
2025年11月18日、東京都は都内在住の男女5,000名を対象に実施した「令和7年度 男性の家事・育児実態調査」(以下、本調査)の結果を公表しました。
これは、都内の子育て世代を対象に、未就学児の子を持つ夫婦等の家事・育児分担に関する実態や男性の家事・育児状況について調査したものです。
男性の育児参加の広がりは、家庭だけでなく、職場や社会全体にどのような変化をもたらすのか、また育業中に企業として何ができるかを見ていきましょう。
男性の育業は「増えている」そして「またやりたい経験」に
本調査の結果では、0歳児のパパにおける育業取得率は65%と、男性の育業は年々増加傾向です。
そのうち、1か月以上の育業を取得した人は33%となっており、取得期間も長くなっていることがわかりました。
また、「希望通り、希望通り以上に育業できた理由」として、「職場が育業しやすい・言い出しやすい雰囲気だった」が最も多い結果となっています。
職場の雰囲気や上司の理解に加えて、男性自身の意識の変化も育業を後押ししています。
育業を実際に経験した男性の多くが育業期間を前向きに捉えており、本調査によると「次の機会があればまた育業をしたい」(51.0%)「育児の楽しさや大変さを知れた」(48.3%)といったポジティブな回答が多い結果になりました。
育業が単なる休みではなく、自分にとって意味のある経験だったと感じている様子が伝わります。
本調査では、男女ともに男性が家事や育児に関わることが当たり前になりつつあることを示すエピソードも紹介されています。
「管理職であっても子供のお迎えや行事で休む」「パパが一人で子供を抱っこしていたりベビーカーを押したりしている」などのエピソードから、子育ては女性一人でやるものではなく、二人で協力して楽しむものという考え方が広がっていることがわかります。
実際に利用した人がポジティブな印象を持っているという事実は、これから育業を考える人の背中を押す力になるでしょう。
男性の育業が特別ではなく、自然な選択として広がっていくことが期待されます。
「睡眠不足」と企業にできること
一方で、調査から男女共通の悩みとして「睡眠不足」が最も多い結果となっています。
育業中や育児期は、夜間の対応や生活リズムの変化によって、どうしても睡眠時間が削られがちです。
これは男性・女性を問わず多くの人が感じている深刻な問題です。
厚生労働省の資料によると、成人の適切な睡眠時間は「6〜8時間」とされています。
睡眠不足が続くと、集中力の低下や体調不良につながり、仕事のパフォーマンスにも影響が出てきます。
だからこそ、企業側の関わり方が重要になります。
・始業時間を柔軟に設定する
・在宅勤務や時差出勤を活用
・育児期は一時的に業務量を調整する
企業のこうした施策によって働き方の工夫が可能になれば、従業員も睡眠時間を確保しやすくなるでしょう。
また、「育児期は睡眠が不足しやすい」という前提を、上司や人事が理解しているだけでも社員は相談しやすくなります。
制度の有無だけでなく、「在宅勤務を使っていい」「働き方について相談してもいい」という空気づくりも、安心して働き続けるための大切な要素です。
育業を取りやすい制度づくりに加え、上司の声かけや職場の理解といった環境面を整えることで、睡眠不足をはじめとした育児期の課題解消が期待できます。
企業側が育業と健康の両面を意識した取り組みを進めることが、社員の安心感や働きやすさにつながっていくでしょう。
育業を支える視点は「意欲」と「健康」
本調査から、男性の育業が広がっているだけでなく、前向きな意見がたくさん出てきている様子が見えてきました。
その一方で、睡眠不足という男女共通の課題も明らかになっています。
企業としてまずできるのは、業務と育児を両立していくための無理なく働き続けられる環境を整えることです。
男性の育業を特別扱いするのではなく、誰もがライフイベントと仕事のバランスを保てる働き方を考えることが重要です。
育業について柔軟に考えることが、これからの働きやすい職場づくりの鍵になるのではないでしょうか。
<参考>
東京都 生活文化局「令和7年度 男性の家事・育児実態調査結果」
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」



















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