肥満者、喫煙者は減少傾向!運動量、野菜摂取量は?~「令和4年国民健康・栄養調査」から見えた課題とは~

2024年8月、厚生労働省は「令和4年 国民健康・栄養調査」(以下、2022年国民健康・栄養調査)の結果を公表しました。
今回は3年ぶりの実施となった2022年国民健康・栄養調査調査の結果をご紹介します。
※令和2年(2020年)、令和3年(2021年)は新型コロナウイルス感染症の影響により調査を中止

「国民健康・栄養調査」とは

国民健康・栄養調査とは、健康増進法10条に基づき、国民の身体の状況、栄養摂取状況および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得るために毎年実施している調査です。

(国民健康・栄養調査の実施)
第10条 厚生労働大臣は、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料として、国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにするため、国民健康・栄養調査を行うものとする。
2 厚生労働大臣は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(以下「研究所」という。)に、国民健康・栄養調査の実施に関する事務のうち集計その他の政令で定める事務の全部又は一部を行わせることができる。
3 都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあっては、市長又は区長。以下同じ。)は、その管轄区域内の国民健康・栄養調査の執行に関する事務を行う。
出所:健康増進法

2022年国民健康・栄養調査では、国民の身体の状況、栄養摂取状況および生活習慣の状況以外にも、社会環境と生活習慣などに関する状況や、世帯の等価所得と生活習慣などに関する状況、および新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響による生活習慣などの変化の状況を把握しました。

2022年国民健康・栄養調査の結果からわかること

以下では、2022年国民健康・栄養調査からわかることをご紹介します。

●身体の状況: 20歳以上の肥満者(BMI≧25kg/㎡)の割合は男性31.7%、女性 21.0%であり、前回(令和元年)の調査時より、男女ともに減少している。
●栄養・食生活に関する状況:20歳以上の野菜摂取量の平均値は270.3gであり、直近10年間で男女とも有意に減少をしている。また年齢別にみると20代が最も野菜摂取量が少ない。
●身体活動・運動に関する状況:男女ともに30%近くの者が運動習慣があると回答したものの、20歳以上の歩数の平均値は男性で6,465歩、女性で5,820歩であり、直近10年間で男女とも有意に減少をしている。
●喫煙に関する状況:現在習慣的に喫煙している者の割合は14.8%であり、男性24.8%、女性6.2%。直近10年間で男女とも有意に減少をしている。

〇世帯の等価所得と生活習慣の状況

・野菜摂取量は、男女ともに600万円以上の世帯員と比較して、200万円未満の世帯員で有意に少ない。
・習慣的に喫煙している者の割合は、男女ともに600万円以上の世帯員と比較して、200万円未満の世帯員で有意に高い。
※男性は200万円以上400万円未満の世帯員でも有意に高い。

〇新型コロナウイルス感染症の感染拡大により運動日数の影響

・体重について、「増えた」と回答した者の割合は、男性13.2%、女性16.7%、「減った」と回答した者の割合は、男性7.4%、女性8.1%。
・1週間当たりの運動日数について、「増えた」と回答した者の割合は、男性5.0%、女性5.0%、「減った」と回答した者の割合は、男性で12.7%、女性で13.8%。

2022年国民健康・栄養調査の結果を踏まえ、わたしたちが心がけること

こうした結果を踏まえて、私たちが心がけることをご紹介します。

1. バランスの取れた食事

多様な食品を摂取:野菜、果物、全粒穀物、魚、豆類などをバランスよく摂ることが重要です。
適量の摂取:食べ過ぎや偏食を避け、適切なカロリー摂取を心掛けましょう。
塩分の摂取制限:高血圧予防のために塩分の摂取を控えることが推奨されます。加工食品や外食の塩分量にも注意が必要です。

2. 適切な飲酒と禁煙

飲酒量の管理:アルコールは適量を守り、過度な飲酒を避けることが健康に良い影響を与えます。
禁煙:喫煙は多くの疾患リスクを高めるため、禁煙を推奨します。

3. 定期的な運動

運動習慣の確立:週に150分以上の中強度の有酸素運動(ウォーキングなど)や筋力トレーニングを行うことが推奨されます。

4. 健康診断の受診

定期的な健康チェック:健康状態を把握し、早期に問題を発見するために、定期的に健康診断を受けることが大切です。

これらの健康意識や栄養摂取の改善は、生活習慣病の予防や健康の維持に寄与します。
各自の健康状態やライフスタイルに応じて、適切な対策を講じることが重要です。

昨今では健康志向の高くカロリー計算がされた食品や手軽に頼める宅配サービスが普及し、働く人々がより手に取りやすく、運動についてもジムに通わずともお家でできる筋トレやストレッチ方法などを動画サイトなどで閲覧できるようになりました。
健康意識を変えていくのはなかなか難しいことですが、上記のような商品やツールなどを使用して少しずつ健康意識を変えていきましょう

<参考>
厚生労働省「令和4年『国民健康・栄養調査』の結果」

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大野 ひかる株式会社ドクタートラスト

投稿者プロフィール

コロナ期間を経て、より一層「医療」「健康」に興味を持ちました。前職にて、ドクターズクラークとして病院勤務を行っていた経験を生かせるようドクタートラストに入社いたしました。
多くの方に、よりよい情報を提供できるよう努めて参ります!

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