より健康に過ごすために、体内時計を整えよう!

より健康に過ごすために、体内時計を整えよう!

皆さんは日頃、どんな生活リズムで過ごされているでしょうか。
朝は慌てて準備をし、ついつい朝ごはん抜きなんて方もいらっしゃるかもしれませんね。
実は生活リズムと健康は大きく関係があり、生活リズムを整えることで健康への第一歩を踏み出すとも言えます。
今日はそんな生活リズムの整えるコツをお伝えいたします。

生活リズムと健康の関係

よく「生活リズムを整えることが大切」と聞きますが、これはなぜなのでしょうか。
生活リズムを整えることは、後述する体内時計を整えることと関係しています。
近年の研究では、体内時計とさまざまな病気との関係が明らかになりました。
体内時計は睡眠のリズムや血圧、ホルモン分泌などの生体リズムを作り出しているので、乱れることでこうした生体リズムも影響を受け、糖尿病やがんなどさまざまな病気を引き起こすリスクになり得ります。
病気までいかなくとも、太りやすくなる、寝覚めが悪くなる、運動のパフォーマンス低下など、日常生活にマイナスな影響を与えることも懸念されています。
病気のリスクを減らすだけでなく、自分らしい生活を送るためにも、体内時計の整え方を学び生活に取り入れていきましょう!

体内時計とは

そもそも、私たちの身体の中の生活リズムはどのように刻まれているのでしょうか。
実は、私たちの生活リズムに大きく関係しているのが体内時計です。
人間には約24時間周期でリズムを刻む「体内時計」が備わっており、外界の24時間周期の昼夜変化に同調して、意識しなくても日中は活動状態に、夜間は休息状態に切り替わります。
例えば、朝になると目が覚め、夜になると眠くなるのは体内時計の働きによるものです。

では体内時計はどこに存在するのか。
体内時計には脳に存在する親時計(中枢時計)と胃や腸、肝臓や皮膚など末梢組織に存在する子時計(末梢時計)の2つがあります。
親時計は約24時間の周期をもちますが、子時計の周期はそれぞれ異なっており、放っておくとバラバラに時を刻んでしまいます。
そのため、親時計が子時計に指令を出し時計の針をそろえる役割を担っています。

ただし、体内時計の周期は24時間15分と、1日よりも若干長い周期となっているため、このままでは毎日15分ずつ遅れ、体内時計と外界の時刻にずれが生じてしまいます。
このずれを生活で調整してあげることが健康を守るために必要なのです。

体内時計を整えるコツ

この体内時計を整えるカギとなるのが、「光」の刺激と「食事」の刺激の2つです。

① 光の刺激

光は体内時計を動かす力が最も強い因子です。特に重要なのが「朝の光」です。
朝の光は体内時計を前に進め、覚醒ホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させます。
体内時計をリセットするためにも、朝に光を浴びましょう。

・ 朝起きたらカーテンを開け、光を浴びる
・ 日中は積極的に光を浴びる
・ 寝室は遮光カーテンや雨戸の使用を極力控える

② 食事による刺激

食事、中でも朝食が体内時計をリセットする効果があります。
朝は必ず食事を摂りましょう。
また、より高いリセット効果を得るには朝食で「炭水化物」と「タンパク質」を摂ることがポイントになります。
炭水化物は、素早く脳のエネルギー源を補給することができ、また血糖値を上げることで体の温度を上げて目覚めさせます。
またタンパク質は、体の温度を上げて体を目覚めさせるほか、夜眠るときに欠かせないホルモンのもとをつくる原料となります。
おすすめの朝食メニューは下記を参考に組み合わせてみてください。

炭水化物:ごはん、パン、玄米フレーク、春雨、そばなど
タンパク質:サケやサバなどの魚、卵、納豆、ヨーグルト、ナッツ類、牛乳など

朝食を摂るのが苦手な方は、納豆ご飯やバナナヨーグルト、ナッツ類などお手軽に食べられるものから挑戦してみてください!
冒頭にもお伝えしたように、体内時計を整えることは健康への第一歩となります。
これを機に光と食事の2つの刺激で体内時計を整えて、心身ともに健康に過ごしましょう。

<参考>
・ 柴田重信「健康に大きくかかわる体内時計」(「へるすあっぷ21」2018年3月(№401)、p8-17)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

藤居まお株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院の消化器外科病棟に看護師として勤務後、不妊治療専門クリニックで体外受精などの生殖補助医療に携わる。看護師としてのキャリアを重ねていくなかで「もっと早く自分の身体、健康に意識してくれていれば」の想いが強まったことから、ドクタートラストに入職。産業保健師としてセミナーや保健指導、産業医導入企業へのフォロー介入など、多方面で活動中。得意分野は「女性の健康」「生活習慣病」「がん(特に消化器系)」など。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】2022年6月施行「改正公益通報者保護法」を専門家がわかりやすく解説!退職者や役員も保護対象になる⁉

一目置かれる健康知識

ページ上部へ戻る