子どもがかかると特に怖い!百日咳ってどんなもの?予防方法は?
- 2025/5/9
- 健康管理

本日は、最近ニュースでよく聞く「百日咳」についてお話いたします。
百日咳はワクチン接種で予防ができ、その普及とともに各国での発生数は激減しています。
ですが、ワクチン接種を行っていない人や接種後年数が経過し、免疫が減衰した人の発病はわが国でも見られており、世界各国でいまだ多くの流行が発生しています。
流行状況
最近ニュースでもあげられるように、全国で百日咳の報告数が増えています。
下記グラフは大阪府内の百日咳累積報告数になります。

出所元:大阪府感染症情報センター「百日咳(2025年4月28日時点)」
こちらのグラフから分かるように、2025年第8週時点から過去の同時期と比較して最も多い報告数で推移しています。
今日は、そんな百日咳について一緒に学び、予防方法を身に付けましょう!
百日咳とは?
百日咳菌による感染症で、特有のけいれん性の激しい咳発作を特徴とします。
どの年代でも感染する恐れがありますが、特に小児が中心となっています。
乳児期早期から感染する可能性があり、乳児では重症化しやすく肺炎や脳症を合併し、まれに死に至ることもある感染症です。
① 主な症状
経過は3期に分けられており、約2~3カ月で回復するとされています。
カタル期(約2週間継続)
潜伏期間7~10日程度。風邪症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなる。
痙咳期(約2~3週間持続)
次第に特徴ある発作性けいれん性の咳となる。短い咳が連続的に起こり、息を吸うときに笛の音のような「ヒュー」という音が出る。しばしば嘔吐を伴う。
年齢が小さいほど症状は非定型的であり、乳児期早期では特徴的な咳はなく、単に息を止めているような無呼吸発作からチアノーゼ、けいれん、呼吸停止と進むことがある。
回復期(2~3週)
激しい発作は次第に減り、2~3週間で認められなくなるが、時折発作性の咳がでる。
② 感染経路
主な感染経路は下記になります。
飛沫感染
咳やくしゃみなどによって飛んだ飛沫に含まれる病原体を吸い込み感染する。
接触感染
感染している人の皮膚や粘液に触れたり、病原体がついたドアノブや手すりなどを介して間接的な接触により、病原体が付着し感染する。
③ 予防方法
予防方法の1つとしてワクチンがあります。
百日咳ワクチンを含む接種は4種混合ワクチンや5種混合ワクチンなどに含まれており、乳児期から接種可能です。
5種混合ワクチンにおいては、百日咳の罹患リスクを80~85%程度減らすことができると報告されています。
また、基本的な感染対策も有効です人の多い場所でのマスク着用や手洗い・うがいを徹底しましょう。
いつから出社していい?登校していい?
百日咳は学校保健安全法において、第二種の感染症に規定されています。
学校保健安全法とは、生徒や教員の健康や安全確保ついてまとめられた法律です。
この法律により、百日咳に罹患した場合、特有の咳が消失するまで又は5日間の適正な抗菌薬療法が終了するまで出席停止とされています。(病状により学校医その他の医師において感染の恐れがないと認めたときは、この限りではありません)
では、私たちのような労働者はどうでしょうか?
私たち労働者は、この学校保健安全法には適応されていないため、感染症にかかった場合いつ出勤して良いかは会社ごとの就業規則により異なっています。
ただ、多くの企業ではこの学校保健安全法にのっとり、基準を定めている場合が多いです。
感染を広げないためにも、感染症にかかった場合は就業規則を確認しつつ、医師の指示に従いましょう。
まだまだ寒暖差が激しい日々が続いています。
皆さま、体調にお気をつけてお過ごしくださいませ。
<参考>
・厚生労働省「5種混合ワクチン」
・国立健康危機管理研究機構感染症情報提供サイト「百日咳」
・厚生労働省「百日咳」
・学校保健安全法施行規則
・大阪府感染症情報センター「百日咳」