半数以上が「誰でもなりうる」と認識~内閣府「アルコール依存症に対する意識に関する世論調査」より~

2023年12月7日、内閣府が「アルコール依存症に対する意識に関する世論調査(令和5年7月調査)」(以下、本調査)を発表しました。
これは、アルコール依存症やアルコール依存についてどのようなイメージを持っているかなどを全国の18歳以上、3,000人に調査したものです。

調査概要

本調査は、アルコール依存症に対する意識に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とするこをと目的にしています。

調査対象:全国18歳以上の日本国籍を有する者
標本数:3,000人
調査時期:2023年7月27日から9月3日
関係省庁:厚生労働省
調査方法:郵送法(配布:郵送、回収:郵送またはインターネット回答)

調査結果

今回調査したのは、以下3点です。

① アルコール依存症について
② 飲酒とアルコール依存症の関係について
③ アルコール依存症に対する相談について

では、実際に結果を見ていきましょう。

① アルコール依存症、依存症者についてどのようなイメージを持っていますか?(複数回答可)

最も多かったのは「アルコール依存症は誰でもなりうる病気と思っている」54.2%で、次いで「暴言を吐き暴力を振るう」51.7%でした。
また、「本人の意思が弱いだけで性格的な問題である」も34.7%ありました。
また、性別に見ると「酒に酔って暴言を吐き、暴力を振るう」は女性で、「本人の意志が弱いだけであり、性格的な問題である」は男性でそれぞれ高くなっています。

② 飲酒とアルコール依存症との関係について、あなたが知っていることは何ですか。

飲酒とアルコール依存症との関係について、知っていることは何か聞いたところ、最も多かったのは「アルコール依存症は飲酒をコントロールすることができない精神疾患である」76.5%でした。
性別に見ると、「一度アルコール依存症になると非常に治りにくい」は女性で、「飲酒をしていれば、誰もがアルコール依存症になる可能性がある」は男性でそれぞれ高くなっています。

③ あなたやあなたの家族にアルコール依存症が疑われる場合に、相談できる場所として知っているのはどのような所ですか。

自分や家族に依存症が疑われる場合、相談できる場所として知っているのはどのような場所か調査したところ、最も多かったのは「病院、診療所などの医療機関」77.1%でした。
しかし「特にない」と回答した方も15.5%もいます。
年齢別に見ると、「病院や診療所などの医療機関」は30歳代から50歳代で高くなっています。

さらに、相談できる場所を知っていると答えた者に「自分が住んでいる地域で具体的に知っている場所はどのような所があるか」という設問で、最も多かったのは「病院や診療所などの医療機関」64.6%でした。
しかし、相談できる場所を知っていると答えた人で「自分の住んでいる地域で知っている場所はない」も27.7%ありました。

病院などの医療機関が相談できる場所と把握していても、住んでいる地域において、どこが一番近くで相談できる場所なのかを知らない人が3割もいます。

調査結果を見て

今回は、アルコール依存症に対する意識に関する世論調査を紹介しました。
アルコール依存症患者は100万人超えると言われていますが、専門の治療を受けているのはその中の数万人にすぎません。
相談の場は、さまざま用意されていますので、もし身近に依存症かもしれないと思う方がいる場合は、医療機関や行政機関を調べてみてはいかかでしょうか。

<参考>
内閣府「アルコール依存症に対する意識に関する世論調査(令和5年7月調査)」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

牧原 花林株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

前職は残業がかなり多く、長時間労働で帰宅する日々を送っていました。こうした労働環境下で体調を崩すことも多く、健康を考えるようになり、2023年にドクタートラストに入社。
自分自身の経験を活かしつつ、健康について発信していきます。
【ドクタートラストへの取材、記事協力依頼、リリース送付などはこちらからお願いします】

この著者の最新の記事

関連記事

解説動画つき記事

  1. 【動画あり】「コロナかも」従業員が激増!会社はどう対応する?~コロナが疑われる従業員、休ませた場合の手当は会社が支払うべき?~

一目置かれる健康知識

  1. 夜勤勤務者は、いつ、何を食べると太りにくい?押さえておきたい食事のポイント
ページ上部へ戻る