勤務時間外の連絡、6割以上が「対応したくない」|つながらない権利をめぐる個人と企業の意識差

株式会社マイナビは、2025年に転職した20〜50代の正社員と、2025年に中途採用業務を担当した人事担当者を対象に、「“つながらない権利”をめぐる個人の本音と企業の実態調査」の結果を発表しました。
つながらない権利とは、労働者が勤務時間外(休日や深夜など)に、仕事のメール・電話・チャットなどの業務連絡に対応しなくてもよいと選択できる権利です。
現代では、スマートフォンの普及によって、いつでも手軽に連絡が取れるようになりました。
その一方で、仕事と私生活の境目があいまいになっているのも事実です。
本記事では、時間外連絡がどのくらい行われているのか、働く人はどう感じているのか、企業はどこまでルールを整えているのかについて、調査結果をもとに見ていきます。

勤務時間外連絡の実態

調査によると、「社内の人から勤務時間外に業務連絡を受けている」と回答した正社員は約7割にのぼりました。
部長職は「連絡がある」と回答した割合が最も高い結果になりました。役職が上がるにつれ、連絡の数は増加していることがわかります。

また、時間外に自分から連絡をしている人の調査結果を見てみると、全体で69.6%と、送る側・受ける側のどちらも約7割の人が時間外のやり取りをしていることがわかります。
こちらも役職別に見てみると「時間外に連絡をする」と回答した部長職は91.7%と最も多く、非管理職との差は36.9%ありました。

時間外の連絡は、迅速な対応ができるというメリットはあるものの、常に仕事とつながっている状態が続けば、心身への負担につながる可能性もあります。
通知がすぐ届く環境だからこそ、無意識のうちに対応してしまうケースも少なくないと考えられます。

個人と企業の意識差

個人の本音を見ると、勤務時間外の連絡について、全体で6割以上が「対応したくない・できれば対応したくない」と感じていることがわかりました。
特に若い世代ほど対応したくないという傾向が強く、20代が最も「連絡を拒否したい」という結果になりました。
勤務時間外連絡について率直な気持ちを聞いたところ、「休んでいる時間も通知が気になって十分に休めない」といった意見がある一方、「外資系企業なので、時差がある分時間外に連絡が来るのは当たり前」という仕事内容によってはやむを得ないと受け止めている人や「問題は先延ばしすべきではない」といった時間外の連絡を容認している意見も見られました。
現状、立場や役割によって意見が異なる部分も出てきており、こうした認識のずれが、小さなストレスを生む要因になっている可能性があります。

つながらない権利を守る企業の対策

企業の中途採用担当者に、自社でどのぐらい勤務時間外連絡が発生しているのかを聞いてみると、68.4%が時間外連絡の発生を把握していました。

時間外連絡を認識しているのであれば、対応方針を明確にしておくことも重要です。
厚生労働省でも「つながらない権利」に関する議論が進められており、企業においてもルールの整備が求められています。
しかし現状では、ガイドラインを策定していない企業も少なくありません。
ガイドラインがなければ、対応は個人の判断になってしまい、その結果、断りづらさや遠慮が積み重なり、負担を感じる人が増えてしまう可能性があります。

一例として、以下の対策が考えられます。

・ 〇時以降の連絡は送信を控える
・ 休日や休暇中は原則連絡しない
・ 業務連絡は勤務時間内に限定する

自社の勤務実態に合わせた具体的なルールを策定してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回の調査から、勤務時間外連絡は多くの職場で当たり前のように行われている一方で、実際は負担に感じている人が多いことがわかりました。
また、企業のガイドライン策定はまだ十分とはいえない状況です。

これからの働き方を考えるうえで、「つながらない権利」を明確にすることは重要です。
まだルールを設定していない企業は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
緊急時の定義や返信のタイミングなどをあらかじめ定めておくだけでも、従業員の安心感は大きく変わります。
すべての時間外連絡を一律に禁止することは現実的ではないかもしれません。しかし、ガイドラインに基づいた返信ルールを明確にしておくだけでも、従業員の負担は軽減されるでしょう。

<参考>
マイナビキャリアリサーチLab「つながらない権利をめぐる個人の本音と企業の実態調査」

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牧原 花林株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は残業がかなり多く、長時間労働で帰宅する日々を送っていました。こうした労働環境下で体調を崩すことも多く、健康を考えるようになり、2023年にドクタートラストに入社。
自分自身の経験を活かしつつ、健康について発信していきます。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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