7月は強化月間!職場における熱中症による死傷災害の発生状況~クールワークキャンペーン実施中です~

夏になると心配なのが熱中症です。
職場で発生した熱中症で毎年およそ20人が亡くなっており、およそ600人が4日以上仕事を休んでいます。
2023年5月29日に厚生労働省が発表した「令和4年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」」よると、熱中症の発生状況は、死亡を含む休業4日以上の死傷者は827人(前年比47%増)、そのうち死亡者は 30人(前年比50%増)でした。
今回は、「令和4年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」」をもとに、どのようなシチュエーションで熱中症が発生しているのかご紹介します。

時間帯や年齢別などの熱中症による死傷者数

以下では、月別、時間帯別、業種別、時間帯別に熱中症の死傷者数をみていきます

まず、月別の死傷者数です(()内は死亡者数、以下同じ)。

毎月の死傷者数5月6月7月8月9月10月
2022年16(0)184(10)291(9)280(10)46(1)10(0)

次に、時間帯別の死傷者数です。

時間帯別9時台前10時台11時台12時台13時台14時台15時台16時台17時台18時台
2022年100(1)78(3)87(1)53(3)74(2)115(3)106(6)92(2)55(5)67(4)

5月にくらべ6月は急激に死傷者数が増加、さらに7月には6月よりも死傷者数が100人増加しています。
時間帯別では、一日の中で最も暑いといわれている14時台が多く発生していました。

さらに、業種別の死傷者数です。

業種建設業製造業運送業警備業商業清掃・畜業農業林業その他
2022年179(14)145(2)129(1)91(6)82(2)58(2)21(2)6(0)116(1)

最後、年齢別の死傷者数です。

年齢別19歳以下20代30代40代50代60~64歳65歳以上
2022年10(0)111(3)131(4)175(6)187(7)87(3)126(7)

業種別にみると死傷者数は、建設業が一番多く、死亡者数は、建設業14人、警備業6人で多く発生しています。やはり屋外で仕事をしている方に発生しているのがわかりますね。
年齢別だと、死傷者の約半分が50代以上でした。

実際に起きた死亡災害事例

2022年の熱中症による死亡災害は30件ありましたが、すべて男性です。

●道路建設工事業/50代

被災者は8時頃から歩道脇に防草コンクリートブロックの設置作業を開始し、10時前に休憩した後、10時頃めまいの症状を訴え、事務所で休んでいたところ、容態が悪化し、10時40分頃意識不明となり、緊急搬送されたたが、搬送先の病院で死亡した。

●クリーニング業/40代

被災者は8時30分から派遣先のクリーニング工場において、寝具の仕分け作業に従事していた。
17時頃被災者の意識が朦朧となり、その場でひざまずいたため緊急搬送されたが、搬送先の病院で死亡した。

●その他の建築工事業/60代

被災者は9時頃から個人住宅の外構工事においてコンクリート打設作業終了を行った。
12時30分頃片付け業務を行っていたが、様子が変だったため、昼休憩と合わせて休むよう指示された。14時20分頃まで休憩している姿が確認されたものの、数分目を離したら被災者が意識を失っており、緊急搬送された病院で死亡した。

熱中症による死傷者をださないために

熱中症による死傷災害が増えていることから厚生労働省は「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施しており、7月は重点取り組み期間になっています。

7月の重点取組期間にすべきこと
 暑さ指数の低減効果を再確認し、必要に応じ対策を追加
 暑さ指数に応じた作業の中断等を徹底
 水分、塩分を積極的に取らせ、その確認を徹底
 作業開始前の健康状態の確認を徹底、巡視頻度を増加
 熱中症のリスクが高まっていることを含め教育を実施
 体調不良の者に異常を認めたときは、躊躇することなく救急隊を要請

厚生労働省では、熱中症対策として企業がどのようなことを行っているか紹介するウェブページを公開しています。
参考にしてください。

厚生労働省「熱中症対策事例紹介 企業別取組事例(令和3年度)」

熱中症は誰にでも起こる可能性があります。
職場でできること、個人で出来ること、従業員同士で協力してできることを実践していきましょう。

<参考>
厚生労働省「令和4年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確定値)を公表します」

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牧原 花林株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は残業がかなり多く、長時間労働で帰宅する日々を送っていました。こうした労働環境下で体調を崩すことも多く、健康を考えるようになり、2023年にドクタートラストに入社。
自分自身の経験を活かしつつ、健康について発信していきます。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

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