乾燥が気になる季節到来!適切な湿度管理のポイント4つ
- 2024/11/13
- 冬
気温が下がり、乾燥が気になる季節になってきました。
皆さんは乾燥対策を行っていますか?
また、加湿器は使っていますか?
感染症対策や乾燥対策のために加湿器を使っている方が多いと思いますが、毎日使っている加湿器をきちんと掃除していないと、加湿器が原因で病気を引き起こす可能性があります。
適切な湿度管理の方法を知り、健康に過ごせるようにしましょう!
私たちに適切な湿度が必要なワケ
私たちの身体の約60~65%は水分でできています。
そのため、体内の水分の量が減ってしまっている状態が続くとさまざまな影響を及ぼします。
まず、乾燥によってウイルスや細菌による感染症にかかりやすくなります。
ウイルスの多くは乾燥に強く、皮膚の乾燥によってバリア機能が低下した体内に容易には入れるようになってしまいます。
また、乾燥は体内の水分量が減ることで、血液がドロドロの状態になり血栓が生じたり、ドライアイやアトピーなどの肌トラブルが生じたりする原因になりえます。
労働安全衛生総合研究所によると、夏季とくらべ冬季オフィス環境では「喉の痛み・乾燥」、「鼻水・鼻づまり」、「せき」、「くしゃみ」、「皮膚の乾燥・かゆみ」、「手足の冷え」といった自覚症状の割合が高くなっています。
適切な湿度を保つ4つのポイント
では、適切な湿度を保つためにはどのようにすればよいのでしょうか。
ここでは4つのポイントをお伝えします。
① 湿度計で部屋の湿度を確認する
乾燥しやすい冬季でも室内の湿度は40%以上を維持することが重要です。
② 加湿器を使用する
室内の湿度が40%を下回る場合は加湿器を使用して、適切な湿度を保てるようにしましょう。
その際には、部屋全体が加湿されていることが重要です。
部屋の空気の流れを確認し、低めの位置に配置しましょう。
また、家具・家電、窓の近くは、故障やカビ、結露の原因になり得るので避けましょう。
③ マスクを着用する
マスクを着用することで鼻や喉の粘膜の乾燥を防ぐことができます。
また、マスクは飛沫感染を予防するうえでも着用することがおすすめです。
④ こまめに水分摂取する
「喉が渇いた」は脱水状態になり始めているサインです。
喉が渇いていない時点からこまめに水分を取るようにしましょう。
水分を取る際には、コーヒーやお茶など利尿作用のあるものは避けるようにしましょう。
レジオネラ症に気を付けましょう!
レジオネラ症は、レジオネラ属の細菌がエアロゾルと共に肺に取り込まれることによって生じる呼吸器感染症をいいます。
国立感染症研究所によると、2013~2023年までの国内での感染事例は18,045例でした。
ここでは、レジオネラ症のよくある質問を回答します。
Q. レジオネラ症の感染経路は?
加湿器のタンクの中でレジオネラ属の細菌が増殖し、汚染された加湿器などの水が飛散し、それを吸入することで感染します。
また、温泉などのお湯を循環ろ過して使用する24時間風呂や土壌での感染も確認されています。
Q. レジオネラ症の症状ってどのようなものがあるの?
レジオネラ症の主な病型は、レジオネラ肺炎とポンティアック熱です。
レジオネラ肺炎は、はじめに全身倦怠感・頭痛・食欲不振・筋肉痛などの症状がみられます。
次第に咳や38℃以上の高熱、悪寒、胸痛、呼吸困難の症状がみられます。
また、意識レベルの低下、幻覚、手足のしびれ、下痢などの症状もレジオネラ肺炎の特徴です。
ポンティアック熱は、突然の発熱・悪寒・筋肉痛などの症状が一過性にみられます。
レジオネラ症の潜伏期間は、2~10日です。
Q. 加湿器からのレジオネラ菌感染を防ぐ方法は?
加湿器からのレジオネラ菌感染を防ぐうえでは、以下3点に気を付けましょう。
① 加湿器の使用開始時および使用期間中は1ヵ月に1回以上、加湿器の汚れやぬめりの状況を確認し、必要に応じて加湿器の掃除を実施しましょう。
② 加湿器の使用開始時および使用終了時に、水抜きや掃除を実施しましょう。使用後は、よく乾燥させましょう。
③ 加湿器のタンクの水は、毎日すべて交換し、タンク内の掃除をするようにしましょう。
また、レジオネラ菌は60℃の環境下では5分で死滅するため、タンク内の水が加熱されるスチーム式やハイブリッド式の加湿器は、レジオネラ汚染のリスクが低いといわれています。
加湿器をこれから購入する方は、スチーム式やハイブリッド式の加湿器を選ぶのもおすすめです。
乾燥は感染症リスクを高めるだけでなく、肌荒れなどのトラブルを招く原因になります。
適切な乾燥対策を行って、寒い時期でも健康に過ごしていきましょう!
<参考>
・ 齊藤宏之「冬季のオフィス環境における低湿度の実態と対策について」(「安衛研ニュース」No.75、独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所)
・ 厚生労働省「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」(2003年7月25日)
・ 厚生労働省「レジオネラ症」
・ 国立感染症研究所「レジオネラ症 2013~2023年」
・ 地方独立行政法人大阪健康安全基盤研究所「加湿器のレジオネラに注意しましょう」