家族や友人がうつ病かも?あなたにできること、控えてほしいことをご紹介します

うつ病とは

うつ病とは簡単に言うと、「脳のエネルギーが欠乏した状態」と表すことができます。
はっきりとした原因は現在でも不明ですが、エネルギーの欠乏により、脳というシステム全体のトラブルが生じている状態と考えられます。

日本では約15人に1人が、一生のうちに一度はかかる病気といわれています。
今回は、そんな身近な病気であるうつ病に家族や友人がかかっているかもしれないと思ったときに、あなたにできることや控えてほしいことをまとめてみました。

うつ病の症状

症状は人それぞれであり、程度も様々です。ここでは症状の一例をご紹介します。

・食欲がない
・眠れない
・一日中気分が落ち込んでいる
・何をしても楽しめない

このような症状がみられますが、周囲の人はなかなか気づくのが難しかったりします。

「あの人最近元気がないな……」と思ったとき、あなたにまずしてほしいこと

観察する

家族や友人を「もしかしてうつ病かも?」と思ったとき、以下のポイントを踏まえて本人の状態をよく観察してみてください。

・遅刻や欠勤が増えた
・会社に行きたがらない
・口数が減る、「自分はダメな人間だ」など否定的な発言が増える
・新聞やテレビを見なくなった。人との接触を避けるようになった
・趣味に興味を示さなくなった

「職場や家族に心配をかけたくない」という思いから、一人で辛い気持ちを抱え込んでしまうという方もいます

そこで、日頃から接する機会の多い家族や友人の気付きがとても重要になります

話を聴く

本人の話にじっくりと耳を傾けてみてください。無理に話をさせるのではなく、「話したくなったら話してね」という一言を添えると良いですね。

相談先を見つける

家族や友人のサポートはとても重要ですが、その他にも力になってくれそうな相談先を見つけておくのも良いですね。

ご本人だけでなく、家族からの相談を受け付けている相談窓口もあるので、自分だけで抱え込まずに専門家の力も頼ってみてくださいね。病院を受診することになった際は、病院に付き添うことも良いですね。家族からの客観的な情報が治療に役立つこともあります。

※相談窓口の一例
・総合労働相談コーナー(自治体により連絡先が異なります)
・こころの耳相談窓口 TEL:0120-565-455
月曜日・火曜日17:00~22:00/土曜日・日曜日10:00~16:00

あなたに控えてほしいこと

話を遮る、否定する

先ほど、「本人の話を聴いてください」と書きましたが、話を聴く中で気を付けたいポイントは「話を遮る、否定する」ということです。

話を聴いていると、「こうすればいいよ」とついついアドバイスをしたくなりますが、そこはぐっとこらえてください。まずは最後まで本人の話に耳を傾けましょう。
話の中で、「私はダメな人間だ」などの発言があった場合はどうすれば良いでしょうか。

励まそうと思って、「そんなことないよ!」と発言したくなるのではないでしょうか。
話をする中で「そんなことないよ」と何度も言われると、本人は「否定されてしまった」と受け止め、心が離れてしまいます。
「そんなことないよ」という気持ちは胸の内に留めて、「そう思うくらい辛いんだね」と本人の気持ちを一度受け止めると、安心して話せる雰囲気を作ることができますよ。

無理やり外に連れ出す

「元気になって欲しい」という気持ちから、ドライブや外食、買い物など外に連れ出そうとする家族や友人の方が多いのではないでしょうか。

その気持ちは大変分かるのですが、本人は心と身体がへとへとに疲れているのでまずはゆっくりと休ませてあげてくださいね。
「一日寝てばっかりいるけど大丈夫なのか?」と不安になるかもしれませんが、体力を回復させるために睡眠はかかせませんので、そばで見守ってくださいね。

長くなりましたが、家族や友人が「これをしてあげよう」「あれをしてあげよう」と意気込みすぎるとお互いに疲弊してしまいます。

一人で抱え込まずに周囲のサポートを得ながら、静かにそっと寄り添う姿勢を心がけてみてくださいね。

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山本 千奈美株式会社ドクタートラスト 精神保健福祉士

投稿者プロフィール

精神保健福祉士の資格取得後は医療・行政・教育機関で対人援助業務を行っていました。
障害やさまざまな不調を抱える方々、そうでない方々も誰もがいきいきと「その人らしく」生活できる社会づくりを目指しています。読んだあとに少しでも「ほっ」と安心できるような情報を発信します。
【保有資格】精神保健福祉士、キャリアコンサルタント
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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