
運動しないといけないとは思っているけど続かない――。
こう感じたことのある人もいるでしょう。
健康診断で運動を勧められたり、体型が気になってジムに入会したり、最初はやる気があっても、いつの間にか通わなくなっていた経験がある人も少なくないと思います。
こうなってしまうと「自分は意志が弱いんだ」「もうダメだ」などと自己嫌悪に陥ってしまうパターンも多いです。
でも実は、意志が弱いからというわけではありません。
なぜなら人間の脳の仕組みとして、運動は続きにくい行動だからです。
だから自己嫌悪に陥らず、そうなって当たり前なんだと安心しつつ、この記事を読んでみてください!
今回は「なぜ運動が必要なのか」「なぜ運動が続かないのか」「どうすれば続けやすくなるのか」をわかりやすく解説します。
そもそも、なぜ運動が必要なのか
前提として、運動は健康にとって非常に重要です。
これは皆さんイメージがあるかと思います。
実際のデータとして厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、座っている時間が長いほど死亡リスクが高くなることが報告されています。
特に筋力トレーニングには「総死亡リスクの低減」「心血管疾患のリスク低減」「がんのリスク低減」「糖尿病のリスク低減」といった効果があるとされています。
また、スポーツ庁「スポーツが健康にもたらす効果等のエビデンスに関する調査研究」では、運動には身体面だけでなくメンタル面にも良い影響があることがわかっています。
たとえば、「セロトニンやドーパミンの分泌が増える」「ストレス解消につながる」「自己肯定感が高まる」「睡眠の質が良くなる」といった効果です。
さらに運動は「転倒の予防」「けがの予防」「抑うつ症状のリスク低下」などにも関係しています。
つまり、運動は単に体型の問題ではなく、身体と心の両方の健康に関わる習慣といえます。
ならば、なぜ運動は続かないのか
ここまで聞くと「やらないといけない」と思うはずです。
ただ、そうは言っても「続ける自信がある」と言い切れる方は少ないでしょう。
運動が続かない理由は大きく2つです。
一つ目の理由はシンプルに「面倒だから」です。
これは正直誰でも感じることだと思います。
もう一つの理由は、ホメオスタシス(恒常性)です。
人間の身体や脳には「今の状態を保とうとする働き」があります。
新しいことを始めると「いつもと違う」「エネルギーを使う」と脳が判断して、無意識にブレーキをかけてしまうのです。
たとえばご飯屋さんで「今日はいつもと違うメニューを頼んでみようかな」と思っても、結局いつもと同じメニューを頼んでしまうのは「あるある」です。
つまり、運動が続かないのは意志の問題というより、人間の仕組みでもあるということです。
運動を続けるためのポイント
では、どうすれば運動を続けることができるのでしょうか。
ポイントはいくつかあります。
① スモールステップで始める
いきなり「毎日1時間運動する」「週5回ジムに通う」といった目標を立てると、続かなくなりやすいです。
また、初日に頑張りすぎて筋肉痛になったことで動けず、やる気がなくなってしまうのも「あるある」でしょう。
まずは「スクワット10回」「5分だけ歩く」「とりあえずジムに行く」といった小さな行動から始めることが大切です。
② if-thenプランニング
これは行動科学でよく使われる方法で「もし○○したら△△する」という形で行動を決めておきます。
たとえば「歯磨きをしたらスクワット10回する」「昼休みに5分散歩する」「テレビのCM中はストレッチをする」など、考える前に決めてしまうと少し運動を始めるのが楽になりますよ。
③ 環境を整える
人は環境に大きく影響されます。
よくあるのが元から整理整頓されている場所は散らかしづらいというもの。
これを運動に変換すると「トレーニングウェアを見える場所に置く」「ジムを通勤ルートの近くにする」「運動アプリを入れる」など、運動しやすい環境を作ることも大切です。
④ 報酬を設定する
ずっと頑張り続けるのはかえって自分を追い込むことにつながるので「1週間続いたら好きなスイーツを食べる(食べすぎは注意)」「ジムでウォーキングをする間だけ好きなアニメを見る」など自分が続けられそうなご褒美を用意するとモチベーションアップにつながるのでオススメです。
運動は健康にとって重要ですが、人間の脳の仕組み上、続きにくい行動でもあります。そのため、小さく始めて環境を整え、行動のタイミングを決めるという工夫が大切です。
「運動が続かない」と感じている人は、いきなり大きな目標を立てるのではなく、まずは1日数分の運動から始めてみてください。
あとは頑張りすぎない、これが重要です。
ゆるく続けることを目標に運動してみてください!
<参考>
・ 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
・ 下光輝一「運動習慣の獲得・継続のための行動科学的手法を用いた指導教材の開発と活用に関する研究」
・ スポーツ庁「スポーツが健康にもたらす効果等のエビデンスに関する調査研究 令和5年度(PDF)」





















