「オールA判定」でも安心できない?20代〜50代の健康診断で本当に見るべき“昨年の数字との差”

「A判定だから大丈夫」と結果をしまい込んでいませんか?

健康診断の結果を見て、「今年もA判定。問題なし」と、そのまま結果をしまい込んでいませんか?
もちろん、基準値範囲内であることは大切です。
しかし、健康診断で本当に注目したいのは、今年の数字だけではありません。
「昨年とくらべて、どう変わったか」も確認してみましょう。
たとえば、昨年の血圧が120/75mmHg、今年が128/82mmHgだったとします。
この変化だけで病気と判断することはできませんが、「前年より上がった」という事実には目を向ける価値があります。
体重も同じです。1年間で1〜2kg増えただけなら気にしない人も多いでしょう。
しかし、それが数年続いているならどうでしょうか? 体重、血圧、血糖、コレステロールなどが少しずつ同じ方向へ変化している場合、生活習慣を見直すきっかけになります。
厚生労働省の資料でも、健康診断の結果は単年の判定だけでなく、経年的な変化を見ることが重要とされています。
つまり、「異常がない」と「去年から何も変わっていない」は、同じ意味ではないのです。

前年とくらべたいのは「体重・血圧・血糖・脂質・肝機能」

では、健康診断のどこを見ればよいのでしょうか?
まず確認したいのが、体重、BMI、腹囲です。
昨年より体重が増えていませんか?
腹囲も少しずつ大きくなっていないでしょうか?
もし増えているなら、「まだ基準値内だから大丈夫」で終わらせず、原因を考えてみましょう。
運動量が減った、外食が増えた、夜食を食べるようになった、飲酒量が増えたなど、思い当たる変化はありませんか?
次に確認したいのが血圧です。
血圧は日によって変動するため、1回の結果だけで判断することはできません。
それでも、前年より高い状態が続いているなら、食事や運動、睡眠などを振り返る材料になります。
血糖関連の数値もチェックしましょう。
空腹時血糖やHbA1cが基準値範囲内でも、前年より上昇していないでしょうか?
数値が少し上がっただけで糖尿病とはいえませんが、体重増加や運動不足が重なっているなら、今のうちから生活習慣を見直す意味があります。
さらに、LDLコレステロールや中性脂肪(TG)などの脂質、AST・ALT・γ-GTなどの肝機能も前年と比較してみましょう。
大切なのは「去年より高い=病気」と決めつけないことです。
反対に「A判定だから何も気にしなくていい」と考える必要もありません。
結果表を前年のものと並べ、「上がった」「下がった」「ほぼ変わらない」と確認するだけでも、自分の変化が見えてきます。

20代〜50代は「異常」と「変化」をチェック

20代なら、「まだ若いから大丈夫」と思っていませんか?
若いうちから健康診断の数字を記録しておけば、自分の体の変化に早く気づけます。
30代では、仕事や家庭の変化で運動不足になったり、外食や飲酒の機会が増えたりすることがあります。
「生活は変わっていないつもりなのに、体重が増えている」という場合も、過去の結果とくらべると変化に気づきやすくなります。
40代では、生活習慣病をより意識したい時期です。
特定健康診査は40〜74歳を対象に、腹囲や血圧、血糖、脂質などを確認し、生活習慣の改善につなげる仕組みです。
50代では、「昔からこのくらいだから」と変化を見過ごしていないでしょうか?
年齢による変化もありますが、だからこそ前年との比較が大切です。
複数の項目が同じ方向に変化していないか確認してみましょう。
健康診断の結果を受け取ったら、前年の結果と並べてみてください。
そして、「何が変わった?」「生活のどこが変わった?」「来年までに何を変えられる?」と自分に問いかけてみましょう。
ただし、検査値は体調や測定条件などでも変動します。
数字だけで病気の有無を自己判断することはできません。
要再検査・要精密検査・要受診などの判定があれば、結果票の指示に従って医療機関へ相談しましょう。
今年が「オールA」でも、結果表をしまう前に一度だけ、前年の数字を見返してみませんか?

「去年とくらべて、何が変わった?」

この問いを持つことが、将来の健康を守る第一歩になるかもしれません。

<参考>
・ 厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)」
・ 厚生労働省「特定健診・特定保健指導について」

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小川 るい株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

総合病院のHCUで看護師として働いていました。病院で患者さまと関わっていく中で、予防的観点から早期に健康のサポートがしたい、働き世代の健康寿命を延ばしたいと志し、ドクタートラストに入社。
日々健康に関する情報を発信していきます。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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