「尿酸値が高い」というと、「プリン体」「贅沢病」「痛風」といったキーワードをなんとなく思い浮かべる方も多いでしょう。
実は、尿酸値が高い人は30代~40代の30%にも達するほど、非常に身近な病気です。
高い尿酸値が引き起こす「痛風発作」は、激しい痛みが特徴ですが、
高い尿酸値を放置しておくと、痛風発作よりも恐ろしい事態を招くことがあるのをご存知でしょうか。
尿酸と痛風発作
尿酸というのは、簡単に言うと、プリン体という成分の老廃物です。
プリン体が多いレバー・白子・エビ・イワシ・カツオやビール・紹興酒などに多く含まれます。
そのため、尿酸値が高い人は、プリン体の多い食品を控える必要があります。
尿酸と聞くと、激しい痛みを引き起こす痛風をイメージされるかもしれません。
痛風発作とは、血液中の尿酸が関節などに溜まり、炎症を起こした状態です。
骨折したと錯覚するほどの激痛と、患部が赤く腫れあがることが特徴です。
痛風が起こる頻度は、高尿酸血症と診断された人でも1割程度と、さほど高くはありません。
しかし、一度痛風発作が起きた人が2年以内に再発作を経験する確率は8割弱と、非常に高くなります。
尿酸が引き起こす狭心症・心筋梗塞
尿酸値は生活習慣(運動不足、飲酒、高カロリーな食事、ストレスなど)によって上昇するため、
尿酸値が高い人は、血圧や脂質、血糖値なども高く、そのため心筋梗塞などを引き起こしやすいと言われていました。
しかし、最近の研究では、尿酸そのものが血管の働きに障害を引き起こし、動脈硬化(血管壁が厚く・固くなり詰まりやすくなる)を引き起こすことがわかってきたのです。
血圧や脂質に異常がなくても、尿酸値が高い人は、それだけで心筋梗塞や狭心症を起こしやすくなるため、無症状で尿酸値が高い人も、決して放置をしてはいけないのです。
治療の基本は生活改善
高尿酸血症は、尿酸値が7mg/dlを超えた場合に診断されます。
さらに、尿酸値が9mg/dlを超えると、薬を飲んで治療する対象になります。
尿酸値が高くなってきたら、以下のことを心がけましょう。
☑運動
激しい運動や無酸素運動は高尿酸血症を悪化させる可能性があります。
週3日程度の有酸素運動(ウォーキングなど)が良いでしょう。
☑飲酒
お酒は、種類に関わらず尿酸値を上昇させます。
尿酸値を上げない飲酒量の目安はビール500ml、ウイスキー60ml、日本酒1合です。
☑食事
プリン体が多く含まれる食品を控え、全体的に低カロリーな食事を中心とします。
牛乳などの乳製品は高尿酸血症を改善してくれるため、積極的に摂ると良いでしょう。