2024年8月中旬に発生した台風7号「アンピル」は、東北地方に甚大な被害をもたらしました。
福島県では1日で平年の8月の1か月分の雨が降った日もあり、増水した川に人が流される死亡事故も発生しました。
また、8月下旬に発生した台風10号「サンサン」では、九州地方の117戸で断水が発生、全国各地で土砂災害が50件発生し、死者3名、負傷者3名という被害が出ています。
2019年の台風19号「ハギビス」では、死者91人、負傷者数376人、住家被害は96,572棟と、人的にも経済的にも大きな被害が発生しました。
連日のすさまじい映像とともに流れた報道は記憶に新しいのではないでしょうか。
なぜ、近年巨大台風が頻発しているのか?
台風は海水温が27℃以上だと発生、発達しやすいといわれています。
今までは赤道付近で発生することが多かったのですが、温暖化の影響で海水温が27℃以上である海域がどんどん広がっていき、日本付近でも大型台風が多く発生するようになりました。
将来、日本に接近する台風の強度は強まり、個々の台風の雨量が増加すると予測されています。
そのため、今まで台風の被害を受けてこなかった地域にも、被害が拡大するおそれがあります。
自宅の備えを見直してみましょう!
台風は地震とは違い、事前に被害の予測がある程度可能ですので、前もって対策することで被害を軽減できると考えられます。
また、最近では公共交通機関が計画運休を発表し、企業から自宅待機や在宅勤務の指示が出ることも多くなりました。
今後は台風が過ぎ去るまで自宅に避難していることが増えると考えられますので、一人ひとりの事前の備えが重要です。
1. 家の外の備え
・ 窓や雨戸はカギをかけ、必要に応じて補強しましょう
・ 側溝や排水溝を掃除して水はけを良くしましょう
・ 風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納しましょう
・ 車の給油をしておきましょう
・ 携帯バッテリーは充電しておきましょう。
2. 家の中の備え
・ 非常用品の確認をしましょう
・ 飛散防止フィルムやテープで窓を補強し、飛来物の飛び込みに備えてカーテンやブラインドをおろしておきましょう
・ 断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保しましょう
3. 避難に向けての備え
・ 土砂災害や洪水災害の危険性が認められる場所を市町村等のハザードマップで確認し、住居が低地帯の場合は、あらかじめ安全な地域に避難することも検討しましょう
・ 避難場所として指定されている場所への避難経路を確認しましょう
・ 普段から家族で避難場所や連絡方法などを話し合いましょう
・ 避難するときは持ち物を最小限にして両手が使えるようにしておきましょう
避難時の注意点
・ 平均風速が15m/s以上になると風に向かって歩けなくなり、転倒する人が出てきます。外の状況をニュースやラジオで把握し、安全と判断できたら避難を開始しましょう
・ 外が暗くなると避難が危険なため、明るいうちに避難しましょう
・ 人間はわずか20cmの浸水で歩行できなくなります。また下が見えないことで、用水路や側溝への転落のおそれがあります。すでに道路が冠水している場合は、自宅の2階等に垂直避難するほうが安全な場合もあります。ただし、土砂災害や洪水が発生すると自宅とともに押し流される可能性もあるので、状況に応じた判断が必要です
・ 地下室や半地下家屋は浸水しやすいため、危険を感じたらすぐに避難所や3階以上の頑丈な建物へ避難しましょう。
今回は、個人でできる台風への備えについてお伝えをしました。
企業全体の災害に対する取り決め方法については下記の記事をご覧ください。
大規模台風はほぼ毎年必ず発生しています。
今後、今までは台風の進路ではなかった地域でも被害が拡大することが考えられます。
地震に向けての対策はしていても台風は盲点だったという方も多いです。
年々威力を増す台風に備えて、少しでも安全に、そして快適に過ごせるようぜひ工夫をしてみてください。
<参考>
・ 国土交通省「令和6年台風第10号による被害状況等について」
・ 内閣府「令和2年版 防災白書」
・ 気象庁「日本の気候変動2020 —大気と陸・海洋に関する観測・予測評価報告書—」
・ 東京都防災ホームページ
・ 気象庁「大雨や台風に備えて」