
新年度はさまざまな環境の変化が生じ、誰しもが大なり小なりストレスにさらされます。
気分が不安定になったり、いつもより不安になりやすかったり、心身が疲れやすくなりますが、多くの場合、適度な休息や自分の趣味の時間などを通して徐々に新たな環境に馴染んでいきます。
しかし、中には不安や焦りが大きくなったり、新生活に伴う周囲との感覚のギャップに戸惑ったり、自分だけ取り残されたような孤立感を感じてしまい、「なんだかしんどいな……」と漠然としたモヤモヤが続くことがあります。
特に注意しておきたいのは、以下のような抑うつ気分です。
<注意したい抑うつ気分>
・ 憂うつ
・ やる気が出ない
・ 集中力が低下する
・ 自分を責める
・ 睡眠の質が低下する
・ 今まで楽しめていたことが楽しめない
・ 何をするにも億劫 など
抑うつ気分の他にも、眠れない、食欲が変化した、今まで平気だったのに涙が出てくる等の症状が2週間続いたら、いつもの自分と違うというサインですので、精神科や心療内科などの医療機関に行ったり、産業医面談、社内(社外)相談窓口、公的機関の無料相談で話してみることをお勧めします。
しかし実際には「こんなことで人に話して良いのだろうか、気にしすぎだと笑われたり否定されないだろうか」と、人に話すことをためらう人も少なくありません。
そもそも、話すことにどんなメリットがあるのか?
何かあったとき、まずは家族や友人、先輩や同僚に話すことが多いかもしれません。
普段からコミュニケーションがある分、自分の環境や立場を具体的に知ってもらいながら安心して話せます。
「〇〇さんのあのこと」と言うだけでもある程度通じるので、まどろっこしい説明が必要ないことも多いですし、「あ~、わかるわかる」と受け止めてもらいやすいのがメリットといえます。
では、産業医や相談窓口の第三者に話すメリットは何かというと、自分の環境や立場を知らない分、自分の言葉で整理しながら話す必要があるということです。
「それがめんどくさいんだよ……」と思うかもしれませんが、自分のことを言葉で伝えるという作業は、改めて客観的に自分を眺めることになり、思った以上に気持ちや考えの整理につながります。
そして、「これを言ったらこういう人間だと思われてしまうのではないか/こんなことを言ったら心配されて大ごとになってしまうのではないか」といった不安や気遣いをせず、正直に話しやすいというメリットもあります。
また、話すことにより自分では思いつかなかった考えや何らかのヒントが得られたり、取り組むべき課題が見えてくることもあります。
「話したけど意味がなかった」を防ぐために
話す相手が知り合いであれ第三者であれ、「話したけど意味がなかった」と思う人もいます。
そのようなガッカリがなぜ生じるかといえば、期待のズレが大きいでしょう。
「話を聞いてもらいたいだけだったのに、アレコレ提案されて逆にストレスが溜まった」とか、「何かアドバイスをもらえると思っていたのに、ただ話を聞かれて終わった」という不満がよく聞かれます。
このようなズレを防ぐには、その時の自分が求めていることについて先に伝えることがおすすめです。
「ちょっとだけグチを聞いてほしい」とか「客観的にアイディアがほしい/今の自分に何ができるのかアドバイスがあると嬉しい」と言ったうえで話すと、聞く側も「この人はこれからこういう気持ちで話すのだな」と心構えができます。
もちろん、どうしてほしいのか思いつかないというときもあります。
そのような場合は「どうしてほしいのか自分でも分からないのだけど、とりあえず話させてほしい」と伝えると、聞く側は「まずは話を聞いてみよう、アドバイスできることがあれば伝えよう」という心持ちで話を聞けます。
すぐに答えがでないことのほうが多い
今困っているのだから、解決する方法を早く知りたいという気持ちはとてもよくわかります。
しかし、制度や手続きなどには答えがありますが、メンタルが弱る原因の多くは人間関係が絡んでいます。
自分のみならず、相手の事情や考えも複雑に関わっていますので、そう簡単に解決するものではありません。
人が変化するにはそれ相応の時間がかかりますし、確実な答えがないことのほうが多いものです。
「すぐに答えが出ないからこそ、自分は今困っているのだな。難しいことに直面しているのだな」という視点を持つことで、答えを求める焦りが軽減されるでしょう。
以上、誰かに悩みを話す時の心構えをお伝えしました。モヤモヤして誰かに話したいときの参考にしてみてください。
<参考>
・ 厚生労働省「カウンセリングについて|困ったときの相談先|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」
・ 厚生労働省「困ったときの相談先|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~」





















