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- 【コミュニケーションの落とし穴!】頑張って話を膨らませようとしていませんか?
「人との話がなかなかはずまない」とコミュニケーションに苦手意識をお持ちの方に多いのが「なんとか話を続けなければ……」という思いです。
しかし、話(コミュニケーション)をはずませるうえでは、この思いこそが相手と話が続かない原因となっている場合が多くあります。
相手と話を続けるためには何が必要なのか
筆者の前回記事(上記)にて
「コミュニケーションはキャッチボールに似ていて、ボールを受け取る(話を聴く)側はボールを投げる(話をする)側がどのようにボールを飛ばしてくるかを考えて、しっかりとボールを受け取ることが大切」
とお伝えさせていただきました。
しかし、「なんとかして会話を膨らませないと…」という思いは、次の話題を考えるあまり、相手が話の中で大切にしたいこと、伝えたいことを見逃してしまうことへとつながるリスクがあります。
そうはいっても、常に話をふることができる状態にしておかなければすぐに会話が途切れてしまうのではないか、と考える方も少なくないかと思います。
では、実際にどうなのかここで例をみていきましょう。
休み明けに、同僚が「週末はジムへ行って運動をしてきた」と話しかけてきました。
ここで、
① そうなんだ。私は運動が苦手だし、疲れている時はなおさらゆっくり過ごして体力を回復することだけで精一杯だよ。週末のジムはやっぱり混んでるの?
と同僚がふってきた話題に、話を膨らませようとさらに話題をつけて返しました。
また、別の人は
② それは良かったね。運動するのはいいよね。
と話題を新たにつけることはせず相手へ返しました。
どちらのほうが会話が続きやすいと思いますか?
冒頭でもお話しさせていただきましたが、はずみやすいのは②になります。
下記では、なぜ①よりも②の方がはずみやすいのかをお伝えします。
人が誰かに話しかけるときに心の根底にあるものは
前回の記事にて、コミュニケーションは「相手の心の中にある気持ちや考えを察するため・自分の気持ちや考えを伝えるため」にするものであるとお伝えさせていただきました。
つまり、人が誰かに話したいと思うときには、意識をしている・していないに関わらず「誰もが自分の気持ちをわかってほしい」と感じているのです。
そして、「気持ちをわかってほしい」という部分こそが会話をはずませるためのポイントなのです。
では、今回あげさせていただいた例を見てみましょう。
①では、相手が何を伝えたいのかという部分を感じ取る前に、自分から話題をふってしまっています。
相手が伝えたいことと自身がふった話題が合致していれば話ははずんでいくのですが、合致していない場合、話し相手は「私が話したいのはそのことではない。(この人は私が話したいことを分かってくれない)」という気持ちになり、会話がはずまないまま終わってしまうことにつながります。
続いて②はどうでしょうか。
相手に合わせて自分の気持ちは伝えていますが、新たな話題はふらず、話は相手次第でどちらの方向にも向かっていくことができる状態になっています。
そのため、相手は「この人は私の話を聴いてくれるんだな」という気持ちになるため、話がはずみやすい状況につながっていきます。
話をはずませるのに大切なことは
ここまでお話ししてきたように、話をはずませるためには、まず「相手が何を話したいのか感じ取る」ことがとても重要です。
なので、焦って何か話題をふろうとするよりも、相手の気持ちをまず感じ取ることに注意していきましょう。
そして、まずは相手の気持ちがプラスの方向へ向いている状況で話しかけられているなと思ったら、「よかったですね」や「幸せそうですね」などのプラスの感情を返し、相手の気持ちがマイナスの方向へ向いているなと感じたら「大変ですね」「辛いですね」などマイナスの感情を返すようすると、話をはずませるための大切なきっかけになりますよ。