コロナで骨粗しょう症の人が増えてしまう?予防はいまから行っていきましょう!

コロナで骨粗しょう症の人が増えてしまう?予防はいまから行っていきましょう!

骨粗しょう症は年齢を重ねてから気にすればいい、そう思っていませんか?
実は、20歳を超えてからの生活習慣が骨粗しょう症予防のためには重要です。
毎年10月20日は「世界骨粗鬆症デー」で、「世界から骨粗しょう症による骨折をなくす」ことを目標に啓発活動が展開されます。
骨粗しょう症について知り、日常生活の中に骨粗しょう症予防のポイントを取り入れてみてください。

骨粗しょう症とは?コロナの影響があるって本当?

骨粗しょう症とは、骨密度が低くなり骨の中がすかすかで弱くなり、骨折しやすい状態になることです。
骨粗しょう症がきっかけで要介護状態や寝たきりになることも多いです。
「骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン2015年版」によると、骨粗しょう症の国内の患者数は推定で1280万人(男性300万人、女性980万人)とされています。
女性に多い理由としては、女性ホルモンの影響で閉経後に骨量が減りやすいためです。
自覚症状がないことが多く、骨折するまでわからなかった、骨密度検査を受けるまで気づかなかった、ということもあります。
高齢者に多い病気ではありますが、若い世代でも無理なダイエット、偏った食事などにより、骨量が減ってしまう可能性があります。
なお、年齢とともに身長が縮む主な原因も骨粗しょう症です。
骨粗しょう症により背骨がつぶれてしまうことで身長が低下してしまいます。
最近はコロナ禍により、運動機会が減った、外出が減り日光を浴びる機会が少なくなった等の行動は骨を弱くさせてしまい、骨粗しょう症の原因となるため、患者数の増加が懸念されています。
そのほか、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病を持つ人も骨粗しょう症のリスクが高いと言われているため、要注意です。
糖尿病や慢性腎臓病の影響で骨の強度が低下してしまうので、骨粗しょう症のリスクが高くなることがわかっています。
コロナの影響にて生活習慣病の罹患率が増えているという調査結果は日本にはまだ明らかではありませんが、運動不足や間食が増えたことによる生活状況の変化は糖尿病リスクが高まるため、注意が必要です。

骨を強くするためにできること

予防について、日々生活で取り入れることができます。
今回、食事、運動、日光浴について取り上げます。
できそうなものから始めていきましょう。

① 1日3回、バランスの取れた食事+牛乳や乳製品を取るよう心掛ける

痩せすぎと肥満ともに骨粗しょう症のリスクを高めてしまうため、3食バランスのいい食事を取るようにしましょう。
また、意識してほしい栄養素は、骨の重要な構成成分であるカルシウム、カルシウムの吸収を促進するビタミンD、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKです。
カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを多く含む食材を意識して食べましょう。

<カルシウムを多く含む食品>
牛乳、乳製品(ヨーグルト、チーズ)、シシャモ、シジミなどの魚介類、大豆製品(豆腐、納豆)、小松菜やチンゲン菜、ひじきなど
<ビタミンDを多く含む食品>
魚(イワシ、サンマ、サケ)、きのこ(キクラゲ、シイタケ)、卵など
<ビタミンKを多く含む食品>
納豆、ほうれん草、海藻類など

② 定期的な運動を行う

骨にかかる力が大きく、繰り返し行う運動であれば効率的に骨を強くします。
ウォーキングや軽いジョギングなどは効果的です。
また、ウォーキングの時間を取るのが難しい場合、階段を使うようにしたり、ラジオ体操を行うなどもお勧めです。毎日継続していきましょう。

③ 日光浴を行う

ビタミンDは日光に当たると体内で生成されるので、毎日15分~30分程度は日光を浴びるようにしましょう。
日中の散歩は運動と日光浴の2つの効果が同時に得られるため、お昼休憩中に食後に少し歩いたり、在宅勤務中の方は通勤代わりに散歩をしたり、続けやすい時間帯を選んで行ってみてください。

会社での骨粗しょう症対策としてできること

まず、骨粗しょう症に対する情報を社内に周知する、セミナーを開催するなど、社員の方の健康に対する意識を向上させることも一つです。
次に、社員の運動機会増進の機会に取り組まれていることが多い、「ウォーキングイベント」の機会も運動機会の提供に繋がり、骨粗しょう症予防にもつながっていきます。
また、「骨密度検査」を受けることで全身の骨密度の把握につながります。
40歳以上の方は1度受診することを検討いただければと思います。加盟している健康保険組合では無料で実施できることもあるので、ご加入の健康保険組合のオプション検査をご確認頂くほか、お住いの自治体の保健センターで測定できることもあります。

「骨粗しょう症対策」も今からが肝心です!意識していきましょう!

<参考>
・ 厚生労働省eヘルスネット「骨粗鬆症の予防のための食生活」
・ 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編集「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年度版」

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中森チカ株式会社ドクタートラスト 保健師

投稿者プロフィール

大学病院の病棟勤務(循環器内科・糖尿病内分泌科)を経て、地域包括支援センターの保健師として高齢者総合相談、介護予防事業などに従事。ドクタートラスト入社後は、セミナーの実施や年間100件超の保健指導やカウンセリング業務に携わっている。
セルフケアやレジリエンス、アンガーマネジメントの研修、またこれまでの経験から、生活習慣病に関するセミナーが得意。
「楽しく元気に働ける人を世の中に増やしていく」が保健師としての目標。心身の健康や予防が大切だと痛感したことから、「行動が変わる、考え方が変わるきっかけ作り」に邁進中。
また育児や治療、介護と仕事の両立をサポートし、よりきめ細かく対応できるよう、思いやりの心を持って働いている。
【保有資格】保健師、看護師、公認心理師、国家資格キャリアコンサルタント、第一種衛生管理者、人間ドック健診情報管理指導士
【ドクタートラストの保健師サービスへのお問い合わせはこちら】
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