小さかった企業が徐々に大きくなり、従業員数が50名を超えるようになったら、労働安全衛生法により産業医の選任義務が発生します。
そうなった場合、各企業はどのようなポイントで産業医を選任しているのでしょうか?
費用対効果は合っているか?
例えば、よくこんな例を聞きます。
・法律で決まっているから、取りあえず医師を選任しておけばいいか…
・知り合いに産業医がいるから、ひとまず声をかけてみよう…
・産業医の紹介会社のうち、一番費用の安いところに頼もう…
上記のようなかたちで産業医を選任した場合でも、法律上の産業医選任義務は果たしたことになりますが、
はたして有意義な衛生管理体制を構築できるでしょうか?
せっかく毎月コストを掛けるのであれば、企業にとってメリットの多い体制を構築したいものです。
産業医選任のポイント
企業としては、まずは自社における次のような状況を把握しておくべきです。
・過重労働者が多いか
・健康診断での有所見者が多いか
・メンタル疾患による休職者が多いか
…等
これらは変化していくものですから、定点観測が必要です。
そのうえで、産業医選任においては、下記ポイントに注目してみてはいかがでしょうか。
●産業医に何を求めるかを明確にする
産業医にも専門があります。
内科医のように、体の不調を専門にする医師もいれば、精神科医のように心の不調を専門にする医師もいます。
社員が心と体どちらに不調の方が多いのかを見極めて、産業医を選任しましょう。
●柔軟にコミュニケーションを取れる医師か
衛生委員会のメンバーは、産業医と月に1回必ず接することになります。
また、人事担当者であれば、相談業務等も含め、それ以上となるでしょう。
その中で円滑に業務を行うためには、円滑なコミュニケーションをとれることがひとつの条件でしょう。
急に産業医の必要性が生じた場合でも、上記2点を最低限押さえておけば、誤った選任は起こりづらいといえます。
万全な衛生管理体制の構築が、働きやすい職場環境づくりに直結していきます。