整体院に行ってもすぐに逆戻り!?効果的に姿勢を改善するには

せっかく整体院で姿勢矯正したのに、すぐもとの姿勢に戻ってしまう……

わたしは、物心がついたときから姿勢が悪く、いままで何度も姿勢矯正のために整体院に通ってきました。
ときには月25,000円の整体に3ヶ月通ったこともあります。1回12,000円の整体に隔週で通っていたこともあります。

しかし、いまだわたしの姿勢は悪いままです。
これは、誓って整体師さんの腕が悪いからではありません。
どの整体院でも、施術直後は体が軽くなり、首や肩の痛みが軽減しました。
しかし、費用面も問題などもあり「もうそろそろ大丈夫かも……」という自己判断から通うのをやめると、もとの姿勢に戻ってしまうのです。

本当に姿勢を改善するためには、整体院に通い続けなければいけないのでしょうか。
また、姿勢改善のためには整体院での姿勢矯正のほかになにが必要なのか、保健師さんに聞いてみることにしました。

どうして良い姿勢を維持できないの?

姿勢矯正のために整体院に行っても、数日後にはもとの悪い姿勢に戻ってしまいます……

横野保健師
整体院での姿勢矯正が維持できないのは姿勢を保持するための筋肉が硬くなっていたり、筋力が低下したりしているからです。

姿勢には抗重力筋のバランスが大切

姿勢の保持には抗重力筋の働きが重要です。
抗重力筋は背中やお尻、お腹、ふくらはぎ、太ももの筋肉などを指し、姿勢の保持に重要な役割を担います。
本来であれば、抗重力筋は互いにバランスを取り合って体の歪みを修正しています。
しかし、立ち仕事や座り仕事で一定の姿勢をとり続けてしまうと、筋肉同士のバランスが崩れ、悪い姿勢を記憶してしまいます。

また、座り仕事の多さや運動不足は下半身にある抗重力筋の衰えにつながり、筋肉同士のバランスが崩れてしまいます。
そのため、整体院に行って筋肉をほぐしてもらっても抗重力筋同士のバランスの悪さは改善しないため、良い姿勢を保持できません。

整体院に通い続けるだけでは姿勢改善は難しい

そうだったんですね……では、長期間にわたり整体院で姿勢矯正を受け続けても姿勢は改善しないのでしょうか?

横野保健師
定期的に姿勢矯正を受けるのみでは、姿勢が良くなるとは言えません

姿勢の保持には抗重力筋の柔軟性と筋力が重要です。
整体院で柔軟性を高めても、筋力がないとその姿勢は保持できません。
そのため、整体院に通うだけでは正しい姿勢を保持することは難しく、自身でのストレッチや筋力トレーニングの継続が姿勢改善につながります。

しかし、整体院に行ってもまったく意味がないというわけではありません。
整体院に行くと自分ではほぐせないような場所をほぐしてもらえる利点があります。
また、自身の筋肉の衰えや凝っている部分についての専門的な分析を受けられ、なかにはオススメのストレッチ方法やトレーニングを教えてもらえる整体院もあります。

整体院にただ通うのではなく、まずは自身の筋力や柔軟性を高めて土台を作り、そのうえで整体院を活用することでより良い姿勢を保ちやすくなります。

やっぱりある程度の筋力や柔軟性が必要なんですね……!

整体院での姿勢矯正以外にやるべきこと

姿勢改善には、整体院での姿勢矯正だけでなく、ストレッチや筋トレが大切だとわかりました!ついでに効果的で簡単なストレッチを教えてもらえると非常に助かるのですが……

横野保健師
わかりました。効果的なストレッチを2つ紹介します!

ストレッチ例①

① 膝の上に手を置き、息をゆっくりと吐きながら上体を前に倒す

②無理のない程度まで前に倒し、そのまま5秒たもつ

③ゆっくりともとに戻す

ストレッチ例②

①足を組み膝の上に手をおく

②息をゆっくり吐きながら上体を前に倒す

③無理のない程度まで前に倒し、その姿勢を5秒たもつ

④ゆっくりともとに戻す

⑤反対側の足でも行う

すぐにやります!

最短で姿勢を改善するには

効率的に姿勢を改善していくには、どう整体院を活用していけば良いのでしょうか

横野保健師
基本的には自宅でのトレーニングやストレッチが重要です。
そのうえで整体院に行き、自分ではほぐせない部分をほぐしてもらったり、専門家の意見を聞いたりしていくのが、姿勢改善への近道です

姿勢の保持には土台となる抗重力筋の柔軟性、筋力アップが大切です。
その基本的な土台を作ったうえで整体院に行けば、自身の姿勢の癖についてのより深い理解につながるでしょう。
そのうえで正しいトレーニングやストレッチを日々継続することが姿勢改善の近道です。
みなさん、ぜひご自宅でストレッチやトレーニングを続けてみてください。

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横野 凌株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院に看護師として勤務する中で生活習慣病を抱える人の多さに驚くとともに、予防医療の重要性を再認識しました。その後、保健師学校に入学し、保健師資格を取得しました。現在は成人、特に働く世代の方たちが健康に働くことができるよう産業保健師として活動しています。より多くの方が健康に関する知識を身に付け、病気を予防することができるよう努めていきます。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種、Ⅲ種
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼などはこちらからお願いします】

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