気圧変化が社員のコンディションを左右する?企業にできる対策とは
- 2026/9/24
- 食事

春や秋は過ごしやすい季節である一方、気圧の変化が大きく、社員の体調不良が増えやすい時期でもあります。
「頭が痛い、重い」「集中できない」「だるさが抜けない」など、風邪や病気とは言い切れないような、なんとなく感じる不調が増えるのもこの季節の特徴です。
近年ではこうした状態を気象病と呼ぶこともあります。
正式な病名ではありませんが、気圧や気温の変化が自律神経に影響し、以下の症状を引き起こすことが注目されています。
・ 頭痛
・ めまい
・ 倦怠感
・ 気分の落ち込みなど
こうした不調は休むほどではないものの、仕事のパフォーマンスが低下するプレゼンティーズム(出勤はしているが本調子で働けない状態)を引き起こしやすく、企業にとっても見過ごせない健康課題です。
では、企業は気象変化による社員の不調にどのように向き合うべきなのでしょうか。
社員の不調を正しく理解しましょう
まずは、こうした不調が特定の社員だけの問題ではなく、誰にでも起こりうる環境要因による体調変化であることを、組織として正しく理解することが重要です。
気象病は外から見えにくいため、誤解が生まれやすい特徴があります。
以下のように過小評価・過大評価のどちらにも転びやすいのが気象病の難しさです。
・ だるいと言っているけど、怠けているのでは
・ 元気がないからメンタル不調かもしれない
そのため、人事担当者や上司は、気象病を正しく理解し、安易に決めつけない姿勢が求められます。
判断に迷う場合は、以下を丁寧に確認し、必要に応じて産業医や保健師と連携しながら、慎重に状況を見極めることが大切です。
・ 直近の勤務状況
・ 業務量の変化
・ 睡眠不足や生活リズムの乱れの有無
・ 本人の訴え
また、普段から社員と気軽に体調の話ができる関係性をつくっておくことも効果的です。
「今日は気圧が下がっているみたいだけど、調子どう?」といった軽い声かけができるだけで、社員は不調を伝えやすくなり、早めのフォローにつながります。
実際、「産業保健新聞」運営元のドクタートラストでも、休憩中の雑談で「最近雨が多いから気圧の変化を感じますよね。皆さんは体調どうですか?」と話題にすると、意外と多くの社員が「実は頭痛が……」「だるさが続いていて……」と不調を感じていることがわかります。
気象病は言われてみれば自分もそうかもしれないと気づく人が多いテーマなのです。
社員がセルフケアしやすい環境を整えましょう
気象病は、気圧や気温の変化といった環境要因によって起こるため、完全に防ぐことはできません。
しかし、社員が自分の体調を整えやすい環境をつくることは、企業として十分に可能です。
まず重要なのは、社員が「今日は気圧が下がるから無理をしないようにしよう」「頭痛が出やすいから早めに休憩を取ろう」といった、セルフケアをしやすい状態をつくることです。
そのために企業ができる取り組みとして、以下のようなものがあります。
・ 気圧変化が大きい日の注意喚起(イントラ・チャットツールなど)
・ 1〜2分でできるストレッチや深呼吸法の紹介、実施
会社でラジオ体操を取り入れている職場は多くありますが、気圧の変化が大きい日は、ラジオ体操に加えて、ゆっくり呼吸をしながら行うストレッチを取り入れるのもおすすめです。
心身をリラックスさせ、気分転換にもつながります。
・ 睡眠・食事・運動など、自律神経を整える生活習慣の情報提供
・ 気圧予報アプリの活用紹介
・ 体調に応じた在宅勤務や時差出勤の柔軟な運用
こうした取り組みは、特別なコストをかけずに始められます。
また、気象病は気づきにくい不調であるため、情報提供そのものが予防や悪化防止として非常に効果的です。
管理栄養士が解説する気圧変化の時期におすすめの食事
気象病は気圧の変化によって自律神経が乱れやすくなるため、日々の食事が体調の安定にも影響します。
ここからは、管理栄養士の視点で気圧変化の時期におすすめの食事のポイントを簡潔に解説します。
ぜひ、この内容をそのまま社内で周知し、社員の皆さまの体調管理にお役立てください。
ポイント➀バランスの良い食事を意識する
菓子パンや丼もの、麺類だけといった糖質量が多い食事、糖質に偏った食事は、血糖値が急激に変動し、食後のだるさや強い眠気につながることがあります。
気圧の変化による不調に加えて食後のだるさを招かないためにも、主食・主菜・副菜を組み合わせたバランスの良い食事を心がけましょう。
ポイント②トリプトファンを含む食品を取り入れる
トリプトファンは、心身のリズムに関わるセロトニンの材料となる必須アミノ酸で、魚類や脂身の少ない肉類、大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など)、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれています。
また、バナナにもトリプトファンが含まれており、手軽に取り入れやすい食品の一つです。
特定の食品だけで気圧の変化による不調を予防・改善できることは明らかになっていませんが、これらの食品を取り入れたバランスの良い食事は、健康維持に役立ちます。
ポイント③こまめな水分補給を心がける
そして、夏の暑さは落ち着いてきますが、水分補給も忘れずに行いましょう。
水分不足は頭痛やだるさの原因となることがあります。
気圧の変化による不調に加えて、水分不足による体調不良を招かないためにも、こまめな水分補給を心がけましょう。
気圧の変化による不調は誰にでも起こりうるものですが、日々の食事を少し工夫するだけでも体調の安定につながります。
今回ご紹介したポイントは、どれも今日から取り入れられると思います。ぜひイントラ等で周知し、社員の皆さまの体調管理にお役立てください。
<参考>
・ 経済産業省「健康経営オフィスレポート」
・ 一般財団法人日本気象協会「気圧の変化による『気象病』とは?気象病チェックリストや症状が出た時の対策と予防法をご紹介」
・ 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「セロトニン」
・ 厚生労働省 健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~「ストレッチングの効果」



















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