社会人の永遠のテーマ?“嫌な上司”の対処法5選
- 2023/8/31
- コミュニケーション
本題に入る前に、一つ注意していただきたいことがあります。
嫌いな上司に対して「こうなってほしい」「ああしてほしい」と期待し、あれこれ行動することは控えたほうがベターです。
他人を変えようとあれこれしても結局何も変わらず、自分だけが疲弊してしまうことが少なくありません。
他人を変えるのは本当に難しいことです。
ここでは、苦手な上司を変えるのではなく、自分でできる具体的な対処について説明していきますね。
対処法①近づかない
まずは物理的な距離を取りましょう。
近くの席に座らない、休憩時間をずらす、質問は他の人にするなど、できる範囲でなるべく上司が視界に入らないようにしましょう。
とはいえ、なかなか物理的な距離を取ることが難しい人もいると思われますので、次は心理的な距離の取り方をお伝えしていきますね。
対処法②状況を客観的に見つめる
今、おそらくあなたのなかで上司の存在がとても大きなものになっているのではないでしょうか。
社内では威張っている上司ですが、一歩外に出れば「ただの人」です。
「他の人を攻撃しないと自分を保てないのかな。かわいそうな人だな」という風に見ると良いでしょう。
今置かれている状況を客観的に見つめることで、上司のちっぽけな存在に気付くことができます。
対処法③スルー言葉で適当に受け流す
「スルー言葉」というと、「へー」「それで?」といった言葉がありますが、上司にこのような言葉は使えないですよね。
上司向けの言葉だと、「わかりました。検討させていただきます」「(笑顔で)それはよかったですね」といったものがあげられます。
丁寧さのなかにほんの少しだけ「私は関心がない」という非言語的なメッセージがこもっています。
また、「すごいですね」「さすがですね」と返すのも効果的です。
上司は満足感を得るでしょうし、あなたは大人の対応をした自分を心の中で褒めてあげることができるのではないでしょうか。
対処法④期間限定思考をもつ
ただやみくもにマラソンをするのと、ゴールがあるマラソンをするのでは、どちらが苦しいでしょうか。
おそらくほとんどの方が、後者を選ぶのではないでしょうか。
人間関係においても、同じようなことが言えます。
この先ずっと上司と一緒に仕事をすると思うと、気が滅入ってしまいますよね。
そこで、自分の中で期間を設けることをおすすめします。
「ひとまずあと3か月は仕事を続けるけど、状況が改善しないなら転職しよう」といったものですね。不思議なもので、「期間限定のお付き合い」となると、心に余裕が生まれてきます。
仕事の愚痴ばかりこぼしていた人が、退職が決まるとすっきりとした表情になり、愚痴を言わなくなる場面を、皆さん一度は見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。
対処法⑤相談する
つらい状況を一人でガマンせずに、周囲に相談してみてください。
信頼できる上司や人事、先輩や同僚、家族や友人などを頼ってみましょう。
また、産業医や社内外の相談窓口の利用もおすすめです。
体調不良が続いている場合は病院を受診するようにしてくださいね。
最後に
普段、私は相談員として、働き世代の方々からの悩みを聞く仕事をしています。
「たった一人の上司のことで仕事から逃げたい、辞めたい思う私は、社会人として甘いですよね……」と話してくださる方がいらっしゃいますが、逃げることは甘えではなく、自分を守るための立派な術だと個人的には考えています。
ただ、そうはいっても負い目や疑問などを感じてしまうのも無理はないと思います。
そこで、今回お伝えした5つの対処法を試してから「逃げる」という選択肢をとるのも良いのではないでしょうか。
ご自分の心と身体を一番大事にしてお過ごしくださいね。
<参考>
■樺沢 紫苑『精神科医が教える ストレスフリー超大全 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』(2020年7月2日、ダイヤモンド社)
■井上 智介『1万人超を救ったメンタル産業医の 職場の「しんどい」がスーッと消え去る大全』(2019年8月7日、大和出版)