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- コミュニケーションと「食事」
新型コロナウイルス感染症の影響で、誰かと一緒に楽しく食事をする機会が少なくなりましたね。
私も、家で食事をするとき家族がいる部屋とは別の部屋で食べ、友人との食事や会社の人との食事、飲み会の機会もかなり減ってしまいました。
そこで今回は、食事とコミュニケーションの関係をわかりやすく解説します。
ひとりでの食事と誰かとする食事の違い
1人で食事をしているとき、改めて誰かと食事をすることは「楽しい」ことであり、誰かと一緒に食べることはコミュニケーションに大きく役立っていたと感じました。
農林水産省が、新型コロナウイルス流行前の平成30年に行った「食育に関する意識調査報告書」で家族と食事をすることの良い点を調査したところ
・ 家族とのコミュニケーションを図ることができる
・ 楽しく食べることができる
という回答が多く、食事はコミュニケーションのツールとして重要な役割を担っていたことがわかります。
また、誰かと食事を共にする「供食」の頻度が多い人は、心の健康状態が高いことや野菜や果物といった健康的な食品の摂取が多く、インスタント食品やファーストフード・清涼飲料水の摂取が少ないことも報告されています。
つまり、「食事のバランス」が良いんです。
確かに、私の友人もひとりでご飯を食べるときは「何でもいいや」となったり、食べないこともあるものの、友人や家族と食事をするときは、「野菜を意識して食べたりしている、美味しいものを食べようと思う」と言っていたことを思い出しました。
孤食とメンタルヘルスの関係
20~60代の成人を対象に、「朝食又は夕食を家族と一緒に食べる共食回数」を算出し、「週10回未満」の人と「週10回以上」の人を比較した結果、特に20代の女性で共食の回数が多いほど有意にストレスが少ないという結果がでました。
20~30歳代女性
【ストレスあり】
週10回未満:78.9% 週10回以上:51.9%
【ストレスなし】
週10回未満:21.1% 週10回以上:48.1%
また、65歳以上の高齢者のうち孤食だと2.7倍うつ病を発症しやすいという研究結果もあり、孤食とメンタルヘルスには関係があることも分かります。
会社として対策できること
会社としても、歓迎会や新年会などが行えず、どうコミュニケーションを増やしていくか試行錯誤しているかと思います。
新入社員や中途社員の方とコミュニケーションをとる頻度、コミュニケーションの場である「食事」の機会を会社側から提供するのはいかがでしょうか?
とはいえ、もちろん感染症対策を行う必要があり、対面で大勢でという事は難しいと思います。
しかし、工夫次第で行うことが可能です。たとえば、
・ リモートでランチ会をする
・ 人数制限(2〜3人まで)をして食事をする機会を促進するために何かしらの補助を準備する
などはどうでしょうか?
弊社でも、社内のコミュニケーション活性化のため、会社から500円分の食事補助券を配布し、今まであまり話をしたことがない人をランチに誘うという試みを行いました。
話をする機会を会社から与えられたことで、実際に私も話す機会が少なかった他部署の人とご飯に行くことができました。
また、仕事中ではなく食事をしながらというリラックスした雰囲気だと、プライベートの話などもしやすく、より相手のことを理解できるという利点があるなと感じました。
社内のコミュニケーションが活性化するためにも「食事」の時間を活用することをぜひ検討していただきたいと思います。
管理栄養士として、食事を楽しむ重要性をさまざまなかたちで伝えていけたらと思います。