
6月1日から7日は「HIV検査普及週間」です。
近年は医療の進歩によって、HIVは「早期発見・継続治療によってコントロールできる感染症」へと変化しています。
しかし一方で、「感染したらすぐに重症化する」「日常生活で感染する」といった誤解や偏見は、今なお根強く残っています。
正しい知識が広がらないことで、検査や相談をためらう人も少なくありません。
HIV検査普及週間は、検査の大切さだけでなく、HIVについて正しく理解するきっかけとしても設けられています。
まずは「HIVとは何か」を知ることが、自分自身や周囲の人を守る第一歩になります。
日本では近年、新規HIV感染者・エイズ患者報告数は減少傾向もみられる一方で、2024年の新規報告数は994件と2年連続で増加しました。
また、感染に気づかず、エイズを発症して初めて診断されるケースも全体の約3割を占めています。
早期発見によって健康を維持できる時代だからこそ、「症状がないから大丈夫」と考えず、検査につなげることが重要です。
このHIV検査普及週間では、厚生労働省・都道府県などによる普及啓発イベントを実施予定です。
① REBORN RED RIBBON 2026原宿トークライブ
日時:2026年6月2日(火) 17時00分~18時30分
場所:WITH HARAJUKU HALL
概要:タレントや芸人といったエンターテイナーが専門家と一緒に、HIVとイズの最新の正しい知識や検査の重要性を伝えるとともに、幅広い世代の人々に予防啓発のメッセージを発信
② HIV(エイズ)無料即日検査
日時:6月6日(土) 17時00分~18時30分
場所:chotCAST(大阪検査相談・啓発・支援センター)
予約方法:事前予約制(受付期間:6月6日(土)14時59分まで)
URL:https://shinsaibashi.chotcast.com/
このようにHIV検査普及週間では、検査・相談体制に係る情報提供を含む普及啓発を行い、HIV検査の普及・浸透を図る機会としています。
HIVとエイズの違いを知る
HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」のことで、体を病気から守る免疫細胞に影響を与えるウイルスです。
感染してもすぐに症状が出るとは限らず、数年にわたり自覚症状がない場合もあります。
そのため、感染に気づかないまま日常生活を送っているケースもあります。HIVそのものと、「エイズ(AIDS)」は同じ意味ではありません。
エイズは、後天性免疫不全症候群のことを指し、HIVによって免疫力が大きく低下し、さまざまな病気を発症した状態を指します。
つまり、HIVは「免疫を弱めるウイルス」、エイズは「HIV感染によって免疫力が低下し、病気を発症した状態」です。
現在は治療薬の進歩により、早期に治療を始めれば、エイズの発症を防ぎながら生活することが可能です。
また、適切な治療を継続して体内のウイルス量を抑えられれば、性行為による他者への感染を起こさないということも明らかになっています。
これは「U=U(Undetectable=Untransmittable:HIV感染しない)」という考え方として、世界的に広がっています。
感染経路と誤解されやすいポイント
HIVは主に、性的接触、血液感染、母子感染によって感染します。一方で、握手や会話、食事の共有、同じトイレや浴槽の利用など、日常生活で感染することはありません。
しかし、「なんとなく怖い」というイメージだけが先行すると、感染者や患者への差別や偏見につながってしまいます。
HIVに関する正しい知識は、感染予防だけでなく、人権を守るうえでも重要です。
また、感染の有無は見た目ではわからず、「特別な人が感染する病気」でもありません。
誰にとっても関係のある健康課題として捉える必要があります。
だからこそ、不安を感じたときには一人で抱え込まず、検査を受けることが大切です。
今は、自治体や保健所で無料・匿名で検査を受けられる体制が整っています。
公益財団法人エイズ予防財団運営「HIV検査情報サーチ」では、お住まいの地域に合わせた検査が可能な施設、相談窓口などを土日、夜間、即日といった希望される内容によって調べることができます。
検査を受けるという選択
近年はHIVだけでなく、梅毒をはじめとした性感染症の感染者数増加も社会的な課題となっています。
性感染症は、自覚症状がないまま進行するケースも少なくなく、知らないうちに周囲へ感染を広げてしまう可能性もあります。
保健所では、HIVとあわせて梅毒などの性感染症検査を実施している場合もあります。
もしもの時のために、「検査を受ける」「相談窓口を知っておく」といった選択肢を準備しておくことが大切です。
早期に感染へ気づくことは、自分自身を守るだけでなく、周囲の人を守ることにもつながります。
また、企業においては、社内にポスターを掲示したり、イントラネットで相談窓口や検査機関の情報を紹介したりすることが、従業員が正しい知識や必要な情報を得るきっかけになります。
さらに、性感染症やHIVに関する偏見や誤解をなくし、安心して相談できる職場環境を整えることも重要です。
HIV検査普及週間をきっかけに、性感染症について正しい知識を持ち、必要なときに検査を受ける・相談をするという意識を社会全体で共有していくことが、理解を深める一歩になるのではないでしょうか。
<参考>
・ API-Netエイズ予防情報ネット「令和7年度『HIV検査普及週間』特設ページ」
・ API-Netエイズ予防情報ネット「HIV検査情報サーチ」
・ 厚生労働省「性感染症検査相談マップ」
・ 厚生労働省「HIVとエイズ」






















