放っておくと全身の不調に!秋冬は特に気を付けたいドライアイ

お仕事中、目がショボショボする、目が痛い、しまいには頭痛がする……といった経験はありませんか?
そのような症状は「ドライアイ」かもしれません。
ドライアイは空気が乾燥する秋から冬にかけて発症しやすくなります。
PCやスマホを操作する機会が多い方、コンタクトを着用している方は、季節関係なく発症するおそれがあります。
日本では約2,200万人がドライアイといわれています。
ドライアイを単なる目の渇きと考えている方も多いかもしれませんが、放っておくと頭痛、視力低下、肩こりなど広範囲に悪影響を及ぼす可能性があり、生活の質を大きく下げてしまうものの、早期に発見し、適切な治療を受けることができれば重症化を防げます。

あなたは大丈夫?ドライアイチェックを実践してみましょう

目をしっかり開けて12秒間まばたきを我慢してみてください。
12秒の間にまばたきをしてしまった方は、ドライアイの可能性があります。
ほかにも、目やにがよく出る、目がかすむといった症状もドライアイの特徴的な症状です。

ドライアイのしくみ

ドライアイの原因

ドライアイの原因には涙の量と質が大きく関わっています。
量に関係するのは、まばたきの回数です。
まばたきには、涙の分泌を促し、目の表面に涙を均一に行き渡らせる働きがあります。
スマホやPCなどに集中してまばたきの回数が減り、目の表面の水分の蒸発量が増えることで、涙の量が減少し、ドライアイが引き起こされてしまうのです。
質に関しては、涙の油分がカギになります。
涙は「粘液層」「水層」「油層」の3つに分かれており、粘液層は涙が満遍なく目の表面を覆うことを助けています。
さらに油層が水層を覆うことで、蒸発を防いでいます。
年齢とともに油分が減ったり、ストレスや緊張で分泌が悪くなったり、油分の分泌口であるマイボーム腺が化粧でふさがったりすると、涙の構造が乱れ、涙の安定性が悪くなり質が落ちてしまいます。

目薬の多用にはご注意を!

市販の目薬は手に入りやすく、大きな副作用も出にくいことから、気軽に使ってしまう方も多いです。
また、ドライアイ向けの市販の目薬は効果が30分程度と短いので、多用しがちです。
しかし、目薬は薬であるため内服薬と同様に用法容量を守らなければ目に悪影響を及ぼす可能性があります。
市販の目薬では効果をあまり感じられない方は、効果が長持ちするヒアルロン酸配合の目薬を眼科で処方してもらうのがよいでしょう。
重症の場合は涙の流出口である涙点を塞いで涙を目に滞留させる治療も活用されます。
お悩みの方はお近くの眼科へ相談してみてください。

ドライアイ予防法

ここからは、ドライアイ対策を4つご紹介します。

しっかり睡眠をとりましょう!

睡眠不足で睡眠の質が悪い群と睡眠がしっかりとれている群では、睡眠不足の群のほうがドライアイの有病率が高いことがわかっています。
睡眠不足により涙の分泌量が下がることが関係しているとされているためです。
体の疲れを睡眠でリセットするように、目の疲れも睡眠でリセットしましょう。
睡眠時間が6時間を切ると心筋梗塞や狭心症などの心血管疾患リスクが4.95倍になることが報告されていますので、病気のリスクも踏まえて6時間以上は寝ることを心がけましょう。

職場環境の改善

仕事柄、PCやスマホなどの液晶画面を長時間見る方も多いと思います。
その場合は、デスク周りの環境を整えましょう。PC画面の上端を目の高さと同じかそれ以下になるよう、椅子やデスクの高さを合わせる、液晶画面の明るさを明るすぎず暗すぎない輝度にするといった工夫が有効です。
1時間に1回は液晶から目を離し、遠くを見るのもおすすめです。

目を温めて涙の油分を増やしましょう!

先述のとおり、涙の油分量がドライアイ予防のポイントです。
涙の油分の分泌口のマイボーム腺の詰まりもドライアイの原因の一つです。
目を温めることで脂を溶かし、血流を良くして詰まりを抑える効果があります。
市販のホットアイマスクを使用したり、濡れタオルを電子レンジでじんわり感じる程度まで温め、まぶたの上に3~5分のせると油分も増え、目の疲れも軽減します。

年に1度は定期検診を!

知らず知らずのうちに目の機能が衰えていたり、症状が進行している場合もありますので、とくに40歳を過ぎた方は年に1回眼科で定期健診を受けましょう。
また、目に異変を感じた際はすぐに眼を受診しましょう。
ドライアイは一度発症すると完治することはなく、付き合い続ける必要がある疾患です。
ドライアイをすでに発症している方は症状をコントロールをする必要がありますし、発症していない方は意識して予防することが重要です。
ぜひこの機会に眼科受診、セルフケアを行ってみてください。

<参考>
・ 公益財団法人日本眼科学会「ドライアイ」
・ 公益財団法人日本眼科学会「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」
・ 国立研究開発法人国立がん研究センター「睡眠とドライアイの関連について」
・ 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

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丸毛 恭子株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学卒業後、行政保健師として勤務しておりました。その中でメンタルヘルスの相談を受けることも多くメンタルヘルス疾患の予防などに携わりたいと思いドクタートラストへ入社いたしました。保健師として、健康を心がけることが身近に感じられるような情報を発信できるよう努めてまいります。
【保有資格】保健師、看護師、第一種衛生管理者、メンタルヘルスマネジメント検定Ⅱ種
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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