育成と技能継承に取り組んでいる
・ 人間ドック制度(年齢により全額会社負担または半額会社負担)により従業員の高齢化に伴う健康管理を行うとともに、「アシストスーツ」を導入して腰痛防止等の労災防止対策を行うなど安全衛生・作業環境の改善に取り組んでいる
・ 大企業・異業種等での経験・ノウハウを活用するため、マネジメント力を有する中高年齢層の中途採用を積極的に行い、その多くが管理職等として活躍している
※他の受賞企業の取り組み事例についてはこちらでご確認ください
厚生労働省「令和3年度「高年齢者活躍企業コンテスト」の入賞企業が決定しました」
高年齢者が働きやすい環境・制度のポイント
受賞した企業の取り組みからは以下の3ポイントが見えてきました
・ 健康面や体力を考慮し、業務内容や勤務時間を調整可能
・ 健康維持に関する支援策がある
・ 安易な賃金のカットや役職の降格はモチベーションの低下を招くため、業務内容に配慮した賃金設定や、役職を創設している
同じ70歳といっても、健康状態や体力面、そして本人がどう働きたいのかは人それぞれです。
個別に希望の聞き取りを行い、会社と社員がどちらも納得できるできるよう柔軟な制度づくりが必要になってくるでしょう。
社会全体で高年者が働ける制度導入が進んでいる
令和2年「高年齢者の雇用状況」によると、66歳以上が働ける制度のある企業は全体の33.4%を占め、前年比2.6%増、そして70歳以上働ける制度のある企業は全体の31.5%で、前年比2.6%増でした。
社会全体としても、高年齢者が働くことができるような制度作りが進んでいます。
31人以上が働く企業でみると、60歳以上の労働者数は10年前の平成22年には242.8万人だったのが、今回の調査では409.3万人と大幅に増えています。
加えて409.3万人のうち184.9万人は65歳以上が占めているので、社会全体としても65歳以上の方々が重要な働き手となっているのは間違いありません。
まだ働き盛りの20代~40代の皆さん、ご自身が65歳になったときには定年制度は75歳になっているかもしれませんし、もしかしたら制度そのものが廃止されているかもしれません。
楽しく働き続けるには人生100年時代をどう生きていくかのライフプランと、日々の健康管理が重要です。
今の会社で75歳まで働けるのか、一度考えてみてもいいかもしれません。
<参考>
・ 厚生労働省「令和3年度「高年齢者活躍企業コンテスト」の入賞企業が決定しました」
・ 厚生労働省「令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果を公表します」