年齢を重ねると遅れてくるって本当?運動前に知っておきたい筋肉痛の秘密

筋肉痛とは

皆さんこんにちは。ドクタートラストの保健師、横野です。
今回は筋肉痛についてお話していきます。
私たちが日常生活で感じる筋肉痛は、正式には「遅発性筋肉痛」と呼ばれ、運動などによって筋肉の炎症や筋繊維の破壊によって痛みが生じる状態で、筋肉が損傷を回復している過程のことだと考えられています。
回復速度としては24~72時間で、筋肉の部位によって異なっており、一般的には大きな筋肉は回復に時間がかかり、小さな筋肉などは回復にそこまで時間がかからないとされています。

筋肉痛って必要?

筋肉痛がなければ筋肉が発達しないわけではなく、筋肉痛がなくても筋肉は発達していくと考えられています。
そのため、筋肉痛がないからといって効果的なトレーニングができていないわけではありません。
ただ、トレーニングには3つの原則があります。
1つ目は「過負荷の原則」です。これはある程度体に負荷を与えないと運動の効果は得られないということです。指標としては普段生活するうえで発揮する力以上を目安とすると良いでしょう。
ただ、高齢者や低体力者についてはその限りではなく、自身のペースで無理なく行うことが重要です。
2つ目は「特異性の原則」です。これはトレーニングを行った部位や内容のパフォーマンスが向上するということです。
当然ですが脚のトレーニングを行って腕の筋力はアップしません。そのため、自身の身体の状態や向上していきたい部位や内容のトレーニングを実施するのが効果的です。
3つ目は「可逆性の原理」です。トレーニングで得られた筋肉や筋力も継続しないと失われてしまうという意味です。

上記の3つを意識し、継続できるように実施するのがオススメです。

年齢を重ねると筋肉痛が遅れてくるって本当?

「年齢を重ねると筋肉痛が遅くれてくる」と言われがちですが、結論からお伝えしますと、加齢と筋肉痛の関連はありません。
筋肉痛が早くくるかどうかは運動の強度に依存するということがわかっています。
運動の強度が強ければ早く、弱ければ遅くきます。そのため年齢を重ねると筋肉痛が遅くれてくるというよりは、若い時ほど激しい運動をしなくなるため(できなくなるため)、結果として遅く筋肉痛がやってくるということです。
日頃からトレーニングや運動を重ね、思わぬ筋肉痛に苦しめられないように運動習慣をつけましょう。

筋肉痛はどう治す?

筋肉痛の改善には、運動後にジョギングをすることや、安静にしていることが回復に効果的とされています。
そのため、トレーニングを実施した後にジョギングでクールダウンを実施し、マッサージやストレッチングを行うことが最もおすすめです。
また、筋肉痛がある部位についてのトレーニングなどは避けたほうが良いですが、軽い有酸素運動や筋肉痛のない部位のトレーニングに関しては問題ありません。マッサージやストレッチ、入浴に関しても血流を良くすることからおすすめです。

また、筋肉の修復に不可欠なたんぱく質の摂取も意識しましょう。たんぱく質摂取量の目安は男性100g、女性75gです。
たんぱく質は意識しないと不足しがちなため、毎食25~30gを目安に摂取するようにしましょう。

※⾝体活動量Ⅱ(普通)男性:総エネルギー量2,700kcal、たんぱく質は総エネルギー量の15%で計算、⼥性:総エネルギー量2,000kcal 、たんぱく質は総エネルギー量の15%で計算

筋肉痛は何回なっても嫌なものです。
ただ、トレーニングを行う上でどうしてもついてくるものになるので、適切にクールダウンするなど上手く付き合っていきましょう。

<参照>
・ 厚生労働省e-ヘルスネット「筋力・筋持久力」
・ 厚生労働省e-ヘルスネット「運動プログラム作成のための原理原則-安全で効果的な運動を行うために」
・ 石田浩司、高石鉄雄、宮村実晴「筋疲労回復にはどのような方法が最も効果的か?」(『デサントスポーツ科学』Vol.13、公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団)

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横野 凌株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院に看護師として勤務する中で生活習慣病を抱える人の多さに驚くとともに、予防医療の重要性を再認識しました。その後、保健師学校に入学し、保健師資格を取得しました。現在は成人、特に働く世代の方たちが健康に働くことができるよう産業保健師として活動しています。より多くの方が健康に関する知識を身に付け、病気を予防することができるよう努めていきます。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、Ⅲ種
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