10月8日は2016年に制定された「糖をはかる日」です。
糖尿病治療研究会主催で、「血糖」について、糖尿病患者さんや病気ではないけれど 「糖」が気になる方、糖尿病予備群の方々にも、 血糖の働きを正しく理解し、コントロールして、健康的な生活づくりに役立てるきっかけにしてもらいたいという思いが込められています。
この「糖をはかる日」にちなんで、今回は糖尿病に関する情報をお伝えしたいと思います。
耳にしたことはあるでしょうか、糖尿病予備軍についてです。
糖尿病予備軍
2型糖尿病の場合、突然血糖値が高くなるわけではありません。徐々に高くなっていき、糖尿病にいたります。
まだ糖尿病と診断されるほど高くはないけれど、正常より血糖値が高くなってきた状態を「糖尿病予備軍」や「糖尿病境界型」と言います。
糖尿病の検査
血糖値を確認するのに、下記のような代表的な検査があります。
・空腹時血糖値
⇒空腹時に血液の中にどれだけブドウ糖が含まれているかを調べる検査です。
・75g経口ブドウ糖負荷試験
⇒検査当日の朝まで10時間以上絶食した空腹のまま採血し、血糖値を測ります。次に、ブドウ糖液(ブドウ糖75gを水に溶かしたもの、またはデンプン分解産物相当量)を飲み、ブドウ糖負荷後、30分、1時間と2時間後に採血し、血糖値を測るという検査です。
・HbA1c
⇒血液中のブドウ糖とヘモグロビンが結合したものを調べる検査です。過去1~2ヶ月の血糖の平均値を示します。
下記①~④のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定されます。
⑤および⑥の血糖値が確認された場合には「正常型」と判定されます。
「糖尿病型」「正常型」いずれにも属さない場合は「境界型」(糖尿病予備軍)と判定されます。
①早朝空腹時血糖値 126㎎/dl以上
②75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値が200㎎/dl以上
③随時血糖値が200㎎/dl以上
④HbA1cが6.5%以上
⑤早朝空腹時血糖値が110㎎/dl未満
⑥75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値が140㎎/dl未満
こちらの表をご参考ください。
空腹時血糖値 | 75g経口ブドウ糖負荷後2時間値 | HbA1c | |
正常型 | 110㎎/dl未満 | 140㎎/dl未満 | 6.0%未満 |
境界型(糖尿病予備軍) | 110㎎/dl~125㎎/dl | 140㎎/dl~199㎎/dl | 6.0%以上6.4% |
糖尿病型 | 126㎎/dl以上 | 200㎎/dl以上 | 6.5%以上 |
糖尿病予備軍は放っておいても問題ない?
糖尿病予備軍は、正常な方より糖尿病を発症するリスクが高い状態です。また、糖尿病予備軍の時から動脈硬化は始まると言われています。
これからご紹介する生活習慣の見直し等を行い、定期的に検診を受ける必要があります。
【生活習慣の見直し例】
*食事を見直しましょう
・ゆっくり食べましょう。
・朝食の欠食をさけ、1日3食食べましょう。
・バランス良く食べましょう。
・野菜やきのこ、海藻などの血糖値の上昇を抑える食品をとりましょう。
・なるべく就寝3時間前までに夕食を食べましょう。
・腹八分目にしましょう。
・間食、食後のデザート、果物、お菓子、アルコールのとりすぎに注意しましょう。
*運動習慣をつけましょう
通勤時に歩く時間を少し長くするなど、日常の中で工夫して運動を習慣にしましょう。
*適正体重を目指しましょう
*自分に合ったストレス解消方法を身につけましょう
*定期的に検診を受けましょう
糖代謝については、こちらのホームページもご参考ください。
《HOW はたらく人の保健室》
糖尿病予備軍は自覚症状が全くないため自分では気づきにくいです。健康診断などを受けた際は血糖も意識をしてみていただければと思います。